雨に、暇から偏を外した"カ"という文字を組み合わせると 霞、"カ"、"かすみ" と読む字になります。
日本人の好みそうなこの霞が、常用漢字から外れているのは不思議なことです。
霞の下半分は、人偏をつければ仮面の仮のもとの字であって、これはかぶせて隠す意味です。
横棒の数の多さも、もやもやかすんださまをよくあらわしています。
どうでもよいことをつかまえて、はっきりさせろと騒ぎたてながら、人を集めておいてつつきまわし、出てきた話の都合のよいところだけをニュースにすることが、近ごろ流行しています。
これでは、話はいつまでもはっきりせず、本質のところには霞がかかったままで、もやもやが晴れることはありません。
もやもや騒ぎは、はっきりさせることとは裏腹の、霞のかかった状態をながもちさせたい人たちが動かしています。
それは、伝えることに専念しているという仮面を剥ぎ取られないようにという、いじましい心根からなのでしょうか、いやはやどうも。