金融マーケットと馬に関する説法話

普段は資産運用ビジネスに身を置きながら、週末は競馬に明け暮れる老紳士の説法話であります。

【金融】 新型コロナウイルス 少し冷静に考えてみると・・

2020-02-06 07:06:48 | 金融マーケット

 今回の騒動で、現時点で厚労省は次のスタンスを崩していません。すなわち現在は国内での流行が認められている状況ではない。季節性インフルエンザ対策と同様の感染症対策をお願いする」ということ。これはWHOからの発表や、この新型コロナウイルスの現状から見て、非常に冷静な判断をしていると言えます。

 それでは、ここで比較されている「季節性インフルエンザ」について、振り返ってみましょう。国立感染症研究所が発表している「2019/2020シーズン 21大都市インフルエンザ・肺炎死亡報告」によると、今シーズンでも、日本の21大都市合計で、毎週400名前後がインフルエンザを起因として亡くなっています。1月だけでも1500名強が亡くなっているのです。

 メインは高齢者で抵抗力が弱くなった方々が、インフルエンザを起因として肺炎を起こし亡くなる訳ですが、冬シーズンだけでも5000~6000名の方が亡くなる計算になります。ちなみに、今シーズンはアメリカでも1500万人以上が季節性インフルエンザに感染して、すでに8000人以上が亡くなっているとのこと。

 実は、季節性インフルエンザというのは、抵抗力が弱った高齢者等にとっては非常に怖い感染症なのですが、改めて今回の新型コロナウイルスと比較してみると、今のところ中国国内で2万人以上の感染で、死者が400名前後。しかも感染者の殆どが40歳以上で、多くの死者の特徴は、高血圧症・糖尿病を持病とする抵抗力が弱った方々です。通常のインフルエンザとの比較では、危険度はほぼ同じか、むしろ下回るようにも見えます。

 ということは、日本の厚労省が判断しているとおり、「季節性インフルエンザ対策と同様の感染症対策」が適切な対応だと考えるべきなのではないでしょうか? むしろ、気をつけなければならないのは、抵抗力が弱い幼児や老人が集まっている場所に、このウイルスを近づけないようにする対策が非常に有効であり、過剰な反応はむしろ「不要な副作用」すら招きかねない気がいたします。


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