ものぐさ日記

ひとり遊びが好きな中年童女の日常

広告

※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。

『バル・コホバ』

2013年09月08日 | 

 相変わらず写真の整理。捨てられるものは捨てましたが、それでもかなりの量。やっぱりフィルムスキャナーが欲しくなる…と思いつつ、写真よりかさばる本の断捨離にも着手。先週は49冊(プラスインド映画のDVD3本)をネットオフに売って、716円。引き取ってくれなさそうなものは、ゴミとして処理するつもり。…でもその前にもう1回読んでおこうか…なんてことしているから片付かないんですけど。

 

 そうして引っ張り出してきたうちの1冊がこれ。『バル・コホバ』(イガエル・ヤディン著、山本書店発行)

 

 これは、縁あって、31年前にイスラエル大使館からもらった本です。マイナーなだけに、当時(発行は1979年)で6400円もするハードカバーで、紙箱つきだったので、31年経った今も、ひどい汚れはありません。

 しかし、読み始めて驚いた。まったく内容を覚えていない!もしかして、持っていただけで読んでいない?と自分を疑いましたが、30ページくらい読んでようやく思い出しました。よかった(^^;)。

 

 1948年にイスラエルが建国されるまで、ユダヤ民族は帰属する土地を持たないままの離散生活を送っていましたが、そのディアスポラが決定的になったのが、132年に始まった「バル・コクバの乱(第二次ユダヤ戦争)」。ユダヤを率いたのが、バル・コクバ(バル・コホバ)です。この本は、その「バル・コクバの乱」の発掘された遺跡について詳しく書かれています。発掘作業は、1960年頃なので、「バル・コクバの乱」から1800年以上も経っているのですが、それでよくここまで…というほど、良好な保存状態。特に、慎重にときほぐした巻物の中から、「イスラエル大統領シメオン・バル・コシバ」という文字が出てきた…というくだりを読んだときは、寒気がしました。…前にも読んだはずだけど。

 ヘブライ文字やアラビア文字など、西アジアの文字は、母音を表記しないらしく、実際にどういう音で読むのかは、はっきりしないらしいのですが、「バル・コホバ」と呼ばれている指導者の本名は、「ベン・コシバ(KSBA)」であったと言われています。「バル・コクバ(コホバ)、=星の子」と呼ばれるようになったのは、旧約聖書の民数記の詩節、「ヤコブからひとつの星が出る」を、ラビ・アキバが、「ヤコブの家から星(KWKB)が現れるであろう」また、「ヤコブの家からコジバ(KWZBA)が現れるであろう」と唱えたことによると書かれています。つまりダジャレ?

 とにかく、寒気がするくらい興奮したのは、歴史のひとこまが鮮やかに現実のものとしてよみがえってきたから。歴史上の政治家バル・コクバの手紙より、一緒に発掘された、一般の遺物の方がさらに興味深い。毛糸玉とか、遺産をめぐる未亡人の訴状とか。しゅろの繊維に包まれていたおかげなのか、完全な形のまま、白濁もしていない美しいガラスの皿、柳の籠。色の残った布や絵など、日本と違って湿度がないせいなのか、生々しいくらいです。発掘している最中に、「バル・コホバの乱」(132-135年)より3000年前に作られた銅製品もたくさん出てきちゃったとか。西アジアで、「先祖代々ここに住んできた」「わしらの方が昔から住んでいる」なんて話が、今でもリアルなのも無理はないと思いました。

 

 30年ぶりに読み返して、やっぱりおもしろかったし、近所の図書館にもないし、文庫版にもなっていないから、この本は残しておこうかな。なかなか片付かないなぁ。

ジャンル:
ウェブログ
コメント (4)   この記事についてブログを書く
« またサヨナラ | トップ | 『銀座ナイルレストラン物語』 »
最近の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
時間とものと向き合う (ばーば71)
2013-09-09 05:54:37
とーこさんの解説を読んで、興味が湧きました。情報はかならずしも真実とは限りませんが、証拠の品々が出たのは、面白い。とーこさんに比べ、使う時間が減っている私なので、かなりバッサリと処分していますが、家具など大物が多く、悩みの種。これに比べれば、本はたいしたことないですよ。
Unknown (とーこ)
2013-09-10 05:48:18
ばーば71さん

家具は物理的に大変そうですね~。

私もバッサリといきたいところですが、要不要を判断する明晰な頭脳がなくて…。

新婚当初に買った電化製品なども、少しずつ入れ替わっていますが、合板の安物のたんすなどは、(夫が修理しつつ)一生使ってしまうかもしれません。スタイリッシュなインテリアは望みようもありませんが、分相応だったかな。

イスラエルじゃないですけど (笹団子)
2013-09-10 20:25:07
旅行で訪れたことのあるシリアやレバノン、トルコでは今でもバル・コクバの乱の時代に近いモザイク画があちこちにありました。
あの地域にはまだ畑なんかがあるのですが、日本より乾燥していましたね。

しかし、イスラエル大使館からもらった本というのは貴重ですね。どうしてもということでしたら神田神保町の古本屋で見てもらった方がいいかもしれません。
Unknown (とーこ)
2013-09-11 05:47:24
西アジアは昔から行ってみたいと思っていましたが、結局行く機会がないまま一生を終えそうです。行ける時に行かないと、行く気もなくなるもんなんですねー。

ホントに今思うと、大使館から本をいただくって不思議ですね。アマゾンの中古本取り扱いをみると、1090円から売っているようです…文庫本のマハーバーラタより安い。でも、今回読み直してよかったと思いました。

コメントを投稿