金融マーケットと馬に関する説法話

普段は資産運用ビジネスに身を置きながら、週末は競馬に明け暮れる老紳士の説法話であります。

【グルメ】 寿司屋のカウンターに、初めて一人で座ったのは何時?

2020-02-01 06:09:14 | グルメ

 回転すしではなく、築地や東銀座にある、ちゃんとしたお鮨屋さんのカウンターに、初めて一人で座ったのは45歳の時。よく覚えていますよ。だって、飲んで食べて、いったい幾らになるのか、もの凄く不安ですし、「お作法」とかも全く判らないし‥。

 私は丁度45歳の時に、晴海にある子会社に出向となりました。最寄り駅は大江戸線の勝どき駅だったのですが、この駅がラッシュ時には混み過ぎるので、築地の方から勝鬨橋を歩いて渡って通勤するようになりました。そうすると、築地や東銀座には、良さげな鮨屋が一杯いっぱい存在するので、ある時、思い切って、暖簾をくぐったのが最初でした。

 好みの握りを15貫くらい食べて、ビール・日本酒をほどほど飲んで、当時は6000円から7000円くらい。思ったよりもリーズナブルなお値段だし、何よりも、一貫一貫の鮨が抜群に美味い。丁寧に仕事が施されたネタを、白身や光り物ならば「塩と柚子を絞って」、赤身や穴子ならば、江戸前宜しく「濃い醤油ダレを塗って」、また大トロや鯖は「表面だけを香ばしく炙って」。食べる人に、醤油なんか使わせない、という板前さんの拘りを感じながら、至福の時を愉しむ。

 そうか、これが鮨屋のカウンターなのね。自分もようやくそんなことが出来る年齢になった‥と、感慨深い想いをしたものです。ちなみに、その時に分かったのですが、鮨ネタというのは何日も前から「握り」にするために、絶妙のバランスで準備されているものなので、これを「刺身」で食べるのは実にもったいない食べ方なんです。鮨屋に行ったら、最初から「握り」を注文するのが一番。

 それからカウンターで、ウダウダ酒を飲み過ぎてクダを巻くのは最悪。カウンターで過ごすのは、せいぜい40分から1時間程度が目安。それがカウンターでお鮨を頂く「お作法」というもの。そして、美味しい時は「美味しい!」と板前さんに言うのもお作法。向こうも素直に喜んでくれます。

 今年はオリンピック/パラリンピックの年なので、外国人の方々が数多く、築地周辺に来られると思いますが、回転すしではなく、本当に美味しい日本のお鮨を堪能して頂いて、本国に帰ってから「本場のお鮨がどれだけ美味いのか」を伝えてもらえたら、日本人としては大変嬉しい限りであります。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする