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パラサイト~半地下の家族

2020-07-04 | 映画
カンヌ国際映画祭パルムドール受賞。アカデミー作品賞初め4部門を受賞した作品。
見たかった作品でJCOMのビデオで観賞出来た。
大まかなストーリーは知っていたが、後半は怒涛の展開。
監督が、物語のネタバレ厳禁を言っていたのはこれだった。

ソウルの半地下に暮らす、キム・ギテク一家。
全員無職で、内職で暮らしている。
息子のギウの友人(パク・ソジュン)が留学するために家庭教師のアルバイトの話を持ってくる。
ここから話が始まる。
向かった先は高台のITの社長パク・ドンイク(イ・ソンギュン)の豪邸。
奥様の信頼を勝ち得たギウ(チェ・ウシク)は、その家の息子の美術教師に姉(パク・ソダム)を。
姉は運転手に父ギテク(ソン・ガンホ)を、ギテクは妻を家政婦に紹介し、まんまと一家全員がこの家に入り込むことに成功する。
全員が社長一家の信頼を得て平穏な生活が始まる。
ただこの中でひとり社長の息子が、みんな同じ匂いがする・・・と言うのだ。
消えない匂い・・・家族全員に沁み込んだ半地下の匂い・・・。

昔防空壕として造られた半地下。地価高騰によってここも安価な住居として今も多くの人が住む。
それにしても大学浪人のギウも美大受験失敗の姉もそこそこばれないようにこなすのはそれなりの素地があるからかも。
父も運転手をそつなくこなし、母は見事な腕前で料理を作り家政婦として仕事をする。
それだけのことが出来ても職にありつけない現状。
社長一家がキャンプで留守中にあろうことか豪邸で酒盛り。盛り上がる一家。
ここから一気に目が離せない後半になだれ込む・・・。

監督のポン・ジュノ。
監督の作品はいくつか見たけれど、どれも重く衝撃的な内容だ。
印象に残っているのは唯一笑える初監督の「吠える犬は噛まない」。
母の執念の愛「母なる証明」。これも刑事の執念「殺人の追憶」。
是枝監督の「万引き家族」同様、評価が高くてももう一度見たいとは思わない。
あまりにも重くてやるせなさか残るからだ。
「パラサイト~半地下の家族」には、韓ドラでお馴染みの面々が出演。
ソン・ガンホはほとんどの作品に出演。ジュノ監督作品の常連。
韓国映画がアカデミー作品賞・脚本賞他を初受賞というとんでもない快挙を成し遂げたポン・ジュノ。
韓国の格差社会の実態。心の闇。家族の形態。幸せとは・・・。
わずか2時間の中に、多くのテーマを投げかけあぶりだして見せる手腕は見事。
天才ですね。でもどう感じたか心に残るのか否か。
アカデミー賞の受賞基準は分からない。
ただこの作品はもう一度見たいとは思わないのは確か。
幸せって何だったのか。
ギテク一家のこの笑顔はもう見られない。