不思議な質問投稿に出会った。
『「100人弱」とは?「101人」の事でしょうか?又は「99人」の事でしょうか?』とたずねている。
ともにはずれのこの考えが、なぜ出てきたかを考えてみた。
まず101人と書いてあるから、これが最初の考えと仮定する。そうかも知れずそうではないかも知れないことは仮定と断るより仕方がないのでそうしておく。
この人の頭は、構文の基本に忠実に、そして数理的に働いた。
100人弱=101人
という凡人では考え付かない名数式ができあがった。
構文の基本とは、文章には主語の存在が必須であること、そして主語は文章の先頭に配置すること。ガチガチの文法あたまはこう考えた。
この様式にとらわれて、「ワタクシは」とはじめに言いながら、何を考え、何をするのかをまったく言わない永田町劇場の台詞をたびたび耳にしている。
100人弱というのはひとつの熟語でしかないのに、文章と同様の構成を思い浮かべる。
そこに「100人は弱い」という意味ができあがる。
100人が弱ければそれは100人より強い数、人数は整数だから100人プラス1人となる。
そこで、「100人弱」とは?「101人」の事でしょうか?となる。
ものごとには必ず対義がある。これもガチのかけらなのだが、100とプラス1を比べたからには、マイナス1も考えに入れておかなければならない。
又は「99人」の事でしょうか?はこうして出てきた。
何ごともこんなふうに考える人がもし増えてきたら、人間の世界はどうなるのか。
おお神よ、としか言いようがない。