浅井久仁臣 グラフィティ         TOP>>http://www.asaikuniomi.com

日々の出来事から国際情勢まで一刀両断、鋭く斬っていきます。コメントは承認制です。但し、返事は致しませんのでご了承下さい。

アメリカン・ドゥリームの原点を見た

2007-04-21 12:23:24 | Weblog
米メイジャー・リーグのボストン・レッドソックスの投手、岡島秀樹が20日のヤンキーズ戦に活躍、レッドソックス・ファンを狂喜乱舞させた。

mixiの私の日記を読む方には、僕の妻を含めて野球に無関心な人が多いと思われるので詳しくは書かないが、岡島投手、凄いことをやってのけた。

彼は巨人に数年間在籍。目立った成績を収めることなく、日ハムに移籍した。日ハムでは昨年1年間、セットアッパーとして活躍、優勝に貢献したが、新庄選手の陰に隠れて目立つ存在とは言い難かった。

そして今シーズン。レッドソックスが岡島を受け入れたと聞いた時、恐らく松坂対策の一つ(松坂の話し相手)くらいにしか思わなかったし、彼の球威で活躍できるとは想像だにしなかった。

だから、大逆転で盛り上がる「伝統の一戦」の締めくくりに岡島投手が起用されると知り、私は仰天した(岡島選手もインタヴューでびっくりしたと発言)。同球団には、れっきとした抑え投手がいる。それを差し置いて、この大事な一戦に、まだ米球界で勝ち星もセイブ・ポイントも挙げていない岡島をマウンドに上げたのだ。しかも、相対する打者は、ジーターやAロッドといったMLBを代表する選手だ。もし、これで失敗すれば、熱狂的なファンで知られるレッドソックスだ。監督に対する批判は並大抵のものではない。

この采配を見ていて、私はアメリカ社会の凄さを見せ付けられた気がした。名前や実績にこだわらず、実力がありさえすれば、そして勢いがあればチャンスを与える。つまらぬことにこだわって、有能な人材を潰してしまう日本社会とは雲泥の差だ。

アメリカン・ドゥリームの原点を見た気がした。岡島投手がこれから大活躍をするかに関しては、私は依然として懐疑的だが、もしかしたら夢を叶えることができるかもしれない。

岡島の活躍もあったが、それにしてもこの一戦、いやあ、ホント、素晴らしい試合だった。これぞ、ベイスボール、これぞ、アメリカン・ドゥリーム。いいものを見せてもらった。

この話で今、弟子のmasaと盛り上がった。スポーツ・ライター志望の彼は、ボストンのある新聞社と連絡を取り合い、現在進行形で明日の新聞記事作りに関わっている。日本の反響を伝える役割だ。

ここでも米社会の良さを見た気がした。彼はまだ大学生。実績もない。なのに、チャンスを与えようとする。もちろん、相手にビジネスの感覚がないわけではないだろうし、これが即、アメリカン・ドゥリームにつながることはないだろうが、何かをつかむきっかけとなるはずだ。がんばれ、masa。