(2024年度京芸入試再現作品 3月3日(日)20時アップ)
(2024年度京芸入試再現作品 3月2日(土)21時アップ)
(2024年度京芸入試再現作品 2月27日(火)20時アップ)
(2024年度京芸入試再現作品 3月5日(火)20時アップ)
(2024年度京芸入試再現作品 3月4日(月)20時アップ)
(2024年度京芸入試再現作品 3月2日(土)17時アップ)
(2024年度京芸入試再現作品 2月27日(火)19時アップ)
(2024年度京芸入試再現作品 2月27日(火)23時アップ)
(2024年度京芸入試再現作品 2月28日(水)13時アップ)
(2024年度京芸入試再現作品 2月29日(木)18時アップ)
(2024年度京芸入試再現作品 3月2日(土)21時アップ)
(2024年度京芸入試再現作品 3月3日(日)20時アップ)
(2024年度京芸入試再現作品 3月3日(日)21時アップ)
(2024年度京芸入試再現作品 3月2日(土)21時アップ)
(2024年度京芸入試再現作品 3月4日(月)21時アップ)
◇描写「下記の条件に従い、「止まっている水」と「動いている水」の二つの状態の水が入ったプラスチック容器2点を構成し、答案用紙に鉛筆で描写しなさい。」 (※2月25日(日)20時更新)
今年度は条件がかなり多く、問題文で問われている「止まっている水」と「動いている水」の2つの状態を構成し描写するという出題でした。
これまでは与えられたモチーフを卓上に並べて構成し描写するのが基本でしたが、今年度は水の入った片方のプラスチック容器を手で動かしながらそれを観察して描写するという、今までにない指示の多い課題でした。
水の変化の違いをそれぞれ描き分けられているか、またプラスチック容器の形の正確さ、立体感や質感の表現なども重要な評価ポイントです。
今回は色彩や立体科目のように条件がかなり具体的に書かれているため、見落としや違反が無いように心がけることがかなり重要です。
条件は以下の内容です。
①2つのプラスチック容器に、ペットボトルの水を任意の量移し入れ、フタをしっかりと閉めること。
②「止まっている水」の状態のプラスチック容器1点を台紙上に配置すること。
③もう一点のプラスチック容器を手で動かして、「動いている水」の状態を作ること。このプラスチック容器の描写は、台紙上に接地していても、浮いていてもかまわない。
④③のプラスチック容器を持つ手は描かないこと。但し、手で隠れている部分は描くこと。
⑤ペットボトルは描かないこと。試験開始約20分後に回収します。
これらの条件から出題の意図を読み取り、描写しなければならないため、まずは文章を繰り返し読んで線や丸をつけることが大切です。縛りが多いため、減点になるようなことをしていないか確認を怠ってはいけません。
そして「動いている水」を持つ手はモチーフとして扱われないため、隠れている部分は想定しながら補っていく必要があります。「動いている水」のプラスチック容器を手前に、「止まっている水」を奥にする方が描きやすい構成だと言えます。
また「動いている水」のプラスチック容器は浮いてても、台紙上に設置していてもどちらでもいいと記載されていますが、これも浮かせたほうが迫力が出やすい画面になったと思います。台紙上に設置した方が明らかに描きやすく、浮かすことのリスクを考えれば挑戦している人の方が評価される可能性が高いと考えられます。
与えられた2つのプラスチック容器の大きさや比率を間違わないことももちろん重要ですが、今回は構成に対するアプローチの仕方(消極的にならないこと)と水に対する描写力、出題に対する柔軟性や対応力が特に問われてた課題だと推測されます。
◇色彩 「テーマ「光」与えられたフィルムの観察からテーマを発想し、にじみの効果を活かした色彩構成をしなさい。」 (※2月25日(日)20時更新)
今年度の色彩課題は「光」というテーマで、"光"とは目に明るさを感じさせるもの。太陽・星・電球などの発光体から出る光線。主に可視光線の事を指します。
上記の光の持つ特性を理解した上で、与えられたフィルムの特徴を観察して感じた光の美しさからテーマを発想し、にじみの効果を活かした画面構成が必要になります。
またオーロラフィルム、ポスターカラー12色セット、ティッシュが与えられている事を考えると、今年度も昨年度の課題である「ハケの特性を活かした色彩構成」と同じく、与えられた素材の特性を活かしつつ画面内で指定された絵の具、材料、技法を的確に用いた構成力が問われています。
今回の課題は大きく分けて
①光の特性の理解
②与えられたフィルム(オーロラフィルム)の特徴の把握
③指定された12色セットの中での混色の色幅
④ティッシュを用いたぼかし表現
⑤答案用紙の塗り残しの処理
が鍵となっており、これらのキーワードを十分理解した上で画面内で適切な表現ができているかが重要です。
また今回の課題文にある「テーマを発想し」という言葉から、ただ単調な"光感"のある画面構成にしてしまわないよう、受験者にある程度フィルムが放つ「光」の印象を委ねられています。但し「自由に」や「イメージを広げて」という言葉がないため、フィルムの印象を無視した光感のある画面構成にしてしまうと出題者の意図とはズレてしまいます。またただ与えられたフィルムをそのまま描写するだけというのも適正ではありません。
次に「色彩構成」という言葉ですが、色の組み合わせや、形と空間的バランスにまとまりのある画面を作ることを目的とする課題のことを指します。色彩構成の基本は、シンプルにアイデアやイメージを見る人に分かりやすく伝えることです。
昨年度の傾向からしっかりと自分なりに課題を解釈し、テーマに沿った作品は例年通り評価され、課題文を読み飛ばしたり、「光」に対してのテーマ設定が出来ていない作品は厳しい評価になると推測されます。
今年も引き続き注意事項に記されていた塗り残しに関しても、与えられた画用紙の白は無彩色で"一番明度の高い色"として扱えば、適切な構成が組めたと思います。
その他の採点基準としては、構成のバランス、色の綺麗さ豊かさまとまり、発想の面白さ、丁寧さや完成度の高さなどが評価されると思います。
◇立体 「4色の色画用紙を使って、「明快な立体」を制作しなさい。 (※2月26日(月)15時更新)
※「明快」・・・さっぱりとして心地のよいこと。筋道が明らかですっきりしていること。
今年度の立体課題は、「明快な立体」をテーマに与えられた材料で表現するという課題でした。
支給された制作用材料は4色の色画用紙が1枚ずつで、白・黄・青・グレーという組み合わせが与えられました。この4色の色画用紙+白色段ボールの答案用台の組み合わせと課題文に「明快」という言葉の意味が記載されている事から、そこに出題者の強い意図が込められているのが読み取れます。
画用紙の色味には無彩色の白、グレー、有彩色の黄、青が存在しており、補色である黄・青がメインとなる立体を作ることで「明快」を強く表現することが求められていると推測されます。
今回のテーマは、常日頃の立体で言われている造形美や洗練された分かりやすい形を作ることが最も重要であり、シンプルで美しい立体であるかどうか、素材も的確に扱えているかどうかが問われている課題だと言えます。
これまでと違う点として、答案は答案用台の白色の面に行うこととありました。これは与えられている色画用紙の中に白が含まれていることも考慮すると、台紙に接する画用紙の色の選択や視覚的に色と形をどう見せていくかが評価ポイントになると思います。
「明快」の言葉の意味として、さっぱりとして心地よいこと、筋道が明らかですっきりしていること、と書かれているように、1つの立体の中に4色の色画用紙が心地良く見えてくるものが評価されると予想出来ます。黄、青を見せようとする意識は大切ですが、白、グレーと分離して見えてしまったり、流れが唐突な造形を作ってしまうとテーマから逸れてしまうため、あくまで客観的に見た時の全体の流れや色の配置、バランスを意識して表現出来ているかどうかがポイントだと考えられます。
また立体の課題における基本事項もしっかりとクリア出来ている必要があります。条件違反が無いか、縦・横・高さの範囲内で立体が収まっているかどうか、倒壊の心配が無いか、これまでの対策で意識してきたポイントは漏れなく押さえるのが大切です。紙立体はしっかりと固定すれば倒れることはあまり無いですが、重心が傾いて不安定になったり、台紙の上での位置のバランスがズレていると、見栄えにも影響してしまいます。
設置や構成のバランスも含めてテーマを感じる立体になっているかどうかも非常に重要なポイントです。
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