・・・・・・あわぞうの覗き穴・・・・・・

気が向いたときに、覗いてご覧ください。
何が見えるかは、覗く方々のお眼め次第です。

事例

2011年08月16日 | つぶやきの壺焼

ものごとの説明に、何か事例を挙げられると、何となくわかったような気になる。
言葉、思想など、抽象的なことで初めて聞いたような言葉も、例の力で意味を呑み込んだと思ってしまう。
その場合説明者は、説明にとって都合のよい例を必ず持ち出す。条件の違う別のことが、その言葉なり思想なりに当てはまるかどうかはわからない。
この当たり前のことに、多くの人は気づかないでいる。あるいは気づかないふりをしている。ぼんやりか温情、どちらもあたたかい。

事例というものは、説明する側に好都合な条件に合わせて用意するからこそ有効になる。悪い言葉をあえて使えば、事例は欺瞞の道具なのである。

質問する側から怪しげな道具を使ってくださいなどと言う注文は、到底出す気にならないものと思うものだが、事実には逆のことが多い。
Yahoo 知恵袋にも、私をだましてくださいというような呑気な質問が土日休日にはずらっと並ぶ。
まことに不思議な現象と思いながら、つい覗きに行ってしまう呑気者もここにいるからおかしい。