Andyの日記

不定期更新が自慢の日記でございます。

ジャズについて

2007-06-21 15:12:59 | 音楽・楽器

こう見えても、私はジャズはそれなりに聞いてきた。今うちにあるCDのうち、
ジャズ関係のCDは少なくないのだ。フュージョンも入れたら、けっこうな数に
なると思う。実際にジャズギター弾けるようになろうと、それなりにコピーを
したこともある。ウェス・モンゴメリーは楽譜も買ってわりと真剣に練習したし、
それ以外にもジャズの楽譜を買って練習したりもした。まぁ・・・・・、努力が
必ず実を結ぶわけではない、ということを知った若き日ではあったけど。

で、今だけど、ジャズはぜ~んぜん聞いていない。理由としては、飽きたから。
延々と続くソロプレイは、若いときには感動したものだが、今聞くと長ったらしく
感じる。ジャズの雰囲気自体は嫌いではないのだが、どうしても演奏がだらだら
しがちだし、しかも今のジャズは全体的にあまりにもジャズ的過ぎると感じる。
まるで、ジャズマニアにだけ気に入られていればいい、と開き直った引きこもり
状態にあると言ってもいいと思う。

というのは、たとえばビルボードの歴代年間チャートを見てみると、1950年代の
頃までは、ジャズの曲も年間チャートに入るくらいの大ヒット曲をいくつも出して
いるのだ。ところが、それ以降はジャズからそういう大ヒット曲が出ていない。
ジャズの醍醐味がアドリブに依存しているのは事実だが、しかしそれだけに依存
するのは、あまりいことではない。ちょうど、アドリブだけの映画や舞台と同じ
ようなものだから。

アドリブだけの映画というのは、たとえば是枝監督の一連の映画がそうだけど、
独特の緊張感があっておもしろいのは確かだ。しかし、大ヒット映画になるかと
いうと、それは必ずしもそうではない。『誰も知らない』は運良くヒットした
けど、もし柳楽くんが受賞しなかったらこれほど話題になっていたかどうか。
原案、脚本、演出、監督、役者さんが、すべて高次元で作品作りに臨んでこそ、
名作というのは生まれる可能性が高いのではないのか。売れればいいとは言わない
けれど、売れないのはどこかおかしいところがあるのは確かだ。

これは、ジャズ全体にとっていいことではない。「ジャズはつまらない」という
印象を次の世代に与えかねない。なにもローティーン向けのどんちゃん騒ぎな
ノリの曲を作れというのではないが、もう少し一般にアピールする曲を多く
作ってもいいのではないか。そうすれば、今までジャズに何も興味がなかった
人たちが、「ジャズって面白いね」と興味を持ってくれるようになるかもしれない。
そして、ジャズ畑以外の人がジャズに新たな解釈や方向をもたらしくれるように
なるかもしれない。それは、お互いにとっていいことだ。今のジャズに必要なのは、
優れたコンポーザーだと思う。

最近、The Bird And The Bee というグループが、ブルー・ノート・レーベルから
デビューした。厳密にはこの二人はジャズではないのかもしれないが、でも非常に
洗練されていておしゃれだし、どことなくジャズっぽい雰囲気を持っていて、いい。
こういうグループが、もっとジャズの世界にたくさんいてもいいのではないのか。
明るいジャズ(デキシーランドっぽいという意味でなく)、楽しいジャズ、軽い
ジャズ、おしゃれなジャズ、馬鹿ノリのジャズ、そういうのを演奏するジャズの
バンドがどんどん出てこないと、ジャズの未来はますます暗いものになってしまう。

2 コメント

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Unknown (mikste)
2007-06-22 02:29:07
ふらりお邪魔しました。
本文読んで妙に納得しました。特に日本のライブシーンでは(という言い方はあまり好きではないのですが)決まったスタンダードばかりで私も少し飽きています。ジャズの流れを含む優れたコンポーザーは必要でしょうね。
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コメントありがとうございます (Andy)
2007-06-22 15:19:21
mikste 様

このままジャズが廃れてしまっては寂しいと
思います。せっかくの高度で複雑な音楽理論を
もってしても、ヒット曲の1曲も出せないと
あっては宝の持ち腐れではないか、と。
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