職務上知りえた秘密を垂れ流すと罪になる。
秘密の垂れ流しは確かに良くない。
だが、秘密性とは次元の異なる、秘密の価値のないものは垂れ流しになりようがない。
砂浜に、捨てられた朽木が転がっている。
誰でも見えるところに置かれている。
はじめは何かの役に立つと思われていた。
そのときはまだ朽木ではなかった。
置けば腐るだけで、使いみちはどんどん遠ざかる。
世はさまざま、これを秘密だと言う、変わった人が出てくる。
じっと見ているとワニの顔に見えないこともない。
そんなことだけでは秘密の理由にはならないが。
ここにこんなものがある、蹴つまずかないように、と立て札を立てた人がいた。
そっと置いたものを目立たせたのはけしからん、余計なことをしてくれたとそしられる。
公の秩序を乱したと、自らの秩序を失いかけている公さまが権威を見せるために、立て札を立てた人の職も住まいも奪ってみせる。見せしめである。
公さまにとって、されて気に入らないこと、それを秘密と呼ぶのだった。
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