母と電話で話していたら、「今年は例年になく、ブドウにたくさん実がついた。たくさんすぎるので、少しおろぬかないと小さい実になっておいしくないかもしれない」と言っていました。ブドウは、何年か前に叔母の家から株を分けて貰って植えたものです。最近はミツバチが減ってしまい、自然に受粉しにくくなったので、筆で花を撫でたりして花粉をつけてやっているようです。
それにしても「おろぬく」って?
話の内容から「間引きする」ことかな?と想像はつきましたが、あまり耳にしたことがないことば。電話が終わってから、さっそく辞書で探してみました。
「おろぬく」というのは、「疎抜く」と書いて、
1.(たくさんのものから)間引くこと
2.間をあける(例文:「女郎買いも当分おろぬくつもりだ」)
というような意味で、「うろぬく」ともいうようです。
「疎遠」の「疎」って、「おろ」って読むんだっけ?「おろそか」って「疎か」なのねぇ…と、無知丸出しで感心して、漢語辞典も調べてみると、たまたま私の持っている辞典(三省堂の新中漢和辞典)には、「おろそ-か」という読み方は載っていませんでしたが、「うとんずる(疎んずる)」というのが出ていました。「疎い」ね-。ちなみに「疎か」も「疎い」もATOKで変換するけど、「おろぬく」は変換しません。やっぱりあんまり使わないことばなんですかね。
「おろぬく」の「おろ」は、「密集していない、隙間がある」、という語感のようです。接頭語としては、「たしかでない、いささか」という意味で使われるようで、「うろ覚え」の「うろ」も、「おろぬき」/「うろぬき」の「うろ」と同じ使い方みたい。「おろか」も、「愚か」の他に「疎か」と書きますが、これは「おろそか(疎か)」とほとんど同じ意味で、「おおざっぱ、いいかげん」。その他に、「実(じつ)が十分にはこもっていないこと」という記載もあったので、「おろかな(疎かな)礼状を書いて寄こした」なんて使い方もできるのかな?
「おろおろする」というのは、「気が動転して取り乱す」(ちょっとおおげさ?)というような意味だと思いますが、「おろ-」という音は、もともと「隙間が多い→気が抜けている→散漫」というような語感だとすると、ちょっとニュアンスが違うような気がします。
「疎抜く」、「うろ覚え」の他に「おろ」がつくことばとしては、「おろねぶる(疎眠る)」(浅く眠る)、「おろよし(疎よし)」(少しよい、ややよい、あまりよくない)などが辞書に出ていましたが、私は一度も語例を耳にしたことがありませんでした。
おおざっぱに、
びっしり密集している=密度が濃い、しっかりしている
すきまが多い=しっかりしていない、いいかげん
というイメージなんですかねー。「疎抜く」のは、よい結果を得るために、選ぶという行為ですけど。
ブドウの木は、雪の重みで木が裂けてしまい、ダメになっていたとあきらめていたのですが、脇から新しい枝が出て、今までの中で一番実がたくさんついたそうです。痛手を負ったブドウも存続をかけて必死なんですね。疎抜いた実も、ピクルスか何かに使えないものかな。
再生したブドウの木
それにしても「おろぬく」って?
話の内容から「間引きする」ことかな?と想像はつきましたが、あまり耳にしたことがないことば。電話が終わってから、さっそく辞書で探してみました。
「おろぬく」というのは、「疎抜く」と書いて、
1.(たくさんのものから)間引くこと
2.間をあける(例文:「女郎買いも当分おろぬくつもりだ」)
というような意味で、「うろぬく」ともいうようです。
「疎遠」の「疎」って、「おろ」って読むんだっけ?「おろそか」って「疎か」なのねぇ…と、無知丸出しで感心して、漢語辞典も調べてみると、たまたま私の持っている辞典(三省堂の新中漢和辞典)には、「おろそ-か」という読み方は載っていませんでしたが、「うとんずる(疎んずる)」というのが出ていました。「疎い」ね-。ちなみに「疎か」も「疎い」もATOKで変換するけど、「おろぬく」は変換しません。やっぱりあんまり使わないことばなんですかね。
「おろぬく」の「おろ」は、「密集していない、隙間がある」、という語感のようです。接頭語としては、「たしかでない、いささか」という意味で使われるようで、「うろ覚え」の「うろ」も、「おろぬき」/「うろぬき」の「うろ」と同じ使い方みたい。「おろか」も、「愚か」の他に「疎か」と書きますが、これは「おろそか(疎か)」とほとんど同じ意味で、「おおざっぱ、いいかげん」。その他に、「実(じつ)が十分にはこもっていないこと」という記載もあったので、「おろかな(疎かな)礼状を書いて寄こした」なんて使い方もできるのかな?
「おろおろする」というのは、「気が動転して取り乱す」(ちょっとおおげさ?)というような意味だと思いますが、「おろ-」という音は、もともと「隙間が多い→気が抜けている→散漫」というような語感だとすると、ちょっとニュアンスが違うような気がします。
「疎抜く」、「うろ覚え」の他に「おろ」がつくことばとしては、「おろねぶる(疎眠る)」(浅く眠る)、「おろよし(疎よし)」(少しよい、ややよい、あまりよくない)などが辞書に出ていましたが、私は一度も語例を耳にしたことがありませんでした。
おおざっぱに、
びっしり密集している=密度が濃い、しっかりしている
すきまが多い=しっかりしていない、いいかげん
というイメージなんですかねー。「疎抜く」のは、よい結果を得るために、選ぶという行為ですけど。
ブドウの木は、雪の重みで木が裂けてしまい、ダメになっていたとあきらめていたのですが、脇から新しい枝が出て、今までの中で一番実がたくさんついたそうです。痛手を負ったブドウも存続をかけて必死なんですね。疎抜いた実も、ピクルスか何かに使えないものかな。
再生したブドウの木
5月に撮したブドウのつぼみ
「うろ」も「おろ」のように、「ぽっかりと穴が空いたように隙間がある状態」という意味のようです。「おろおろする」は「うろたえ」ながら「うろうろする」さまとも言えるかも。
「うろたえる」の漢字(狼狽える)には、おもしろいエピソードがありました。
http://www.tisen.jp/tisenwiki/?%CF%B5%C7%E2
「うろたえる」も同系の言葉なのでしょうか。