かつての職場で援助した人のなかに、救急車の常連さんがいました。
気性が激しい彼女には、境界型人格障害の診断名がついていました。
母親とケンカしたとき
体調がわるいとき
センター(私の職場)でトラブルがあったとき
とにかく感情が高ぶると、彼女はセンターまでの道路や駅で倒れました。ヒステリー症状なのか、意図的なものかは判然としません。
ある時、センターの前で倒れ救急車が来ると、彼女は私やセンターの所長にかかりつけ病院までの同行を強く求めます。
所長の判断で同行は断り、彼女は病院に一人で搬送されました。
病院ではいつものようにすぐに帰され、そのままセンターにやってきて、
「どうして一緒に乗ってくれなかったんですか!」
とものすごい剣幕で泣きわめきます。
煮えたぎる感情をぶつけてくる彼女に、かけるべき言葉が探せません。落ち着いた時の彼女は比較的ものわかりがいいのですが、こうなると何を言っても火に油を注ぐことになりそうです。
私が、その勢いに気圧されているそばで、所長が淡々と優しい口調で言いました。
「それはね、◯◯さん。あなたを信じていたからなの。あなたは一人でもきちんと対応できる人だと、大丈夫だと信じていたからよ」
彼女の顔から険しさが消え、いつもの素直で恥じらいの表情が浮かびました。彼女の火のような感情は、一瞬で消火されました。
センターの都合や規則を理由に挙げたら、ああはいかなかったでしょう。
信じてもらえるということ。
それは、とてつもなく、人を安心させることなんですね。その体験の積み重ねが、自己信頼を育むのだな、と痛感しました。
人を信じることに二の足を踏む時、私はこの時の事を思い出しています。
ちなみに、息子に時々「信じてるよ」というフレーズを使ってますが、今のところ全くピンときてないようですσ(^_^;)
気性が激しい彼女には、境界型人格障害の診断名がついていました。
母親とケンカしたとき
体調がわるいとき
センター(私の職場)でトラブルがあったとき
とにかく感情が高ぶると、彼女はセンターまでの道路や駅で倒れました。ヒステリー症状なのか、意図的なものかは判然としません。
ある時、センターの前で倒れ救急車が来ると、彼女は私やセンターの所長にかかりつけ病院までの同行を強く求めます。
所長の判断で同行は断り、彼女は病院に一人で搬送されました。
病院ではいつものようにすぐに帰され、そのままセンターにやってきて、
「どうして一緒に乗ってくれなかったんですか!」
とものすごい剣幕で泣きわめきます。
煮えたぎる感情をぶつけてくる彼女に、かけるべき言葉が探せません。落ち着いた時の彼女は比較的ものわかりがいいのですが、こうなると何を言っても火に油を注ぐことになりそうです。
私が、その勢いに気圧されているそばで、所長が淡々と優しい口調で言いました。
「それはね、◯◯さん。あなたを信じていたからなの。あなたは一人でもきちんと対応できる人だと、大丈夫だと信じていたからよ」
彼女の顔から険しさが消え、いつもの素直で恥じらいの表情が浮かびました。彼女の火のような感情は、一瞬で消火されました。
センターの都合や規則を理由に挙げたら、ああはいかなかったでしょう。
信じてもらえるということ。
それは、とてつもなく、人を安心させることなんですね。その体験の積み重ねが、自己信頼を育むのだな、と痛感しました。
人を信じることに二の足を踏む時、私はこの時の事を思い出しています。
ちなみに、息子に時々「信じてるよ」というフレーズを使ってますが、今のところ全くピンときてないようですσ(^_^;)