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日々の出来事から国際情勢まで一刀両断、鋭く斬っていきます。コメントは承認制です。但し、返事は致しませんのでご了承下さい。

給付金ですと?

2008-11-12 10:30:21 | Weblog
 政府・自民党が計画している「定額給付金」を巡って大揺れだ。

 それにしても、バカなことを考えたものだ。我々の税金を偉そうに「給付金」などと銘打って選挙民のご機嫌取りをしようとする、その浅はかな考えに私は怒りを覚える。

 景気浮揚策だと麻生氏は言うが、2兆円もの巨額の金を使ってGDPにして0.1%の押し上げにしかならないのならこれは愚策と言うしかない。

 先ず第一に、その財源だが、財政投融資特別会計の金利変動準備金から引いて来ようとのことだ。バカげている。実に馬鹿げている。この金は国の借金返済に充てられるはずのものだ。それをこんなばら撒き愚策に使って良いはずはない。マスコミはこの点ももっときちんと国民に丁寧に説明して欲しい。

 政治は生活と直結しているという民主党の言い方を意識するあまりにこんな愚策を思いついたのかもしれぬが、国民を愚弄しているとしか言いようがない。お小遣いが欲しくて我々は税金を納めているわけではないのだ。苦しい生活の中から税金をあらゆる場面で取られているが、我々は国の運営に必要だから仕方がないと思い込むようにして何とか自分を納得させているのだ。理想を言えば、少しでも明るい未来のために使って欲しいと願っているのだ。

 しかしながら、そんな国民の想いなど政治家や高級官僚の耳には全く届いていないのだろう。だからこそこんな愚策を思いつくのだ。

 確かに、生活困窮者・家庭にとっては、数万円でもこの世知辛い年末を乗り切るのに役立つかもしれない。だが、それとてたかが一時しのぎに過ぎない。それよりも、収入の少ない者でも安心して暮らせる医療や年金制度を充実させることの方が健全だ。また、多くの世帯にとっても、数万円など生活支援と言える金額でもない。有難味もさしてないまま財布にしまわれてしまうだろう。

 それに、こんな愚策を実行するために、どれだけの税金と労力が使われるのか、麻生氏は考えたことがあるだろうか。今、地方自治体は、自分たちにどんな重荷が降りかかってくるかと戦々恐々としている。

 政府は今のところ、各世帯が自ら自治体の窓口に出向いて給付申請する形式を考えているようだが、これなんぞは、横行している振り込め詐欺を結果的に“応援”することになりはしないか。様々な手口でお年寄りを翻弄する詐欺集団が新たな手法を生み出すシステムになりかねないと私は危惧している。

 いずれにしても麻生さん。今からでも遅くはない。国民に頭を下げてこの案を引っ込めましょうよ。そして、より有効な対策を打ち出しましょう。民主党がぶっ飛ぶような策を、ネ?

加藤一郎氏、逝去

2008-11-12 09:23:58 | Weblog
 東京大学総長代行や総長として「東大紛争」の収拾にあたり、その後、政府の審議会委員などを務めた加藤一郎氏が11日、死去した。86歳だった。

 「加藤一郎」と言えば、我々全共闘世代にとっては記憶に深く切り刻まれた名前だ。東大紛争の対応に失敗した執行部の退陣を受けて総長代行として交渉の場に送り込まれてきたが、物腰の柔らかさとは逆にやることは結構手荒く、キャンパスに機動隊を入れるのを厭わず、学生から畏怖された。最終的には全共闘がロックアウトしていた安田講堂への攻撃にゴーサインを下したのも加藤氏で、政府自民党からその手法を高く評価された。

 キャンパスに穏やかな日々が戻ったが、改革にほとんど手をつけることなく紛争処理したために東大は未だに多くの問題を抱えている。特に、医学部と「白い巨塔」東大病院の旧態依然とした実態には疑問の声が多い。