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Andyの日記

不定期更新が自慢の日記でございます。

パンを膨らませる

2012-07-10 15:29:22 | 料理

パン作りをするようになって、もう2年以上が経っている。まだまだパンづくりの
道は遠く、私なんかベテランのパン職人さんやパン教室の講師さんから見たら、
ただのひよっ子だろう。もちろんそのとおりなので、それについては何も反論する
つもりはない。そのひよっ子なりに1つ感じていることがあるのだが、イーストって
やはりバカにできないということだ。

パンづくりに慣れてくると、天然酵母やサワー種、ルヴァンリキッドなどの、
イースト以外の酵母でパンを作りたくなってくる。私も授業で使っていたことも
あり、天然酵母を使うようになってからはずっとそればかりで作っていた時期が
あった。しかも天然酵母だけでは飽き足らず、サワー種やルヴァンリキッド、
酒粕をベースに起こした酒粕酵母まで自分で起こして使っていたこともあり、
いろんな酵母でのパン作りを楽しんだ。

天然酵母で焼いたパンの特徴は、ずっしりとしていてやや酸味が感じられると
いう点だ。これは気のせいではなく、酵母の発酵段階で乳酸菌と酢酸が発生
するので、それがパンの風味に添加されるために、そういう風味になる。
この酸は酵母の働きを弱めてしまう働きがあるために、パンを膨らませるための
ガスがイースト使用時に比べるとあまり発生しない。しかもパン生地に含まれる
グルテンは酸に弱いためにこの酸に分解されてしまい、結果として酵母の生成する
ガスが抜けてしまうために、イーストのパンよりも膨らまない、ずっしりとした
パンになる。これが、天然酵母で焼いたパンの一般的な特徴だ(ちなみに、この
酸がグルテンを分解する作用を応用して、天ぷらの生地に少し酢をまぜると、
サクサクの生地にすることができる)。

「天然酵母パン」と聞くと、なにやらオーガニックな響きがあるせいでふんわり
優しい味わいのパンを想像する人が多いかもしれないが、実際にはかなり好き
嫌いの分かれるパンだ。噛み応えは強めだし、上に書いたような独特の香りも
つくので、誰もが好きになれるパンとは限らない。それでも、パン好きには
受ける味わいであることは間違いないので、根強いファンがいるんだろう。

また、天然酵母はガスが発生しづらいという性質上、発酵に時間がかかるのだが、
それがパンの甘みを増すという効果もある。パンの甘みを最大限に引き出すには、
小麦粉の粒の芯にまで水分を浸透させる必要があるのだけど、それにはおよそ
12時間ほどかかる。天然酵母を使えば自動的に理想的な条件でパンを発酵させる
ことができるので、それもまた天然酵母で作ったパン独特の甘みといえるだろう。

ただしウイークポイントとして、天然酵母パンには独特の酸味と硬い食感がある。
これをなくして、小麦粉の味わいだけを強く出したければどうすればいいかと
いえば、イーストを使ってじっくりと発酵させればいい、ということになる。
でも普通にイーストを使って発酵させたら、夏なら1時間程度、冬でも2~3
時間もあれば発酵が完了してしまう。ではどうすればいいかというと、冷蔵庫で
発酵させればいいのだ。

イーストを使った生地が捏ねあがったら、生地をボウルに入れて上から生地全体を
覆うようにラップをかぶせ(乾燥を防ぐためなので、ぴっちりと包む必要はない)、
さらにボウルを覆うように濡れ布巾をかけて冷蔵庫に一晩寝かせておく。そんな
低温環境に生地を置いて発酵するのかと心配になるかもしれないが、実際のところ
何の問題もなく生地は発酵する。翌朝見てみると、見事に膨らんだパン生地が
できている。分割してベンチタイムをとり、そこから整形して二次発酵をすると、
またさらにしっかりと膨らんでくれる。発酵が終了して焼いてみると、これがまぁ
実においしいパンになっているから素晴らしいものだ。ふんわり、もっちり、
優しいお味のパンの出来上がり。しかも、なぜかイースト臭があまりしない、
というか感じられないくらいになっている(理由は不明)。

このやり方が、普通の日本人が好む味と食感のパンを作るのに理想的だという
ことがわかってからは、イーストばかり使うようになってしまった。典型的な
ハード系パンを作ろうとするなら、今でも天然酵母は必要だと思う。が、
そうでないのであればイーストを使った冷蔵発酵というのは一度考えてみても
いいと思う。あと、さらに逆手をとれば、天然酵母を起こす段階で発生する
乳酸と酢酸が天然酵母の特徴だというなら、最初から生地に酢とヨーグルトを
添加してイーストで焼いたって、結局は同じことになるのではないのかな?


パンづくり、その後

2011-06-09 18:18:13 | 料理
そういえば、パンづくりについてのブログってぜんぜんアップしていなかった
ような気がするので、少し書いておくとしますか。最近ぜ~んぜんブログも
書いていなかったしね。やっぱり、twitter とか facebook をやっていると
ブログがおろそかになってしまう。おろそかというか、気がついたことを
気がついたときに軽くちょこまか書くことができるのがあちらのいいところで、
それでけっこう気が済んでしまうからなぁ。

さてパンだけど、今でも先生のところには通わせていただいている。
先生の教室ではドライイーストを使うコースと天然酵母を使うコースの
2種類があるんだけど、ドライイーストのコースはもう終わって、今は
天然酵母コースを習っている。気がついてみれば、もうパン教室に通って
1年以上がたつわけだけど、あっという間だった気がする。先生の教え方が
上手なのと教室の雰囲気が楽しいのとで、こんなに長いこと続けることが
できたんだと思う。

教室でのコースの進め方は、最初にドライイーストのコースを履修して、
ひととおりコースを終えた時点でパン作りの技術が天然酵母のコースに
進んでも問題がないくらいに進歩しているかどうかを先生から見て判断して
いただき、問題がなければ天然酵母のコースに進む、という流れになっている。
個人的には、技術の進歩を真剣に志して努力したというよりは、単に
パン作りを楽しんでいるうちに技術も上がってしまった、という感じ。

とはいえ、技術的にまだまだなのは自分がよくわかっている。作っているのは
まだどちらかといえばそれほど高度な技術を要するものではなく、基本的な
ものがほとんどだ(エピなどは切れ込みを入れるのにやや苦労するけど)。
クロワッサンやバゲットなどのような、上級者向けのものはまだ作っていない。

がしかし、バゲットあたりは「やればできるんじゃないの?」という気持ちに
なってしまうもので、何度か試してみたけれど、いまだに納得のいくものは
できていない。なにせ、使う材料は準強力粉、水、塩、イースト、これだけ。
一般的にはモルトも使うようだけど、本来はこの4つだけで作るものだ。
どうすればああいう、スカスカでフワフワのバゲットになるのか、いろいろと
試してみたところ、ストレッチアンドフォールドという技術を使うことで、
それっぽい形状にすることには成功した。しかし、食感はまだまだ・・・。
どことなく硬くてボソボソしたようなものになってしまう。さすがは上級者
向けのパン、まだまだハードルは高い。

ちなみに、ドライイーストも天然酵母もそれぞれによさがあるので、どちらか
だけを習うといい、ということはない。天然酵母を習っている今でも、うちで
イーストを使ったパンを作ることはよくあるし、「これはやはり天然酵母で」
というパンも、もちろんある。発酵時間で比べると、ドライイーストが小1時間
くらいで一時発酵が終わるのに対して、天然酵母は7~8時間かかる。これを、
ドライイーストが手軽で天然酵母がまどろっこしいと考えるか、ドライーストは
慌しくて天然酵母はマイペースで作れると考えるかで、どちらで作りたいかが
決まってくる。

また、味もそれぞれに違いがある。一般的な配合量のドライイーストで作る
パンは、いい言い方をすれば軽やか、悪い言い方をすれば味が薄い。
天然酵母でつくるパンは、いい言い方をすればどっしりして旨味が多い、悪い
言い方をすれば重々しくて噛む力を要するものが多い。これは発酵時間が
関係しているらしい(これ以降は私のほぼ勝手な推測)。

パン生地の小麦粉の1粒1粒の芯にまで水分が到達するには、およそ12時間
くらいかかるのだとか(これは事実)。そして芯まで水分がしっかりと行き
渡ると、粉は柔らかくなる。これはタンパク質の構成要素であるアミノ酸が
水に溶けやすいためで、そのため長時間発酵をするとアミノ酸がより多く
溶け出すことで、旨味を強く感じるようになる(アミノ酸は旨味成分だからね)。
その反面、アミノ酸が溶けるということはパンの食感にも影響を及ぼす。
パンの食感をかもし出す重要な要素であるグルテンはタンパク質であり、
タンパク質の構成要素が他ならぬアミノ酸だから、アミノ酸が溶けてしまうと
いうことは当然グルテンも弱まり、モチモチとした弾力がやや薄れて、いわゆる
天然酵母パン独特のどっしりとした食感になる(のだと思う)。

こういう違いがあるので、どちらかだけで作れればいいということはない。
イーストパンの味や食感のほうがいいという人もいるだろうし、天然酵母パンの
味や食感のほうがいいという人もいるだろう。実際、砂糖やバターなどの
副材料の多い生地ならイーストのほうがいいということもあると思う。
副材料の多い生地を天然酵母で長時間発酵させると、人によっては重すぎる
パンになることがあるので、食べているときに飲み込みづらいと感じるかも
しれないから。

う~ん、まだまだ奥が深いぞ、パンの世界。

第三回日本の銘チーズ百選

2011-02-14 17:38:20 | 料理
第3回日本の銘チーズ百選、盛況のうちに終了。あいかわらずの大混雑は最後まで
解消されないまま、このイベントも今回で終わりとなった。農水省から補助金が
出なくなってしまったため、もうよほどのことでもない限りは開催されない
可能性が高い。同じ理由で、チーズ万博も今後開催されることはないそうだ。
残念だけど、しかたがない。やはり、アジア人にはチーズが向いていないのだ。

空を飛ぶものは飛行機以外、4本足のものは机以外は何でも食べるといわれる
中国の人ですら、実はチーズが好きな人は少ない。チーズがあまり好まれない
日本ですら年間にして一人当たり約2kgは食べられているのだけど、中国では
さらにその10分の1程度しか消費されていない。お隣の韓国と台湾は中国よりは
消費しているけれど、それでも日本よりはずっと少ない。

ちなみに、本場ヨーロッパでの消費量はすごい。フランスでは年間で一人当たり
約24kgも食べているというから、日本人の10倍は少なくとも食べている。
ドイツとイタリアも20kgくらいは食べているようで、まるで比較にならない。
ギリシャではさらに多くのチーズが消費されているという話もあり、彼らの生活に
チーズは欠かせない食材ということなのだろう。

もちろん、欧米にもチーズ嫌いな人はいる。私の知り合いにも数人いるくらいなので、
そんなに少ないわけではないだろう。だから、食べる人は大げさでなく、本当に
年間にして30kgくらいは食べているはずだ。しかし年間30kgってさぁ、
少なくとも毎月2kg以上はチーズを食べるってことでしょ?毎日100gくらいは
食べているっていう計算になるんだよね。6Pチーズだったら、あれ箱ごと1つ
まるまる全部ですよ。6個ぜんぶ。それを毎日でしょ?まじ、すごいわ。

話は違うけど、出展者のセールストークで多かったのは、「香りを抑えてあります
ので、チーズが苦手なかたでも召し上がれます」という類のもの。売りたいと
いう気持ちはわかるんだけど、それってどうなんだろう。嫌いな人に無理に
食べさせているような気がして、なんだか気になった。もしそれでチーズ嫌いの
人が食べられたとしても、「あぁ、確かに食べられるね」で終わってしまうの
ではないだろうか。大切なのは、「これは食べられる」ではなく「これを食べたい」
という意識までもっていかないといけないのではないだろうか。

それには、チーズの香りを「いい香り」と感じられるような料理を考え出すしか
ないのではないだろうか。チーズ好きの人なら、そのままだって平気で食べるけど、
嫌いな人があの香りや後味が原因でいやがっているのだとするなら、それを気に
しないような料理、またはそれがクセになるような料理を考え出すのが、チーズ
消費量をいっきに押し上げる起爆剤になると思う。

でも、それってどんな料理だろう?というか、そんな料理はありえないと思う。
あの香りなくしてチーズを楽しむことなんてできないんだから、香りを抑えると
いう方向で勝負するのは難しいのではないだろうか。逆に、どうすれば本場の
チーズを超える味と香りを実現するか、しかも輸入品よりも安く売れるように、
という方向で開発を進めたほうが、いいと思うのだけど。

今回のチーズ百選では、いくつかの生産者が間違いなく本場と勝負できるほどの
おいしいチーズを生産していることが確認できた。そういう高品質なチーズを
もっと前面に押し出す方向でいったほうがよいのではないか。チーズ百選やチーズ
万博でも、「これはチーズ好きの人にこそ、おすすめしたい商品です!」という
セールストークがもっと目立ってもよかった。今となっては時すでに遅しだけど。

パン作り

2010-03-30 16:16:46 | 料理


最近、パン作りを習っている。奥様には以前から、一度きちんとパン作りを
習ったほうがいい、ということを言われ続けてきたが、なんとか独学で
上手に作れるようになりたいという気持ちが強かったので、なんのかんのと
言い訳をして逃げてきた。どういう心境の変化があったのかといえば、
心境の変化というほどのことでもない。

奥様のチーズ関係の人脈で、パン作りを教えている先生がいるという話が
あり、それなら一度くらい単発の体験コースでもやってみようかという
ことになったのだった。何も正確な捏ね方を知らないよりは、少しくらいは
きちんと習っておくのもいいだろうと思い、気楽にその話に乗ることに
なった。

単発コースは、ごく簡単なフォカッチャだった。フォカッチャ自体は、以前に
自分でも作ったことがあるので、それほど苦労せずに作ることができるだろう
と思っていたこともあり、それほど緊張せずに教室に臨むことができた。
そのときは、奥様を含めて知り合いの人も他にいたし、わいわいと楽しい
雰囲気で教室が始まった。



実際に教室が始まると、目から鱗の指導の連続だった。普通、手作りパンの
レシピを読んでいると、パン生地を捏ねるときの出来上がりの目安として、
生地を伸ばしたときに向こう側が薄く透けて見えるくらいになったらOK、
薄く見えるようになる前に切れてしまうようだと、まだ捏ねが足りない、
というようなことが書いてあることが多い。あと、捏ね時間はだいたい
20~30分くらいを目安にしましょう、とか。

私が持っている本にも、まさにそういう内容が書いてある。また生地作りの
最中に生地を叩きつけることも大切だ、とも書いてある。叩いては捏ね、
叩いては捏ねを繰り返すことで、理想的な生地に練りあがる、ということ
なので、それを信じてえっさほいさと捏ねたり叩いたりするのだが、
いっこうに向こう側が透けるような生地にはならないのだ。

捏ね方が悪いのか?素材がそもそも問題なのか?それとも温度管理に問題が?
しかし、そのどれにも問題があるようには思えない。本に書いてあるとおりに
つくっているにもかかわらず、どうしてもそんな生地になってくれない。
次第に頭に血が上ってきて、生地を力任せにがんがんとぶっ叩いてストレス
発散、なんてことも一度や二度ではなかった。

話を教室に戻すと、先生はそんなやりかたは教えなかった。「え、こんな
もんでいいの?」というくらいにあっという間に捏ねは終ってしまった。
時間が短いこともさることながら、叩きつける作業なんて一度もしない。
捏ね時間なんて、しょうみ10分もないくらいじゃないだろうか。しかし、
出来上がった生地は教則本に写真が載っているような、赤ちゃんのお肌の
ようにしっとりつやつやな生地に仕上がるのだった。

そこで先生に、パン生地をこねるプロセスでの質問をしてみた。私が持って
いる本だと、生地を伸ばしたときに向こう側が透けて見えるくらいまで
捏ねるようにとか書いてあるんですけど、と聞いてみたところ、言下に
「それはもう古い捏ね方ですね」。・・・・・・・・・そうだったのか。
やっぱり、独学だとわからないことってあるものだ。

で、その生地でフォカッチャを焼いたのだが、おいしいなんてものでは
ない。割と簡単でシンプルなパンだというのに、今まで自分で作った
どのパンよりも圧倒的においしかった。その瞬間、先生の言っていたように
教則本の指導内容が古いということと、この先生にもう少し詳しく習った
ほうがいいという2点について確信することができた。

で、その日のうちに「これからよろしくお願いします」というお話をして、
まずは初心者コースに通うことになった。ドライイーストを使って、ごく
基本的なパンを作る工程を学ぶ、文字通りの初心者コースなのだけど、
早くもいろいろと勉強になることが多い。ミキシングの時間とポイント、
捏ねのヒント、ガス抜きの秘訣と効用、etc。詳しくは書けないけれど、
すべてのパンづくりに共通するであろう基本事項を、すでにかなり学ぶことが
できたと思う。

まだ初心者コースは続くが、初心者コースを終了するまでのあいだに、
意識せずとも習ったことをてきぱきとできるようになるまで体に染み込ませ
たいし、そしてできることなら、この上のコースも習ってみたい。この歳で
習い事にのめりこむことになるとは思わなかったけど、いい教室に出会う
ことができて、よかった。

ジャム

2008-05-14 16:50:34 | 料理
我が家では、ジャムをときどき作る。きっかけは、梅酒だった。梅酒を飲み終わった
後に、漬けた梅が大量に余るわけだが、どうにも捨てるのがもったいないと思い、
再利用する手はないものかと思って、試しにジャムにしてみたのだが、これが結構
いける。アルコールが入っていることもあって、ちょっと大人の味、というノリで。
しかもアルコールのせいで、保存料なしなのにちっとも腐らず、実に助かる。

で、これに味をしめた私としては、他にもこれまでにいろいろな材料で作ってみた。
リンゴ、イチゴ、ラズベリー、どれもけっこうおいしいのだ。手作りジャムのいい
ところは、甘みを自分で調整できること。市販のジャムだと「うわ!」っていう
くらいに甘いのがあるが、手作りだと自分の好みの甘さに調整できるのでいい。
ちなみに、ラズベリーでジャムを作ったときは、あまりに砂糖を控えめにしたせいで、
す~っぱいジャムになってしまった。しかし、それは奥様には好評で、奥様は
気に入ってよく召し上がってくれた。

今考えているのは、小豆ジャム。ただの餡子じゃない、と突っ込まれたらそれまで
なのだが、やってみたい。甘さ控えめにして、豆の量を多くしたものにしたいのだ。
粒餡というよりは、ほとんど粒のままくらいの状態でパンに乗っけて食べたら、
おいしいのじゃないかな。和三盆糖なんかを使えば、さっぱりとした甘さになりそう
なので、試してみたいところだ。

ホームベーカリー

2008-05-13 16:18:19 | 料理
最近我が家で、ホームベーカリーを購入した。実は前からあったのだが、それは
今となっては黎明期のホームベーカリー(80年代のもの)で、天然酵母を使って
焼くことができないため、天然酵母対応を最新式の機種を購入することになった。
実際のところ、ドライイーストと高級な最強力粉を使えば、それなりにおいしい
パンができるのだが、次第に欲が出て、やはり天然酵母を使ったパンも焼いてみたい、
ということになり、購入にいたった。

購入したのは National の SD-BH101 という機種で、シリーズの中では最廉価版。
とはいえ、機能的には何も問題ない。上位機種は1.5斤まで焼けるものや、
デニッシュ風食パンが焼けるもの、餅までつけるものもあるようだが、そこまで
多機能なものは必要なし!ということになった。実際、これで何の問題もない。
そもそも、うちで年中餅をつくる人でもない限り、そんな機能は不要だし。

実際に使ってみた感想だが、いやはや、月日は百代の過客にしてではないが、
時代の差を感じてしまった。それまで使っていたのは、象印が世に出した最初の
ホームベーカリーで、当時私の母が象印系列の問屋に勤務していた関係で、
ノルマとして購入したものだった。このホームベーカリーを最初に使ったときの
ことは、今でも忘れられない。説明書の指示通りにすべての材料を入れてタイマーを
セットして床に就くと、翌朝、パンの焼けるなんともいえない、甘くて香ばしい
香りが家中に充満していたのだ。休日はいつも昼近くまで惰眠をむさぼるのが
当たり前の私が、目覚まし時計も使わずに目が覚めたほどだ。

さて、この焼き立てのパン、どんな味だったかというと、香りのすばらしさほど
ではなかった、というのが事実。当時のホームベーカリーというのは、そのへんの
スーパーで売っているドライイーストと強力粉で作ると、実にスカスカのパンしか
できないというものだったのだ。まだ練りや捏ねの技術が進んでいないせいもあり、
あまりおいしいパンにはならなかった。そのため、その後数回作ってはみたものの、
あまりおいしくないということになって、物置で長らく冬眠生活に入ったのだった。

それがどういう経緯が忘れたが(確か奥様のリクエストだったような・・・)、
結婚後に実家からこっちにもってくることになったのだった。あまりおいしくない
ことは事前に告げていたのだが、実際に焼いてみると相変わらずスカスカしたパンに
なった。とはいえ、奥様はホームベーカリーから出てくる、あの焼きたてのパンの
香りは気に入ってくれたようで、たいそう感動していた。本当に、家中が焼きたて
パンのいい香りでいっぱいになるのだ。

せっかく持ってきたのに放っておくのはやはりもったいないということになり、
なんとかならんかとあれこれ試してみたところ、高級食材店で売っている
最強力粉を使い、水分を牛乳100%にすれば、それなりにおいしいパンが
焼けるということがわかった。この組み合わせだと、あのスカスカパンしか
作れなかった初代ホームベーカリーで望みうる最高のパンが焼けると思う。
これをトーストして食べると、大変にヘルシーな味わいのパンになるのだ。

さて前置きが長くなったが、購入した最新式のホームベーカリーで、天然酵母を
使って焼いたパンだが、もう比較するのが失礼なくらいにおいしかった。初代のを
購入してからほぼ20年の歳月が経っているわけだが、電機メーカーも徒に
20年間時間をつぶしていたのではないのだな、ということを実感した。
もう、もちもち感も桁違いだし、耳の部分もふんわり薄いし、噛めば噛むほど
旨みが口の中に広がってくる。スーパーで売っているような、何を使って
焼いたかわからないような食パンとは、材料の安全度も違うし。このパンだと、
パン自体の旨みがしっかりしているので、トーストにせずにオープンサンドに
使っても何の問題もない。というか、パン屋さんで買ってきたパンと比較
しても、ぜんぜん負けてないと思う。

最近の我が家では、全粒粉を使った全粒粉パンをよく焼いている。これは普通の
食パンよりもさらに香ばしさがあって栄養豊富なので、奥様の評判もよいようだ。
不満点がほとんどないこの最新式ホームベーカリーだが、1つだけ残念なことが
ある。それは初代ホームベーカリーほどパンの焼ける香りが強烈にしないことだ。
もしかしたら、あまりにパンの香りがきついというクレームがあって改良したの
かもしれないが、そこだけが少し残念だ。今のでもけっこう香りはするのだが、
初代の「何事!?」というくらいの強烈な香りが今は懐かしい。

The Scone

2007-05-23 14:55:59 | 料理
最近、ようやくまともなスコーンが作れるようになってきた。たかだか小麦粉に
バターとベーキングパウダーと牛乳と砂糖と卵をまぜるだけのものが、何がそんなに
難しい、と思ってやりはじめたこのスコーン作り。予想以上に難しいということが
わかってからというもの、どうすればよりおいしいスコーンになるのか、をいつも
考えて試行錯誤してきたせいか、なんとか普通のスコーンを焼くことができるように
なってきた。

スコーンなんて、それほどお菓子の中では難しいもののはずがない。実際、これは
初心者レベルのお菓子のはずだ。それでこれだけ難しいのだから、お菓子職人さんとか
パン焼き職人さんというのは、板前さんよりもすごいのかもしれない。何をおおげさな、
と思うお父さん、騙されたと思ってひとつスコーンを作ってみるといい。最初はまず
間違いなく、ぼそぼそで固いスコーンができあがるはずだ。外側だけさくっとしていて、
中身はふんわり、とはいかない。

いや、お菓子やパンに限らず、粉関係のものはすべて難しい。うどんもパスタも、
なかなかうまいこといかないものだ。「職人」という職業が存在するのが当然。
職人技というのは、研ぎ澄まされた感覚と数多くの経験によって初めてできるもの
なのだということが、今の私にはよくわかる。サンデードライバーならぬサンデー
菓子づくりの私などでは、追いつかないはずだ。

本当は、やはりお菓子教室にでも通ったほうがいろいろとわかることが多いのだと
思うが、しかしやめておこう。さらにエンジンがかかってしまったら大変だし、
やはり気恥ずかしい。意地の悪い先生や生徒さんにいやがらせとかされてもいやだ。
今くらいでちょうどいいのだと思う。ということで、今度の週末は抹茶スコーンを
作ってみる予定。

手作り味噌

2007-01-29 18:28:47 | 料理
とうとう手作り味噌をやってみた。結果としては大満足!手作り味噌は、実際には
けっこう前からやってみたかったんだけど、なかなか重い腰を上げるだけのきっかけが
なくて、これまでずっと先延ばしになっていた。でも、今月の朝日新聞の「暮らしの風」で
手作り味噌のレシピが掲載されていて、「2月はつくり時」と書いてあったので、
これはもう作るしかない、とついに重い腰が上がった。

材料は、

o 大豆1kg
o 麹1kg
o 塩 500g
o 水3リットル

まずはこの大豆1kgを水3リットルに一昼夜浸して戻す。我が家で使っている
大型のパスタパンで戻してみたが、翌朝には大豆が水を全部吸ってしまっていた
ので追加。ちなみに水だが、茹でている間にもどんどん蒸発するので、合計すると
5リットルくらいは使った気がする。ちなみに、使ったのは防災用にまとめ買いした
おいしい水。賞味期限切れ間近だったので、いい具合に有効利用できた。

戻した大豆を煮るのだが、けっこうアクが出るのでちょくちょくアク取りをする
必要がある。大豆を煮ている間に、麹と塩をまぜあわせる。麹はヨーカドーで
売っているものを使ったのだが、これは売っている状態ではくっついて固まって
いる状態なので、すべてばらばらにほぐす必要があった。1kg分手で揉んで
ほぐすのはけっこう手間がかかる。

ほぐした麹を塩と混ぜるのも、けっこう手間がかかった。なにせ1kgもの麹なので、
ボウル1つではとても入りきらない。2つは使わないと無理だ。塩を全体に満遍なく
まぜないと、部分的にやたらしょっぱい味噌になってしまったりするかもしれないので
丁寧に全体にまぜあわせる。大豆が茹で上がるまでもう少し時間がかかるので、この
待ち時間を利用して味噌を入れる容器の内部を、極限までしょっぱくした塩水で
丁寧に磨く。殺菌消毒ですな。

さて、大豆が茹で上がったので、いよいよペースト状になるようにする。私は今回
すりばちとすりこぎを使ったけど、これで十分だと思う。フードプロセッサーとか
ミンチ肉を作る機械とかがあればもっと手軽にあっという間にできるのだろうけど、
そのためだけに購入するのももったいないし。でも、お菓子作りとかいつも考えて
いる私としては、いつかお小遣いをためてフードプロセッサーを買ってしまうかも
しれない・・・・・。

大豆がペースト状になったら、いよいよ麹と混ぜ合わせる。これはもう、ひたすら
「よいせ、よいせ」の作業。ペースト状の大豆はけっこう固いので、大豆のゆで汁を
混ぜながら、均一に麹が混ざるようにひたすらこねこね。混ぜ終ったら、野球ボール
くらいの大きさにまとめて、1つ1つ容器の中に入れる。空気が入らないように、
上から丁寧につぶしながら、ぴっちりとつめていく。

すべて入れ終わったら、上からラップをかぶせてさらにその上に塩をまき、空気が
触れないように密閉する。その上からお皿を重石代わりに載せて、ようやく出来上がり。
だいたい3時間くらいかかったけど、でもそんなに時間が経ったような気がしない。
面白かったし、何より秋になったときに食べられる味噌のことを思うと、ついつい
力が入ってしまった。これからは、つゆの時期や夏の酷暑の時期にカビが生えないかを
ときどきチェックする予定。どんな味噌になるのだろう、楽しみ楽しみ。

正しい和食

2007-01-15 14:04:07 | 料理
最近アメリカで、『スシポリス』なる正しい和食を認証するという風変わりな
組織が動いているらしい。この組織の目的は正しい和食文化を普及させることだ
そうで、海外の日本料理店を対象に、本来の調理法や接客に取り組む店に
お墨付きを与える制度なのだそうだ。しかもこれ、遊びではなく農林水産省が
2007年度から始める公式の優良店支援制度だというからすごい話しだ。
これには当然のごとく、現地の和食レストランから猛反発が出ているらしい。
うちらがどう作ろうと勝手だ、ということで。

食べまくった一人として言わせていただければ、確かにおいしくはないねぇ・・・。
寿司はもうあきらめるしかないが、それ以外のものも総じてあまりいただけない。
アメリカでは「Teriyaki」という単語はすでに1つのジャンルとして確立していて、
スーパーでソースやドレッシングのコーナーに行けば、しっかり「Teriyaki」
と書かれた、バーベキュー用ソースが売られているけど、それもおいしくない。
味がやたらに濃いのだ。甘さもしょっぱさも。

彼らの味覚というのはどうしても大味なので、素材の味を楽しむ料理というよりは
調味料の味を楽しむ料理になってしまっている。極論すれば、材料は何でもいい。
日本食っぽい味でさえあればいい、というのがアメリカ風だ。だから、どんな
日本食を食べても、本当の日本料理とはかけ離れた味でしかない。蕎麦やうどんも
ぐにゃぐにゃだし、ご飯もぼそぼそ。アメリカで和風レストランに入ることなど
まずない。アジア風の味がほしくなったら、チャイニーズレストランに入ったほうが
まだましだ。それでも、本当の中華とはだいぶ違う味ではあるが。

あんなに味の濃いものばかり食べていれば当然喉が渇くわけで、喉を潤すためには
ソフトドリンクをがぶ飲みするしかない。彼らはウーロン茶を飲むようなことは
ないので、飲めば飲むだけカロリー過多になり、結果としてブーデーの出来上がり。
ま、それは日本食とは関係のない問題ではあるが。ただ、彼らは和食を薬か何かと
勘違いしているところがあり、和食を食べれば健康になれると思っている。だから、
あんなに変な味の和食ですら喜んで食べて、それを食べている自分をクールだと
思っているところすらある。悪いこと言わないから、青汁でも飲んでたほうがいいぞ。

ただこの認証制度、確かに地元の人にとっては無意味だろう。たとえ本国で正しい
味だと認められたところで、本人たちにとっておいしいものでなければ何の価値もない。
日本で食べられる外国の料理で考えてみると、たとえばエビチリの元祖である乾焼蝦仁は
エビチリとは似ても似つかないものだし、カレーライスだってインドのカリとは全然
違うものだ。ラーメンだって今や完全に日本人のための味覚を追求している。もっと
言えばジャーマンポテトなんて料理はドイツには存在しない。日本人だって、ひとの
ことを言えるほど立派なことをしているわけではない。

しかし、だ。全然無意味かというと、そういうわけでもないと思う。まず、彼らは
正しい和食の味というものがわかっていない。だから、本当の和食というのはどういう
味なのかというのを知っておいてもいいと思う。その上で、正しくなくてもおいしい
和食を割り切って楽しむのならいいと思う。本当に体にいい(?)和食というのは
こういう味なんだ、というのを舌で覚えておくのは、悪いことではないのではないか。
たとえば日本では、その気になれば正しい乾焼蝦仁や正しいカリを食べることができる。
アメリカでもそういうところがないことはないが、実に少ない。

さらに、アメリカに旅行や出張に行く人が、「ここなら間違いない」という目印に
できる。本当の和食を求めてジャパニーズレストランに入った人が、幻滅して店から
出てくる、という事態は減るだろう。この制度、どちらかというと味にうるさい
日本人向けの制度と考えたほうがいいのではないだろうか。もともと味にこだわらない
民族に突然このような制度を押し売りしても、しっかり根付くとは考えにくい。彼らは
基本的に生きるために食べる民族であり、食べるために生きる民族ではない。

ひさしぶりに料理の日記

2006-09-04 17:24:01 | 料理
昨日は秋鮭がおいしい季節になってきたので、ひさしぶりに生パスタを
作りました。秋鮭とほうれん草のクリームソースをあえて食べたのですが、
なかなかのおいしさでした。

今回のパスタは、いつものようなデュラムセモリナ入りではなく、強力粉
だけで作ってみました。強力粉に塩少々、卵1個、水70cc、オリーブ
オイルという組み合わせで作ったのですが、これがなかなかでした。
クリームソースのようにふんわりしたソースの場合、あまりパスタが主張
しすぎるとよくないかな、と思ってこういう配合にしてみたのですが、
実にいい感じに仕上がりました。

鮭のクリームソースは、生クリーム、白ワイン、パルミジャーノレジャーノ、
レモン汁、塩こしょう、という味付けで作りました。これがまたいい具合に
コクがあって、パスタによく合います。奥様のアイデアでほうれん草を
入れてみたのですが、これも相性がよくて実においしかったです。

そういえば、そろそろ強力粉がなくなりそうなので、富沢商店に行って
おいしい強力粉を買ってこなければ。イオンに成城石井があったときには
こんな苦労をしなくて済んだので、できればまた成城石井が戻ってきて
ほしいものです。