ものぐさ日記

ひとり遊びが好きな中年童女の日常

『銀座ナイルレストラン物語』

2013年09月28日 | 

 先週は2箱の本を処分。その中には、サリンジャーやアップダイクもあったし、何年もかけて少しずつ買っていた、平凡社の『世界の民族』(全20巻)のうち、ようやく手に入れた15冊も入っていました。買い始めた頃にはパソコンを持っていなかったけれと、今ではインターネットで、その手の欲しい情報を得ることができます。でも、結局古本屋で見つけられず、図書館に予約して読んだ12巻目の「インド亜大陸・ヒマラヤ」で、初めてインドに、一婦多夫制の人たちがいることを知ったんだっけなぁ。こういうことは、目的ごとに調べるネットより、つらつらと目を通していく本で知る喜びの方が大きいような気もします。

 そうやって本を捨てる一方で、欲しい本もあります。今、一番読みたいのは、『アトランティック・レコードを創った男 アーメット・アーティガン伝』。なぜか表紙の写真が、別の出版社から過去に出版された『アトランティック・レコード物語』の表紙で使われている写真と同じなのが気になりますが、自転車で行ける距離にある県立図書館に入ったのがわかったので、そのうち借りて読んでみよう。

 2年前に発行された『銀座ナイルレストラン物語』も、ずーっとAmazonの「欲しいものリスト」に登録したままでしたが、最近文庫版になったので、きょう買ってきました。

 

 ナイルレストランといえば、日本におけるインドレストランの草分け。しかも、創業者は、インド独立の志士、A.M.ナイルで、著書の『知られざるインド独立闘争』はとても興味深い本でした。でも、「衝撃」という意味では、この『銀座ナイルレストラン物語』の方が、よりびっくり!かも。だって、あの、インド人オーナー(ナイルさん)が始めた老舗のインドカレーの、看板メニューの「ムルギーランチ」を作ったのは、インド人のナイルさんじゃなくて、日本人の奥さんだっていうんですから。

 そういや、鶏肉とニンジン、ジャガイモ、キャベツが一緒に入ったカレーって、他のインドレストランで見たことがないかも。野菜カレーは、2~3種類の野菜が入ったものもありますが、チキンカレーなら鶏肉だけ、キーマカレーならひき肉だけ、というのが普通。

 ナイルレストランのカレーは、日本風でない味付けから、創業者のA.M.ナイルさんが故郷で食べていた味を再現したものだと勝手に思っていましたが、そうじゃなかったんだ~。

 

 なんていう話から、主に現在の社長、G.M.ナイルさんに取材した「知られざるインドレストランの歴史」に引き込まれ、一気に読んでしまいました。いや~、おもしろかった。文庫より単行本の方が長期間もつから、図書館にぜひ入れていただきたい一冊。文庫版のあとがき、単行本発行後2年分の情報も追加されていて、個人所有としての文庫版もお得な感じです。

 「ムルギーランチ」は、3年前に、20年ぶりに食べに行って、変わらぬおいしさに感激しましたが、またそろそろ食べに行きたくなりました。最近は、東京でも、南インド料理を出す店も増えましたが、「ムルギーランチ」が食べられるのは、銀座のナイルレストランだけです。

 

 


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ぐるるr~ (とーこ)
2013-10-03 19:19:46
ていこさん

おお、そうですか。私はまだ三代目は写真でしか拝見したことがないのですが、かっこいいワカモノですよね。三代目はクォーターになるかと思いますが、初代からずっと、ナイル家はインド国籍のままだとか。

ナイルレストランでは、ムルギーランチしか食べたことないのですが、チャンスがあれば他のメニューも試してみたいです。…なんつって、行けばぜったいムルギーランチ食べたくなるし、食べたら他のものはおなかに入りそうもないですけど。そういやナイルレストランにはいつも一人で入っていました。複数で行けば他のメニューも試せるかな。
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ナイルさん (ていこ)
2013-10-02 23:42:45
3代目ナイルさんは、時々テレビに出ていて・・・
たまたましかテレビを付けないのに、たまたま出ているのを見たのだけれど、なんと言っても料理にすごく日本への愛がある。
と、思ったのは・・・そうだったのですね。

ナイルレストラン、魅力的すぎます。

最近はインドの人達も、ちゃんと日本料理(焼き魚とか)をたべているのを、みて素晴らしいなあ~と、思います。

夜中なのに、お腹が減ってきてしまいます。
ぐるる~~~。
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日印ハイブリッド (とーこ)
2013-09-29 21:21:47
笹団子ざん

独立運動の志士だったA.M.ナイルさんもすごければ、ナイルレストランの最初の3年間を牽引した奥さんも偉い。その二人の間に生まれたインド=日本のハイブリッドんのG.M.ナイルさんも相当な逸材でございます。経営手腕だけでなく、好きなことを楽しむという、当代社長のエピソードを読むと、元気になります。
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在日インド人 (笹団子)
2013-09-28 23:37:28
在日インド人というと今はITエンジニアや御徒町のダイヤモンド商、そしてレストランの経営者(インド料理だけでなくイタリア料理店で働くインド人も結構いるようですね。)ですね。

その先達のお話がつまらないとは思えない波乱万丈なんですが、看板メニューを考えたのが日本人の奥さんですか?他にもありそうですね。(笑)
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