ものぐさ日記

ひとり遊びが好きな中年童女の日常

父ボース 追憶の中のアジアと日本

2008年09月29日 | 
 ラース・ビハーリー・ボースの長女、樋口哲子の話を、『中村屋のボース』の著者、中島岳志がまとめたもの。


 情報量としては少なく、(文庫版を待ってから買ってもよかったかな?)と思ったりもしましたが、『中村屋のボース』『パール判事』と同じく、矢萩多聞の装丁なので、3冊並べると、デザインに統一感があり、きれいです。情報量は少なくても、情報の内容は、ボースの娘で、側で実際見聞きしていた人でなければ、わからないようなことばかりで、貴重。インド独立の2年前に亡くなったボースが、晩年、敗北感を抱いていた、というくだりを読むと、せつなくなります。

 
 ボースの娘、哲子さんは、お母様を早く亡くしたせいもあり、中村屋の経営者である、祖父母、相馬愛蔵・黒光夫妻に育てられました。哲子さんの覚えている黒光のキャラクターは強烈で、今度は相馬夫妻のことを知りたくなりました。


 ところで、この本の中でも、詩聖は、「ラビンドラナー・タゴール」。綴りを見ると、रवीन्द्रनाथ टगोर (ठाकुर)、Rabindranath Tagore なので、日本語で書くと、やっぱり、ラビンドラナーだと思うんですけど、インドに詳しい中島岳志さんが関係する本で、何度もラビンドラナーと出てくるところを見ると、もしかすると、「」の音の方が近いのでしょうか?アルファベット表記ではTagore(タゴール)だけど、ヒンディー語では、ठाकुर(タークル)の方が一般的な名字だし、ファーストネームにしても、詩聖の母語、ベンガル語では、「ラビンドラナート」ではなく、「ロビンドロナート」というそうですからね~。外国人の名前ですが、せっかくなので、カタカナ表記でも、本当の名前に近い音で覚えたいと思うのですが…気になるなぁ。

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