先々週に、このテーマは連続でお伝えしたので、もう止めようかと思ったのですが、やはり暫くはお付き合いしなければならないテーマですので、少しお話したいと思います。
ネットでは「政府の対応が遅い」とか、「方針が明確でない」とか、好き勝手に言う輩が多くいますが、ここまでの厚労省や政府の対応は、非常に冷静で的確なものだったと、自分は感じています。そして、当初はエキセントリック、かつ扇情的だったマスコミ各社も、一部の週刊誌を除いては、冷静かつ有益な報道をするようになってきたと思っています。
ここまで、ほぼハッキリしてきたことは、①このウイルスの致死率は2%前後で、SARSやエボラの類ではなく、むしろ季節性インフルエンザに近い毒性である。②感染しても発症しない人が多く、しかもその人達から感染する可能性が高い。③手洗いやマスクの励行や、人混みに近づかないなどの基本動作が、拡散防止には非常に有効である。
そして、今一番深刻なのは、日本全国の医療機関がパンクしそうになっていること。まだ感染者の数は非常に少ないのに、不安に駆られた人たちが病院・医院に殺到している結果、一番大事な「重篤度の高い患者」「重篤になりやすい潜在患者」の方々に、必要な医療行為が届かなくなるリスクが大きくなっていること。
政府・厚労省は、今でも、新型コロナを水際で封じ込む戦術を完全に捨てたわけではありませんが、むしろ、今後発生する可能性が高い、数多くの感染者への対応として、特に重篤患者に必要十分な医療行為を行える体制構築へ舵を切ったと言えますし、これは非常に正しい判断と言えます。
誤解を恐れず申し上げれば、健康な人たちや、若者たちにとっては、このウイルスの感染はそれほど恐ろしくありません。季節性インフルエンザと同様のリスク度だと考えれば良いのです。むしろ危険なのは、その季節性インフルエンザによって、毎年数千人も亡くなっている、高齢者や基礎疾患を抱える方々。彼らをこのウイルス感染からいかに守るかが重要ポイントになります。
その目標に向けて、日本国民が一致団結できるか否かが試されているのだと思います。