ダイビングと生き物の写真ブログ3~魚・鳥・花・蝶・トンボなどなど

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沖縄南部のクロイワトカゲモドキ

2023-11-03 16:00:00 | 爬虫類・両生類・淡水魚

沖縄本島南部のクロイワトカゲモドキです。

南部のクロイワトカゲモドキは数が少なく生息地も限定されているため、
やんばるや本部半島ほど簡単には見つけられない感じにはなります。
それでも、何度か通って安定した産地を見つけることができました。

本部半島産に比べて色が薄く割と地味な個体が多い感じですがご覧ください。














クロイワトカゲモドキ南部産
南部産のクロイワトカゲモドキは薄い橙色と薄い黒褐色で虹彩は赤色になります。
典型的な南部のクロイワトカゲモドキは背中に薄い橙色の縦筋が1本入り、
左右の肩から後足の付け根にかけても薄い橙色の縦筋が入る感じになります。
横帯はクメ=5本やケラマ=4本と比べると全くないに等しい感じになります。
本部産との比較では南部産のほうが背中の縦筋が長い傾向にあります。

下2枚のように背面に細かな白黒のブツブツが入るだけで縦筋も横帯もない個体もいました。
おそらく、成長過程で環境に合わせて色を変化させた結果こうなったと思われます。
このような個体はやんばるに多く見られるのですが南部でも出現するんですね。
北部と南部は隔絶されているだけでもともと遺伝的には同じ集団であることが伺えますね。

沖縄本島のクロイワトカゲモドキは場所によって模様が違ったり、
同じ場所でも結構違う模様の個体がいたりしていろいろと楽しめます。
ただ、再生尾の個体が多く、先まで縞模様の完全尾にはなかなか巡り会えないのが難点です。
目標は6亜種とも完全尾の成体の写真を揃えることですか先は長いでしょうね。


★クロイワトカゲモドキの南部産、本部産、やんばる産の比較★
・体色;南部産と本部産は薄い橙色/桃色と黒褐色で南部産のほうが色が薄い傾向、
    やんばる産は更に色が薄く成体は白黒のブツブツ模様が多い
・虹彩;3つとも赤色
・横帯;南部産と本部産は横帯はないかあっても不鮮明、
    やんばる産は幼体には薄桃色の横帯があり成体になるにつれて消えていく感じ
・縦筋;南部産は背中に1本の長い縦筋、本部産は背中の縦筋は薄かったり途中で途切れたり、
    やんばる産は背中の縦筋はないかあっても短く不鮮明で背面は白黒の細かいブツブツ模様
・肩筋;南部産と本部産は両肩に縦筋があったりなかったり途切れたりいろいろ、
    やんばる産は両肩に縦筋はだいたいなくあっても不鮮明
・完全尾;南部産と本部産は稀に色のある縞模様、やんばる産はほぼ白黒の縞模様
・再生尾;3つとも白黒の斑模様で短く太い
・幼体;南部産と本部産は濃い橙色と黒色、やんばる産は黒色に桃色の横帯が4本


日本のトカゲモドキの仲間はクロイワトカゲモドキとオビトカゲモドキの2種に分類され、
更にクロイワトカゲモドキは5亜種に分類されています。
※6種を独立種とする考え方もあります。
①基亜種クロイワトカゲモドキ 分布;沖縄本島・屋我地島・瀬底島・古宇利島
・学名;Goniurosaurus kuroiwae kuroiwae 英名;Kuroiwa's ground gecko
・背中に薄い橙色/桃色の縦筋、紫地に白黒のブツブツ模様、薄い横帯など地域によりいろいろ、赤い虹彩
②亜種クメトカゲモドキ 分布;久米島
・学名;Goniurosaurus kuroiwae yamashinae 英名;Yamashina's ground gecko
・後頭部に薄黄色の横帯が1本と胴体に4本、薄い黒色、黄色い暗色の虹彩
③亜種マダラトカゲモドキ 分布;渡名喜島・伊江島
・学名;Goniurosaurus kuroiwae orientalis 英名;Spotted ground gecko
・胴体は黄色がかった薄い橙色の横帯が4本+3本、薄い黒色、赤い暗色の虹彩
④亜種ケラマトカゲモドキ 分布;渡嘉敷島・阿嘉島
・学名Goniurosaurus kuroiwae sengokui 英名;Sengoku’s ground gecko
・胴体に鮮やかな橙色の横帯が4本、濃い黒色、赤い虹彩
⑤亜種イヘヤトカゲモドキ 分布;伊平屋島
・学名;Goniurosaurus kuroiwae toyamai 英名;Toyama's ground gecko
・胴体に橙色/桃色の不規則な横帯が3~4本、濃い黒色、赤い虹彩
⑥オビトカゲモドキ 分布;徳之島
・学名;Goniurosaurus splendens 英名;Banded ground gecko
・胴体に薄い桃色の横帯が3本、やや薄い黒色、赤い虹彩
※全て捕獲・取引が禁止されているので観察・撮影だけにしましょう。






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