面白草紙朝倉薫VS安達龍真

夢と現実のはざまで

夢の検閲官

2008年03月13日 | Weblog
 筒井康隆著「夢の検閲官」は、ブラッドベリやラブクラフトに優るとも劣らない傑作短編小説である。発想、構成、結末、そして読後感、いずれも文句のつけ様のない作品だ。あれだけの小説が書ければ、なるほど俳優業に転職された気持ちも理解できないでもない。ひとつのことを天職として続ける事の出来ない才人は世に沢山存在するだろう。筒井康隆にとって「小説」が人生の何なのかわからないが、小説家としては群を抜いている才能を僕はシャワーのように浴びてきた。’89年発表の「都市盗掘団」を読み返すと、感慨深いものがある。

 例えば、独楽まわしの天才少年が子供たちにせがまれて、毎日色んな技を見せているうちに「お前等、いい加減自分でもやってみろよ」という気持ちになったのかも知れない。
 俳優へ転職された後の作品を僕は読んでいない。何故か、書店の書棚から抜き出すことが出来ない。なのに、僕は、少しも独楽が上手く廻せないで、年月ばかりが過ぎて行く。

 

春の風に乗って

2008年03月13日 | Weblog
 春の風に乗ってやってくるのが花粉や黄砂では、情緒云々どころではない。愉快な馬車屋の時代はとうの昔に過ぎ去ってしまったが、僕はどうやら愉快な人を惹きつける体質のようで、春の風に乗って、昔から奇妙な出来事がやって来る。

 今年も先週あたりから奇妙な出来事が次々と展開している。あまりにも多いので大切な事を見逃してしまいそうになる。時間を取られることが苦痛なのではない。結果、どうでもよいことが多過ぎるのだ。超常現象なら笑い話で済むが、原稿が書けない言い訳になるのが面倒だ。

 関わり会わなければ良いのに、つい、関わってしまう。結果、知人をも巻きこんで謝るハメになったりする。自業自得である。昔の話を書こうと思ったが、何だか愉快でなくなるようなので、又の機会にしよう。このとりとめのなさも、春の風のせいに違いない。