季節に関わらず、無性に食べたくなるのは小鯵の南蛮漬けである。子供の頃に感動した味は、年月を経て増幅される。母の手料理の味を頼りに、食材を仕入れて料理に挑戦してみるのだが、なかなかその味は再現できない。巻き寿司や稲荷寿司はかなり近い味をだせるのだが、小鯵の南蛮漬けは難しい。小麦粉で薄く衣を付けて油で揚げるところまでは上手くゆくが、酢の味付けが良くないのか、香ばしい味が出ない。作り始めて10年になるが、まだ思考錯誤の最中である。
新人公演の初日まであと5日、芝居作りに熱中しながら小鯵の南蛮漬けが心にちらついて、これはどうしても今夜にでも作らねばならない。夜中に小鯵を捌くのもどうかと思うが、決行しよう。などと、考えていたら今日も7時半になってしまった。少し眠ろう。
で、小鯵の南蛮漬けがこうまで食べたくなる理由だが、子供の頃、魚の骨が苦手だった僕は、母の作った、骨までサクッと柔らかく、なのに香ばしさが口中に広がる、小鯵の南蛮漬けという料理に感涙した記憶をよみがえらせたいからに他ならないのだ。
新人公演の初日まであと5日、芝居作りに熱中しながら小鯵の南蛮漬けが心にちらついて、これはどうしても今夜にでも作らねばならない。夜中に小鯵を捌くのもどうかと思うが、決行しよう。などと、考えていたら今日も7時半になってしまった。少し眠ろう。
で、小鯵の南蛮漬けがこうまで食べたくなる理由だが、子供の頃、魚の骨が苦手だった僕は、母の作った、骨までサクッと柔らかく、なのに香ばしさが口中に広がる、小鯵の南蛮漬けという料理に感涙した記憶をよみがえらせたいからに他ならないのだ。