空気入れではない、空気人という人種のこと。
人間は空気の中でずっと暮らしている。
それなら、人間はみな空気人と呼べるのか。
そうではない。
空気人とは、自分を取り巻く空気を何よりもだいじにし、空気に従って、空気に依存して生きている人をそう呼んでみようかということである。
地球を取り巻く空気が、世界中どこでも清浄平穏であれば、その空気に依存して、最も安全安心に生きていくことができるだろう。
多くの人は、どんな空気であってもそれを受け入れ、それを頼りに生きようとする。
現実の空気は、そんな状態にはほど遠い。
物理的な汚れつまり大気汚染は、科学の力で変えられるから、手を尽くせば清浄に近くなる。
雰囲気になってしまった空気には、物理的に手を加える科学の力が及ばないから、汚れがひどくなると清浄にすることは難しい。
人間は、難しいことには手を付けたがらないから、その汚れは進む一方になる。
汚れた空気でも、いま自分を取り巻いている空気になびき、泳いで居続ける空気人がいる。
その人々には、居心地のよい場所が作られ、空気人たちが渦を巻いている。
日本では、永田町というところがその場所の代表のようである。