旅もたびたび出て習慣のようになってしまうと、面白さもだんだん減ってくるのではないだろうか。
ほとんどお任せの、付いて歩くだけの旅では、その機会に何かを発見することもないだろう。置き去りにされないよう、そんな心配の連続で終わるかもしれない。
ガイドブック頼りならまだよいが、行った先がガイドブックどおりでもつまらない。
XXそうでXXでない旅、どんなと言われても、XXを想定しておくことさえできないような、そういう旅ならきっと面白いだろう。
わからないこと、知らなかったことにめぐり会える、そでれこ旅に値打ちが出てくる。
旅の値打ちは帰り道にそれに気付き、そこで決まる。
訪れる人たちに、旅の値打ちを感じさせるには、みやげ物を並べて売る町並みだけでは足りない。
客寄せの奇策を一つ考えた。
入町料を取る町をつくってみたらどうだろうか。
駅の改札口で町の切符を売る。道路には関所を設けて入町料を徴収。
そのかわり、訪れる客には至れり尽くせりのおもてなしが待っている。
そうなると、一軒だけ頑張ってもだめだから、競争で、また共同で、おもてなしの方法を何か考えるようになるだろう。
企画は共同、実行は競争、座って待っていたときとは大違いの、旅の値打ちを提供できることになると思う。