Andyの日記

不定期更新が自慢の日記でございます。

鼎の軽重を問う

2005-04-11 12:30:09 | よしなしごと
ここ数日の中国のデモやらなにやら、騒々しいですね。ほりえもん問題が
ひと段落したかと思ったら、次は竹島問題、それに続いて今度は中国です。
ここまでの動きを見ていると、デモで使用されているプラカードや横断幕
には事前に印刷されているものが多く、さらにこれまでのデモとは異なり、
単純に日本を罵倒するもののような、いかにも素人の手作りグッズという
印象を与えるものが少ないことから、中国政府や公的機関が何らかの形で
関与しているのは間違いないでしょう。

では、なぜか?先日の竹島についての日記でも書きましたが、このような
国家ぐるみの「日本叩き」は、間違いなく国威発揚がその目的です。では、
今回の騒動での中国政府の目的は、何か?まず間違いなく、内需拡大と
インフレ解消のはずです。

最近の中国を見ていると、経済成長率がやや伸び悩みの傾向を見せている
ようです。これは、突如急成長した中国経済の「つけ」として、原材料費の
高騰によるインフレが発生し、その傾向に依然として歯止めがかかっていない
ことがその一因になっているのだと思います。

しかも、この中国版バブル経済のために小金もちとなった中国人が高級な
日本製品を含む輸入品を大量に購入することになりました。中国政府と
しては内需を拡大しつつ、しかも同時にインフレを解消したい。インフレを
抑えるためには金利引き上げをしたいところですが、しかしそうすれば
今度は国内製品の商品供給率が下がり、結果として内需がさらに冷え込む
可能性があります。(奥様、間違ってないか教えてくださいまし)。

インフレを解消しつつ内需を拡大するには、どうしたらいいか。一番手っ取り
早いのは、日本叩きです。「日本は危険な国だ、常任理事国入りを許すまじ」
「日本は尖閣諸島を略奪しようとしている、軍国主義の再来だ!」などの
ような言葉で中国国民を焚きつければ、元々熱しやすいかの国のかたがた、
簡単に大騒ぎになります。そこにプラカードなど用意してあげれば渡りに船、
あわれ中国国民はあのような有様に。そして、すでに報道されているように、
日本製品の不買運動に発展してしまい、内需拡大のための動機付けはとりあえず
できた、というわけです。

先日の竹島問題のときの画像と見比べてみると、中国でのデモ参加者が、
韓国の参加者の人たちとくらべてかなり若いことに気がつきます。情報に
よれば、中国のデモ参加者はインターネットの掲示板を見て参加した人が
そのほとんどだということで、言ってみれば「中国版2ちゃねら」という
ことでしょう。一概に何でもそうですが、やはり若い人のほうがすぐに物事の
影響を受けます。実際、日本の某巨大掲示板で熱く燃え上がっているのは
若い世代でしょう。

中国政府若しくはどこかの公的機関は、それに目をつけて今回の騒動を起こ
させたのではないでしょうか。結果は大成功で、年配層にもじゅうぶんに
ビジュアル面で訴えたことでしょう。ただ、年配層が今回の一件をどれほど
真剣に受け止めたかは、知りません。実際、ある程度の年齢の人であれば、
日本人であれ中国人であれ、このような運動の目的が、政府主導の「隠れ蓑」
作戦であることなど、すぐに気がつきます。まして頭の鋭い中国の人たちで
あれば、すぐに気がつくはずです。免疫のない若者は、中国政府によって、
まんまと毒されてしまったわけです。

中国がハイパーインフレに陥ると世界経済に大打撃を与えるだけでなく
(先進諸国の対中貿易依存度は、すでに国の経済状況を左右しかねないほどの
程度にまでなっている)、中国共産党の一党独裁政権に対する国民の怒りが
一気に爆発することにもなりかねません。中国政府は、なりふり構わず
今回の騒動を引き起こさざるをえなかったのでしょう。

しかし、これは言ってみれば夫婦喧嘩で子供に助けを求める情けない父親と
同じレベルの政策なわけで、このようなことしか思い浮かばない中国政府が
いったい中国経済を見事に立て直すことができるのでしょうか。さらに、
来る北京オリンピックを無事に開催することができるのでしょうか。かなり
不安山積の状態であることは、間違いありません。