かつて英会話を学びに来ていた青年と昼飯を食べた。
彼は生徒の一人というよりは、在学中からいろいろな相談を受けてきたからいつも気にかかる存在で、やめてからもちょくちょく連絡を取り合う仲である。
そんな彼は、2年ほど前まで酷い会社で働いていた。その会社は全ての従業員に給料を半額しか支払っていないのだ。それも、彼の場合、20万円が月給だったから毎月の手取りは10万円。両親の家から通うから生活できたものの、交通費も支給されておらず、その数年間は悲惨なものだった。他の従業員はと言えば、ほぼ全てが年金受給者で、「仕事があるだけでも良い」という考え方になってしまっているから経営者に対して声を上げることもなかった。
労働基準監督署に相談するように助言したのだが、労基署というところ、彼のような若者をまともに扱わない。そこで、一度私がその労基署に怒鳴り込んで経営者に強く出るように要求したことがあった。
しかし、その経営者は労基署をなめきっており、言うことを聞くことはなかった。
会社を辞めてコンビニに職を求めた彼は、しばらくしてそのマジメな働き振りが認められて社員に昇格、店長になった。
アルバイトを約30名抱えている人気店である。帰宅が午前様になることも少なくない。休みを取ることもままならない。そのせいでつい最近、彼女とも別れてしまったという。しかし、労基署通いをしていた当時と比べると、今は表情と態度に自信がうかがえる。ご飯を食べながら仕事のことを話す彼の成長振りに思わず顔が緩んでしまった。
彼は生徒の一人というよりは、在学中からいろいろな相談を受けてきたからいつも気にかかる存在で、やめてからもちょくちょく連絡を取り合う仲である。
そんな彼は、2年ほど前まで酷い会社で働いていた。その会社は全ての従業員に給料を半額しか支払っていないのだ。それも、彼の場合、20万円が月給だったから毎月の手取りは10万円。両親の家から通うから生活できたものの、交通費も支給されておらず、その数年間は悲惨なものだった。他の従業員はと言えば、ほぼ全てが年金受給者で、「仕事があるだけでも良い」という考え方になってしまっているから経営者に対して声を上げることもなかった。
労働基準監督署に相談するように助言したのだが、労基署というところ、彼のような若者をまともに扱わない。そこで、一度私がその労基署に怒鳴り込んで経営者に強く出るように要求したことがあった。
しかし、その経営者は労基署をなめきっており、言うことを聞くことはなかった。
会社を辞めてコンビニに職を求めた彼は、しばらくしてそのマジメな働き振りが認められて社員に昇格、店長になった。
アルバイトを約30名抱えている人気店である。帰宅が午前様になることも少なくない。休みを取ることもままならない。そのせいでつい最近、彼女とも別れてしまったという。しかし、労基署通いをしていた当時と比べると、今は表情と態度に自信がうかがえる。ご飯を食べながら仕事のことを話す彼の成長振りに思わず顔が緩んでしまった。