都は、人々の集まる大きな町で、都合は、すべてをまとめた合計のことだった。
金勘定にも「都合いくら」という言葉が使われていた。
それとは別に、ものごとの具合、あるいは事情という意味に使われ、また「都合がよい」「都合が悪い」と、日時の適否にも使われている。
相手の都合を尋ねる場合、「ご都合」と前に「ご」を付けるが、前だけでなく後にまで文字が加わると、だんだんおかしな意味に変わっていく。
「ご都合如何」「ご都合主義」となり、時のことでなく、場合あるいは立場の表現に使われると、適用品位が落ちていく。
「ご都合情報」というのもありそうだ。
この場合、知らせたいご都合と、知らせたくないご都合がある。
知らせたいご都合は、知らせるだけでなく、そう思わせたいご都合もあって、これがなかなかの曲者で、形を変えて何度も何度も知らされ、それが事実実態で抜き差しならないものであるかのように人々に思わせてしまう。
知らせたくないほうは至極単純で、Webに流されている情報も、一斉消滅させてしまう。あるいは、消滅させたことにしてしまう。
消滅させたことにした情報は、その瓦礫がどこかに残っているから、人々は瓦礫を見て消された部分と消したご都合とを想像することになる。
そうしてできた疑心暗鬼の袋詰めは、だんだん罪深いものになっていく。
ご都合は罪業にもなる。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます