「鬢のほつれ」という唄を思い出す。
♪ 鬢のほつれは 枕のとがよ それをお前に疑られ
つとめじゃえ 苦界じゃ 許しゃんせ
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仕事仲間の合図にしても
「びんほつ」などと声高に
いやな言葉は、それだけが耳に残る。
聞こえよがしに思わず発する言葉で、およそ品格が定まる。
符丁は色気をそぐもの。
くだけた調子のつもりでも、見せたがっては空気を壊す。
調子が外に出て目立てば、もはや調子ではなくなる。
ほつれは、まとまりがなくなることだが、ほつれた様は、たくまずしてそうなってこそであるのに、はじめから化け物のような髪をして、ちかごろはなぜカメラの前に立つのか。
あれは見る者を苦界に追いやる。