ものぐさ日記

ひとり遊びが好きな中年童女の日常

ペルシャのイメージ

2008年06月23日 | たべもの
 阿佐ヶ谷にあるペルシャ料理店「ジャーメ・ジャム」に行きました。おいしくて、盛りつけもきれい!ハーブが効いていて、洗練された味でした。

 メニューには、キョフテ(コフタ)、キャバーブ(ケバブ)、ナン、フムス、ドルメ(ドルマ)、ポロ(プラウ/ピラフ)、クスクスなど、他の国の「各国料理レストラン」で見かけたものがあって、おもしろかったです。

 フムス(ひよこ豆をすり潰したペースト)は、イスラエル料理、ドルマ(葡萄の葉っぱで包んだご飯)や、ケバブ(焼き肉)、コフタ(挽肉の焼き肉)はトルコ料理、プラウ(炊き込みご飯)は中近東、クスクスは、アフリカ、というイメージがありました。ナンはインド料理店で出てくる細長い葉っぱ型のものが日本では一般的ですが、もともとは、ペルシャ発祥で、円形のものがオリジナルのようです。ドルマは、トルコからバルカン半島に渡り、葡萄の葉ではなく、キャベツで包む、ロールキャベツに変化したそうで、クロアチア料理店では、「サルマ」という名前のメニューになっていました。
 昔からいろいろな地域と交流があって、食べ物もことばも影響しあっているんですね。

 
 私のペルシャ(イラン)に対するイメージは、インドを旅行するようになってから変わりました。以前は、「中東のエキゾチックな国」。大島弓子の『綿の国星』で、ペルシャ猫系の雑種と思われるチビ猫が、抱いたイメージと大差ありませんでした。たぶん、日本人の中には、以前の私と同じように、ペルシャもアラブ諸国のひとつだと思っている人も多いのではないでしょうか?

 インドに行くようになって、さらにヒンディー語を習い始めてからは、「イランはインドに近い国」というイメージを持つようになりました。イラクやヨルダン、サウジアラビアは、アラブだけど、イランとインドは、「インド・アーリア」という認識。ヒンディー語の中にあるペルシャ語起源のことばは、アラビア語やトルコ起源のことばより、基本的な単語にたくさんあるような気がします。

 インドの人が抱くペルシャのイメージも、我々とはちょっと違うような気がします。インドの人にとってのペルシャは、『パールスィー』で、イスラム教徒ではなくて、インドに住んでいる拝火教徒のイメージの方が強いのではないでしょうか?

 ジャーメ・ジャムのメニューを見て、アラブ諸国にはない、代表的なペルシャ料理はなんだろう?と、気になったので、家に帰ってからパールスィー料理の本を見てみました。インドから発行されているその本には、「肉食中心で、ナッツ類を多用するのが特色。インドに来てからは、マハーラシュートラやグジャラート料理の影響も強く受ける」と書いてありましたが、これも、「インドのパールスィー料理」の特徴であって、イランのペルシャ料理とはちょっと違うような気がします。インドレストランにある、ナッツ入りのナンは、「カーブリーナン」という名前がついているけど、インド人にとってのナッツは、カーブル(アフガニスタン)経由、西方山岳地帯の特産品というイメージがあるのでは?(日本の「胡麻」や「胡瓜」の『胡』と同じようなイメージ?)

 ジャーメ・ジャムは、私にとって、3軒目のペルシャ料理店でしたが、前に行った2軒に比べると、香りの強いハーブを多用していて、それがアラブ料理とは違う特色を出しているような気がしました。

 いろいろ調べていたら、どうもペルシャ料理は、煮物というか、シチューが有名らしい。ほうれん草もイラン原産の野菜だとか。ううん…煮込み料理も、ほうれん草料理も食べ損ねてしまった。次回は必ず…。



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