金融マーケットと馬に関する説法話

普段は資産運用ビジネスに身を置きながら、週末は競馬に明け暮れる老紳士の説法話であります。

【金融】 アフターコロナの世界 新興国で起こる大惨事

2020-05-14 06:50:48 | 金融マーケット

 昨日は、日本におけるアフターコロナでまず発生すること、すなわち、①失業が街に溢れて、②結果として治安悪化、③厳格な監視社会へ、という話をしましたが、国外においても、目先の1~2年で発生することは、かなりハッキリしています。

 すでに、外務省のHPで毎日公表している各国の感染者数、および死亡者数などを見ていても、傾向がはっきり見え始めています。すなわち、ブラジル、ペルー、インド、パキスタン、ロシアなど、経済新興国かつ人口規模が大きな国では、より悲惨な事態が今後発生するということ。

 これらの新興国では、「三蜜を避けよ」「ソシアル・ディスタンスを守れ」「うがいと手洗いをマメに実行せよ」などと言っても、実行が困難な貧困層が多く存在しているからです。貧困層の巣窟でクラスターが発生するのは避けられないことであり、それを避けるために、彼らに経済活動を中止させてしまえば、コロナの前に餓死してしまう

 結果として、貧困層で多くの感染者が発生、軽症の人は間もなく現場に復帰、重症の人は医療機関に行くことも無理なため、そのまま亡くなることとなります。感染者の80%が軽症、20%が重症とすると、放っておけば、最終的には貧困層の20%がコロナで亡くなるということ。リアルに計算すると、インド13億人のうち2億人を貧困層とすると、その20%とは4000万人。ブラジル2億人のうち、3千万人が貧困層だとすると、その20%とは600万人。とんでもない数の人間が命を落とすことになります。

 先進国側も自分の世話で手一杯な中、こういう悲惨な事態が、世界中の新興国内で、もうすぐ始まるとしたら‥。今から2~3か月後には、経済新興国における悲惨な犠牲者報道がTVなどで溢れるとしたら‥。日本ができることは、アビガンやアクテムラといった薬を贈ることだけですが、それも生産能力には限りがあって、焼け石に水の可能性が大きいと思います。

 


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