相手が人でもモノでも、いったん嫌いと思ってしまうと、どうしてもその感情から抜けられなくなる、そういう通念が世の中一般にあるという、思い込みの階乗のような縛り縄があります。
地球全般に有名になってしまった有力政治家を、他国の人ならともかく、自国のその人を徹底して嫌い、それをわざわざ呼びかける組織活動があります。
その人への嫉妬なのかというとそうでもなく、おそらく次の人に引き継がれてもまた「嫌い」の対象にしてしまう、執念の縛り縄です。
そこには「嫌い」という形にあらかじめ巻き上げた縄があって、縛り上げる相手がいなくなってもぐるぐる巻いた縄だけが残りそうな、目に見えない気味の悪さがあるようです。