面白草紙朝倉薫VS安達龍真

夢と現実のはざまで

思い入れ

2007年06月28日 | Weblog
 思い入れが強い作品を再演するとき、気を
つけていることが幾つかある。
 ひとつは、過去の演出に拘らない事。
そして、過去の出演者の思いで話をしない事。
間抜けなエピソードは和むので良しとするが、
現出演者と比較するのは、両方に失礼である。
 今回の「ミッドナイトフラワートレイン」は、
5度目の上演なので、出演者も5代目である。
 無言のプレッシャーというのもあるので、
少しは過去の話題もするべきかとも思う。
 昨夜は2時間ほど遅れて稽古場に入ったので、
差し入れを持参した。
 明るい稽古場なのが嬉しい。演出していると、
一言も聞き漏らすまいと見つめる女優さんの瞳が
眩しい。心底芝居を作ってあげたくなる。
 彼女たちの持っている一番素敵な世界を引き出して
あげたいと思う。
 女系家族に育った僕は、どちらかと言うと女性の
方が馴染み易い。恋愛感情ではなく友愛として、
どんどん愛しくなる。時々、錯覚して惚れたのでは
ないかと自問する事もあるが、やはり、錯覚の方が
多い。勿論、心底惚れることもあるが、そこは、芝居が
終わるまで偲ぶ恋となる。
 終わったら勿論、僕らは共に戦った戦友となる。
色恋の入る隙間はないのである。と、書くと凛々しいが、
実際、本番を迎えるまでの稽古場は汗と涙の修羅場である。
 演技は勿論、装置、音楽、照明、衣装、小道具、チラシ、
チケット、時間も身体も5人分くらい欲しい。
 何よりも弱小劇団、制作費の捻出は劇団存続に直結する。
この作品は、全国を巡演したいという思いがあるので、
稽古もオーバーヒートする。押さえて、押さえて。
今のところ、お染の擦り傷、僕の打撲傷で済んでいるが、
みんな怪我に気をつけよう。
 さあ、みんなで今日も頑張ろう!