・・・・・・あわぞうの覗き穴・・・・・・

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何が見えるかは、覗く方々のお眼め次第です。

防火服

2010年11月22日 | なんだいまあ(何だこりゃが念仏になった)

また火事の季節がやってきた。
毎年のことだからそれを気に病んでも仕方がない。

昔ほど裸の火は使わなくなったのに、火事は起きる。
わざわざ火をつけて気を紛らわせる者がどこかに出てくるからである。

電気を使う装置も機械も、滅多に発火しなくなって、火事の原因が漏電と片付けるのはいかにも古い手に見られるようになった。

何の読み物だったか、うっかり出所を控え損ねたのではっきりしないが、「火浣布(かかんぷ)」という布の存在を知った。
火を浣う(あらう)布というのだから、火消し布、現代なら消防用防火服の素材になる布だろうか。

火浣布に相当する布は、古代エジプトではミイラを包む布に、また古代ローマではランプの芯として使われていたという。腐浣布でもあるようだ。

火浣布という名は、中国でつけられたもののようである。
平賀源内が、秩父山中で発見した石綿を布にし、中国流に火浣布と名付けて幕府に献上したといわれている。明和元年(1764年)のこととされている。
江戸時代にはこれを輸出していたそうで、盛んに製造されていたのだろう。

いまでは、石綿の布を身にまとうなどとんでもないこととだが、石綿はその害が明らかになるまでは、建物にも機械器具の部品にも、いろいろなところで使われていた。

防火服でふと検索を試みたら、妙なことを発見した。
防火服の仕様などは、日本のどこに行ってもまったく同じでよいだろうと思うのに、JISにはこの規格がない。
(財)日本防炎協会というところが防炎製品の認定を行っていて、その認定を得たものが用いられているらしい。
メーカーのページを見て、消防用/消防団用と違うものがあることにも気付いた。
この認定制度に適合するモノには共通仕様がなく、県単位どころか町の消防本部もそれぞれに仕様書を作っている。
しかも、素材はメタ型アラミド90%、あるいは95%などと、わずかな差を持たせ個別に仕様が決められているのである。

こういうことが地方自治と称するものなのだろうか。



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