面白草紙朝倉薫VS安達龍真

夢と現実のはざまで

銀座のライオン

2007年06月21日 | Weblog
 昨日、11時に銀座三越ライオン前で劇団の看板女優(只今育児休暇中)と
待ち合わせていたら、外国帰りらしい中年のご婦人が僕の目の前に腕を伸ばして
きた。何事かと思ったら、三越正面に鎮座す真鍮のライオンの鼻先を撫でながら
「あなた、少しも変わらないわね。逢えて嬉しいわ。何十年振りかしら」
と、懐かしそうに語りかけるのである。
 絵的には、僕が話しかけられているように見える。ご婦人が去るや、
桜井嬢が笑いながら近づいてきた。彼女は20数年の付き合いで一度も
待ち合わせに遅れたことが無いばかりか、どんなに遅くても五分前には
来るので、僕も意識して10分前に着いたのだが、すでにいたらしい。
 早速、伊東屋に行きイベントの参加者に送る招待状を贖い、グらナータで
昼食を摂りながらメッセージを書いてもらう事にした。
 「ところで、何で銀座にライオンなの?」
彼女は昔から、些細なことに突然疑問を呈する。
 まだ彼女が中学生だった頃、
「東北の犬は寒いから口を開けないで鳴くんだ」
と、でまかせをいったら、どうやって鳴くのか、暫く悩んで
いたらしい。
 そんなわけで、適当に答えても信じてしまうので迂闊には
答えない事にしている。
面白い答えが浮かばなかったので「調べておくよ」と、答えておいた。
 そろそろ、舞台も復活して欲しいのだが、この夏ライブをやる事には
乗り気のようだった。
 24日のイベントには、わざわざアメリカからのフアンも参加する。
 雨の多い6月はお茶会が似合う。マダムTOMOとメイド達(劇団若手女優)
が手作りのお菓子とお茶でおもてなしする、まったりしたイベントである。
 

ペンキ塗り立て

2007年06月21日 | Weblog
スタッフ任せにしていたイベントを数年振りにやる事になり、昨日銀座で桜井嬢と待ち合わせて招待状を作ったりした。記念撮影用に僕の庭の椅子を使う事になり、数年振りにペンキを塗り替えた。一日乾かして明日上塗りすれば、見違えるように綺麗になる。さあ、今日もこれから稽古です。

私信

2007年06月21日 | Weblog
 この数年、迷惑のかけ通しで本当に申し訳ない。
アトリエ公演にまで新しい劇伴を頼んだりして、
さぞや迷惑千万な奴とお怒りでしょうが、今暫く
お付き合い願います。
 10年ほど前、ファミリーミュージカルとして
発表したあの作品を大人向けの脚本に書き直した
ことは先日お伝えしましたが、ようやく24曲の
作詞が完成しました。いつ舞台にかけられるか、
約束も出来ませんが、どうか、作曲をお願いします。
そうそう、今回の「ミッドナイト」素敵な女優さん
たちが揃いました。25日から荒立ちに入ります。
よかったら、稽古場を覗いてくれませんか。
 20数年の付き合いで、今が一番苦しい時であろうと
思います。
 僕の不徳が貴方にまで負担を強いて情けない限りだが、
恥を偲んで生きる道を選択しました。
 「素敵なミュージカル」あれはあれで良いような気も
します。今回のキャサリン、兎に角可憐です。塩山嬢は、
「裸月物語」から1年、更に凛々しくなられております。
今までにない、櫻井嬢が焼き餅を焼くような舞台に
仕上げる覚悟です。
 こんな芝居バカに付き合ってくれて、本当にありがとう。
では、後日。

ピンチは続くよ何処までも

2007年06月21日 | Weblog
 もう笑うしかないだろう。全ては僕の力量不足なのだから。
今、こうして生きていられる事を感謝し、沈着に周りを見渡そう。
何処かに、突破口が在るかもしれない。無いかもしれない。
 ううむ、見えない。深呼吸でもするか。
 「働けど我が暮らし楽にならざる」啄木がこの詩を詠んだのは
20代だった。放蕩の人生を送りながらこんな詩が詠める啄木は
やはり只者ではなかった。
 芝居三昧の日々を送りながら、僕に啄木の詩は書けない。
「ぺちゃんこにされてもへこたれないぞ」これが僕の信条だった
はずだ。
 もうひと頑張りしてみよう。
「誰のせいでもありゃしない、みんなおいらがわるいのさ」
60年代のアメリカンポップスは、明るくていいなあ。
「線路は続くよ何処までも、ポッポー」ださ!

長い1日

2007年06月19日 | Weblog
 今日は長い1日だった。
8時に寝て9時に電気料金の集金人に
起こされ、銀行へ出かけ諸々の手続き
を済ませ、床屋へ行ったらお休みで、
書店での調べ物もはかどらず、電話連絡も
すれ違い、友人が入院したので見舞いに
行こうと思ったら、恥ずかしいから来るな、
と云われ、慌ただしい昼食。
15時に稽古場に入り、
23時、稽古終了。
こうやって書くと僅かな行数だが、本当に
長い1日だった。
 だからといって楽しくなかったわけではない。
ピンチもチャンスも同じように楽しめる境地に
ようやく近づいてきた。
 生きている間にできることなどほんの僅かだ。
まだ思う事の百分の一も出来ていないのだから、
やるしかない。
 あっという間の1日も、今日のように長く
感じる1日も費やす時間は同じだ。
 すこし朦朧とする。おやすみなさい。

風流陣

2007年06月18日 | Weblog
 11月12日の国立劇場は長唄「風流陣」を踊る。
内容についてはそのうちブログでも紹介しようと思う
が、そろそろ、気合いを入れないと、共演者や師匠に
申し訳が立たない。今週から月、金曜と、週に2日は
稽古に通うことにした。
 いくら趣味の世界とはいえ、芝居と同じく板の上で
演じることに変わりはない。
 芝居といえば、「ミッドナイト…」だが、今日は
16時から稽古を始める。まだ、本読みなので、テー
ブルを囲んでの稽古だ。毎日差し入れの甘いものが
並ぶが、さすがに俳優さんたちは休憩にならないと
手を出さない。僕はお客さん気分で朗読を聞きながら
つい、手が出てしまい、お煎餅などバリバリ音がして
顰蹙ものである。きっと集中力を削がれて迷惑なのだ
ろうが、それに耐える俳優さんたちは立派である。
 内心はなんて演出家だろうと呆れているかも
知れない。今日は極力控える事にしよう。
 僕は本読みでは、よほど解釈が間違っていない
限りダメだしはしない方なので、(動いて見なければ
分からない台詞だってあるし)手や口が暇なのです。
 で、風流陣だが、桜、梅、桃の3つの花の精の大敵
嵐(魔性)を演じる。三人の美女を相手に暴れ狂う役。
 まだ先の話と思っていると、あっという間に明日に
なる。努々油断は禁物だ。と、自分に言い聞かせている。
 それは7月公演にも云える事、日々精進、ですね。
 

顔合わせ

2007年06月16日 | Weblog
16時、「ミッドナイトフラワートレイン」の
顔合わせ、も、そこそこに本読み開始。
 仕上がりが何処まで行くか見えない(良い意味で)
面白い女優さんたちが揃って、実に楽しい初読みだった。
 劇団のHPで配役が発表されると思うが、
弁天マリアの塩山みさこ(今日の印象、なんて凛々しい…)
キャサリン青田のつぶらまひる(今日の印象、なんて可憐な…)
を始め、今回に限り、僕の方から役を降ろすことは決して
ないと確約する。(本人達には告げないが)
 ちなみに、主要人物の配役は、
 血の池劇場女将…前野 恵
 マリリン佐倉 …北原マヤ
 オードリー橋本…真一 涼
 フランソワ沢村…山本奈美(新人)
 
 照明の守   …司  亮
 支配人    …安達竹彦
 天神お染   …平野 妹(新人)

 ただ、虎視眈々と役を狙うアンダスタディ陣も
なかなか手強そうな面々が揃っているので油断は出来ない。
風邪でも引こうものなら一夜にしてとって代わられる恐れもある。
(脅かしてどうする)
あながち冗談ではないところが演劇界の面白さでもあり、
恐さでもある。
 1ヶ月間苦楽を共にするカンパニーの旅立ちです。
 お客さまにより楽しんで頂けるよう、精魂込めて
稽古に励みます。まずは稽古初日、お疲れさまでした。

 余談、稽古場で自宅の鍵を見失い、帰宅したのは
午前2時でした。ふうう…。
  

甦る上海幻想

2007年06月15日 | Weblog
 目隠しをされ後ろ手に縛られ、ぬめった石の上に跪かされ、
青龍刀で首を落とされる夢を3ヶ月も続けて見た僕が、中国
大使館の武官趙宝智に掛け合い、上海に飛んだのは35歳の
夏であった。冗談ではなく、僕は1週間で日本へ強制送還され、
趙は其の責任で日本を去った。その事の顛末は「夢魔の葬列」
と題して500枚の小説に認め、僕の死後発表するよう愚息に
依頼してある。
 夜毎見る夢に比べたら、現実の苦労など甘いものだが、それは
人知れぬことなので云っても詮無いこと。例えば頚椎の痛み、
突然の歯の痛み、何事も他人には計り知れない苦痛は、独りで
耐えるしかないのだ。
 あの旅から、「ガラス工場にセレナーデ」という作品が生まれた
事も事実で、塞翁が馬ではないが、苦しみと喜びは光と影のように
表裏一体である。出来る事なら、苦しみは独りで背負い、他人には
喜びだけを見せたい、と思うのは痩せ我慢だろうか、それとも、
青臭いダンディズムだろうか。
 今日から15周年記念第二弾、7月アトリエ公演の稽古を始める。
「ミッドナイトフラワートレイン」は初演から数えて5度目の舞台。
弁天マリアも5代目となる。看板女優は塩山みさこ嬢、目の覚める
ような、弁天マリアを期待している。
 だが、先は長い、初日まで焦らずに役作りを楽しんで頂きたい。
今、いつ上演出来るかも分からないミュージカルと秋の本公演用の
新作を書いている。未発表の歌もずいぶん貯まった。
 上海から帰った後も、そう云えば創作に没頭した。そして其の後に
眩いばかりの光が射して、僕は倒れ全身不随の悪夢が待っていた。
 今度は倒れない。夢魔と刺し違える気はさらさらない。
僕は逃げ道を知った。あまり得意げに云うまい。今宵もまた、奴に
出会う。いつの日にか、夢魔の葬列を見送らん事を。

6・13の続き

2007年06月14日 | Weblog
 3時22分、只今帰宅。ライブの興奮冷め遣らず。
 20時30分に始まったライブが終了したのは24時。
 足を踏み入れたことのなかったパンクロックの世界、
しかも、そのパイオニアたちの生き様を目の当たりにして、
身震いするほどの刺激を受けた。
パンフレットから出演者を列記する。
G.D.FLCKERS
DYNAMITE TOMMY
TATSUYA
足立裕二
DEN
KENJI
PATA.GEORGE&TETSU
CYBERPROJECT
THADEADP.PSTARS
TAKEIRIBAND

 生憎僕は門外漢でこのメンバーのバリューは
知らないが、ステージは最高だった。
客席を揺るがす重低音に心地良く揺れながら、
今書いているミュージカルを夢想した。
終わって楽屋にダイナマイトトミーを訪ねる。
ライブハウスオーナーのF氏が
「ライブシアター、10月スタート決定でいい
ですね」と、念を押すので「う、うん」と答える。
元はと云えば、貧乏作家朝倉薫救済企画はトミー
さんの発案らしく、W氏のプロデユースで新宿
ホリディがその舞台。
トミー、F氏、W氏が揃っての決定なら、僕に
異存のあろうはずがない。
居合わせた某スポーツ新聞のI記者に、貴方が
彼の朝倉貧乏先生ですか!と驚かれ、W氏のブログ
の威力を知らされる。
 映画の成功を祈ります、とも云われたが、どの企画
なのか、聞かなかった。原作や脚本など、書いて渡せば
用済みで、進行具合など僕にはさっぱりわからない。
 まずは、7月のアトリエ公演「M.F.T」を成功させ
よう。
 この興奮のままに、作詞を続けようと思ったが、
明日は、歌舞伎町るねっさんすの会合があるのを思い出した。
少し眠ったほうが良いかも知れない。
こんな素敵な夜を過ごした後は悪夢が待ち構えているのが
見え見えではあるが、勇気を以って眠りに入ろう。

新しい才能との出会い

2007年06月13日 | Weblog
 13時、7月公演のキャスト最終オーディション。
新しい才能との出会いは嬉しいものだ。
 18歳の原石はまだ自分の武器を使いこなせず
戸惑っていた。初舞台が僕のアトリエなのも彼女の
運命。見事に咲かせましょう。今日、三役を決定した。
オーディションのその場で役を決めたのは15年間の
劇団歴でも初めてのことではないだろうか。
昨年9月公演「裸月物語」で月明かりの姐御を演じた
塩山みさこ嬢を看板の弁天まりあ、期待の新人Y・N
嬢はフランソワ沢村を演じる。15日から読み合わせに
入る予定です。7月公演ご期待下さい。
 18時、帰宅して遅れていたミュージカルの作詞を
始めたら、新宿ホリディのオーナーFさんから電話が。
 これからダイナマイトトミーのライブに来ませんか、
とのお誘い。トミーさんは、アナーキーの中野くんを主役に映画
を撮っていたはずなのに。なんと精力的だ。これは行かねば
なるまい。乱入ではないが、お客として行ってきます。
 続きは、帰宅してからということで。