年金ふわふわ

年金についての執筆やセミナー講師を生業とするFP・社労士が
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事実婚の遺族年金と未支給年金

2010年12月27日 | 年金相談あれこれ
遺族年金の請求者と未支給年金の請求者って、同じでなきゃいけないんでしょうか?

ある退職共済年金の受給者がいたとします。フィクションですよ、あくまでも。この男性には20年前に離婚届を提出した妻-あ元妻か-がいます。

で、この元妻が、離婚後も事実婚であったとして遺族共済年金の請求をしました。その手続きをしていたら、亡くなった元夫に厚生年金の加入期間があることがかわりました。短い期間ですけど。そこで元妻は、この加入期間に基づく遺族厚生年金の請求もしました。

死亡した元夫が、この加入期間に基づく老齢厚生年金をもらっていなかったとしたら、未支給年金は過去5年分になるのでかなりの額です。また、死亡した元夫が、この加入期間に基づく老齢厚生年金をもらっていたとしても、数カ月分の未支給年金があるはずです。

いずれにせよ、遺族厚生年金の請求をしているので、おそらく未支給年金の請求も元妻の名前でしたと思うのですが、元妻の場合は未支給年金についても遺族年金と同様、事実婚を認めてもらわなければなりません。ハードルが高いわけです。

この両者には子どもさん-といっても、とうに成人ですが-がいます。子も未支給年金を請求できますよね。子の順位は妻(配偶者)の次ですが、子は事実婚どうたらこうたらは関係ありません。もらえる可能性は、元妻よりかなり高いです。

そこで、遺族年金は元妻の名前で請求し(それしか、しょうがないですから)、未支給年金は子どもの名前で請求する、ってことができないかな?と思ったわけです。

う~ん、駄目かなあ。遺族年金のほうで「私は妻です。事実婚を認めてください」といっておいて、未支給のほうは妻の次順位者である子が請求者、つまり先順位者はいませんってのは無理筋だな。

まずは、事実婚の認定を目指し、それが認められれば未支給ももらえる。もし、認められなかったら、子が未支給を請求するというのが筋か。でも、事実婚の可否に時間がっかかったら、未支給分(過去5年)が減っていってしまうよな。