ダ・ヴィンチで連載していた舞姫(テレプシコーラ)の第一部・最終巻。なんと、10巻揃いのボックスまで出てしまいました!
「第1部」とのことですが、第2部はちゃんと出るんでしょうね~。このまま空美ちゃんが出てこないで終わったら、おばさん、怒りますよ~。
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主人公は、中学生の六花(ゆき)。母親はバレエ教室の主催者で、六花もバレエを習っています。ひとつ年上の姉、千花(ちか)は、バレリーナとしての将来を嘱望される実力の持ち主だが、六花は、股関節の片方に若干問題があり、180度足を開くことができない。そんなこともあって、小学生の時から、バレリーナーを目指す千花に比べると、バレエにもそんなに真剣になれないでいた。
ところが、六花のクラスに、千花よりバレエがうまい空美が転校してきたり、怪我をした千花の代役を務めたりするうちに、だんだん六花の意識も変わってくる。振り付け師(コリオグラファー)としての才能があることにも気づく。一方、千花の身の上には、偶然というには、あまりにも酷な出来事が重なる…
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第1部は、こんなストーリー。いやはや、昔ながらの少女漫画なんですけど、見せるんですよ~。バレエのことは、よく知りませんが、この漫画を読みながら、どんな演目に、どんなテクニックが必要とされているのかとか、バレエの姿勢の基礎とか、すこ~し、わかるようになりました。バレエ好きな人なら、おもしろさも2倍じゃないでしょうか。
それにしても、10巻では、千花ちゃんがあまりにも気の毒で、電車の中で読みながら、何度かウルウルしそうになって困りました。才能に恵まれ、努力も続けている人にも、運が向くとは限らないんですね~。運動をしなかったので、一度も骨折も捻挫もしたことのない、この私の丈夫な体を千花ちゃんにあげたい…!(いりません、そんな短くて太い足…とか言われそうですが)
さすがに山岸凉子さんの漫画、おもしろいです。
でも、いつも気になるんですけど、もうちょっと丁寧に描いてくれた方が嬉しい。
もちろん、山岸凉子さんは絵がうまいし、デッサンもちゃんとしているし、全体としてはきれいなんですけど、線が、す~っと1本ではなくて、重なっていたり、とぎれていたりで、ちょっと雑な感じがします。髪の毛のつやつやしているところなんか、それは丁寧に描いてあるのに、人物の線が2重なのは、ちょっとね。敵役とはいえ、茜ちゃんなんか、気の毒になるくらい、ちゃっちゃっと、テキトーに描いてあるような気がします。バックの効果線とか、吹き出しなんか、神経質なくらい、丁寧なんですけどね。
人物も太さを変えないで、細い丸ペン?で描くのは、山岸凉子の味だと思いますが、ちょっと、気になりました。
しかし、自分の肉体が商売道具、というのは大変ですね。ダンサーや俳優、落語家などなど、たいていの舞台芸術家は、そうなんでしょうけど。ミック・ジャガーのDVD,「BEING MICK」で、喉に違和感を覚えたミックが、かなり慎重だったのも頷けます。「ミック・ジャガーでいること」、それは、毎日の努力によって実現しているんですね。
でもあの世界の裏側がリアルに垣間見えて面白い。
こういうこと、ほんとにあるんだろうなーって。
絵が雑なのは、ね~・・・まるで下書きのままみたいだもんね。
背景とかも真っ白けだし・・・
シンプルながら押さえるところはしっかり押さえているのが
山岸先生の絵の魅力だったはずなのに。
髪のツヤ他、丁寧な部分はアシスタントさんだったりして?
バレエをよく見に行くcindyさんには、絶対おもしろいと思います。漫画喫茶に行く機会があったら、読んでみて!
雑といえば、雑なんですけど、絵はきれい(?)なんですよね~。やっぱりデッサンがきちんとしているから、バレエのポーズとかは、本当にきれいです。