久しぶりに岩波ホールで映画を見ました。『イラン式料理本』。
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モハマド・シルワーニ監督の知り合い、6家庭の台所で、料理を作る課程を撮影。
1.監督のお母さんの友人(50代前半。14才の時、40才の男性と結婚)→インゲン豆のポロ(炊き込みご飯)
2.監督の義母(姑と夫も登場)→ドルマ(葡萄の葉でご飯と肉を包んだ料理)、クフテ(ジャンボ肉団子)、卵料理(オムレツ)
3.監督の妹(双子の男の子の母で大学生)→ナスの煮込み料理
4.監督の妻→缶詰のシチュー
5.監督の母と叔母→ラマダーンの豪華料理(イフタール?)。デザートや宝石ピラフなど。
6.監督の友人の母(もうすぐ100才)→今は料理は作らない。玉ねぎスープの作り方などについて説明。
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女達は台所で、料理の作り方だけでなく、イランの主婦の実態についても語るのですが、これがおもしろい。一言で言うと、日本とたいしてかわらないというか、普遍的なグチなんですね~。長時間立ちっぱなしで作った料理は、男達によってあっという間に平らげられ、ほとんどは、「おいしかった」のねぎらいの言葉もない。そのあとは、大量の食器洗いや、食事の後片付け。調理が6時間に及んだ人もいましたが、食べた男達に、何時間くらいかかったと思うかかと聞けば、「30分から1時間くらい?」。食事を作った6人の主婦のうち、2人がのちに離婚したことを、後日談として紹介していました(^^;)。
「それにしても6時間はないんじゃない??なぜ、あの料理で6時間も?器具も日本と変わらないのに…」というのが、一緒に映画を見た夫の感想。確かに。動作も日本の主婦に較べると遅いし。
6時間はかけないけど、私も夕食作りだけで、毎日平均1時間半はかけています。会社帰りに食材を買って、ノンストップで1時間半台所に立ち続け、たっぷり1時間かけてご飯を食べ、茶碗洗いが終わるまでだと、3時間。食事の支度と後片付けだけで疲れてしまい、夜10時前にはうとうとしてしまうことも。
でも、外食したり、できあいのお総菜を並べたりする気にならないのは、料理が楽しいから。だって毎日そのくらいしか、創造性のあることをしていないもん。料理の組み合わせ、仕上がりから手順を考えて作業するのは楽しい。平日は1時間半からせいぜい2時間くらいしか調理する時間がないので、休日は、もっと時間のかかる料理や、平日のための下ごしらえをしたりして、さらに長い時間台所にいます。整理整頓や掃除などの家事は苦手だけど、料理は楽しい。
初日の初回特典で、イランのノンアルコールビール、「イスターク」をもらいました。
これはレモン味のイスターク。ベルギーのフルーツ・ビールみたいなお味でなかなかでございました。
いらっしゃいませ(笑)。
インド~東欧には、形や名前を少しずつ変え、影響を受けた同根の料理がたくさんありますね。
ポロ(字幕では「ピラフ」)は、インドのプラウとビリヤーニの両方を含んだ料理でした。(「ビリヤーニ」というのは、もともと、「焼いた」とか「「炒めた」という意味だとか)
クフテは、キョフテ、コフタと同じですが、映画に出てきたのは、バレーボールをちょっと小さくしたくだいの巨大な肉団子!食べるときは崩して食べるんでしょうか…?
茄子料理は、できあがりがよく見えませんでしたが、ムカサだとしたら、やはり巨大なかたまりに作っていたようです。大人数で食べる時は、切り分けて食べるのが普通なのかもしれません。
あ、でも、ドルマは、小さなおいなりさんくらいのサイズでした。大量でしたけど。
ポロがおいしそうで、思わず、映画の帰りに長粒米を買っちゃいました。
やっぱり食事を一緒に楽しめないと、共同生活は続きにくいんじゃないでしょうか?
ホームステイしなかったので家庭の味は知りませんが、外食はケバブ、ピラフのような炊き込みご飯にケバブが乗ったチェロケバブ、コッペパンのようなパンのサンドイッチ、ハンバーガーにピザパイ。
以上、種類が少ないのであまり評判が良くないです。
ちなみに西ではドネルケバブ、東ではサモサもありました。
ドルマ、クフテ(ジャンボ肉団子)、ナスの煮込み料理はトルコにもあって、クフテは多分、二口サイズでキョフテ(トルコのマクドナルドにはキョフテバーガーがありました)ナスはムサカかもしれないですね。
イランは服装はうるさいですが、意外と女性の社会進出が進んでいて離婚が多いというのもうなずけます。