Andyの日記

不定期更新が自慢の日記でございます。

落胆

2007-10-26 09:37:51 | モータースポーツ・車
日産自動車は10月24日、「NISSAN GT-R」を東京モーターショーで発表した。
12月6日より販売を開始する。グレード別の価格は、「GT-R」が777万円、
「GT-R Black edition」が792万7500円、「GT-R Premium edition」が834万7500円。

同社のブランドを代表するスポーツカー“GT-R”が帰ってきた。これまで
「スカイライン」をベースにした「スカイラインGT-R」として多くの車ファンを
魅了してきたが、新型NISSAN GT-Rは、スカイラインブランドではなく、
単独の“GT-R”ブランドとして新たなスタートを切る。

同社のカルロス・ゴーン社長は、この新生“GT-R”を「日産の、パフォーマンスへの
情熱の証であり、究極の表現」と説明する。搭載されたエンジンは新開発の
3.8リッターV6ツインターボ「VR38DETT」。最大トルク60kgm(588Nm)を
3200~5200rpmという広いレンジで確保し、出力は480馬力(353kW)を誇る。



相変わらず、こんな車を作って喜んでいるのか、日産自動車は。この記事を
読んでいてわかったことだが、おそらく日産の開発部門の社員というのは、
普段ニュースも見ず新聞も読まないのだろう。自動車の排出ガスがどれだけ
地球環境にダメージを与えているか、彼らは知らないのだ。だから、こんな
車を平気で作って喜んでいるのだろう。いくら LEV 対応のエンジンになって
いたとしても、こんな大排気量・高出力のエンジンを作っていては無意味だ。
化石燃料の無駄遣いであり、空気中の二酸化炭素を著しく増加させる。

また、車にとって first priority の性能とは何か。それは『安全』である
はずだ。万が一事故を起こしたときに乗員に与えるダメージを最小限にし、
相手の車や歩行者に可能な限りダメージを与えないことが、何より大切である。
車というのは、人間の何十倍も重い金属の塊を、人間の何百倍もの力を使って
動かしているものだ。すなわち、とても危険なものだ。その危険な物体を
どれだけ安全に管理することができるか、ということに自動車メーカーは
あらゆる技術を注ぎ込まなければならない。

こんな車に乗っていて、正常な精神状態でいられる人間というのは、いったい
どの程度存在するというのだろう。とんでもない馬力を持った車に乗れば、
誰だってスピードを出したくなるはずだ。まして、こういう車を買いたがる
人というのは、血の気の多い人ばかりだろう。目を逆三角形にしてアクセルを
踏み込む姿が目に浮かぶ。しかもこの車は高い。こんな車を買うことができる
のは、成金かお坊ちゃんか年寄りだけのはずで、割合から言っておそらくは
一番多いユーザーは年寄りになるだろう。年寄りがこんな車に乗ったら、
事故を起こす確立が増えるだけだと思うのだが・・・・・。

技術の日産は、人殺しの道具を大威張りで売る前に、絶対に事故を起こさない
車を開発するのが先ではないか?アクセル全開で壁に突進しても車が
自動的に減速して衝突を防ぐような車を、どうして作らないのか。居眠りを
して反対車線に飛び出しそうになっても自動的に本線に戻る車、急カーブが
迫る状況でスピードが出すぎていたら早めに自動的に減速する車、etc。
作ろうと思えば作れそうなものだが、なぜ作らないのだろう。今回の
GT-R にはがっかりさせられた、日産のモラルとはこの程度なのかと非常に
不愉快な気分にさせられてしまった。

コストパフォーマンス高し

2007-10-23 16:25:09 | お酒
最近試したワインの中で、値段の割りには実においしいワインをいくつか
書いておこうと思う。

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[ドメーヌ・ド・マージュ ブラン]

有名ワイン誌で「世界一お買い得な白ワイン」として紹介されたということ
だが、確かにおいしい。パーカーポイントが88もあるという脅威の
ヴァンドペイ白ワイン。1000円クラスで購入できる白ワインとしては、
望みうる最上級レベルのワインではないだろうか。アルコール度数が
割と低めでさっぱりした味なので、夏にきりっと冷やして飲むのにとても
適している。

使われている葡萄はユニ・ブランとコロンバールという品種で、ソーヴィニョン
ブランともシャルドネとも異なる独特の味わいだが、これはアルマニャックに
使われる葡萄だということだ。なぜアルマニャックに使われる葡萄でワインを
造ったのか。調べてみると、昨今の世界的なヘルシー志向のためにアルコール
度数の高い酒が敬遠されるようになり、アルマニャックもその煽りをくらって
売れなくなってしまった。困った葡萄栽培者が起死回生を信じて、「それじゃ
この葡萄でワイン造ってみるか!」と造ったのがこのワインだということだ。

実際、このワインは本当においしい。透明感があるがソービニョンブランほど
ピリピリしておらず、といってコクもあるのだがシャルドネのようにまったり
しているわけでもない。強いて言えば、リンゴの芯の蜜のようなすっきりとした
甘みがあり、また上質のハーブのようにすっと鼻腔を満たす上品な酸味があり、
どうして今まで誰もこの葡萄でワインを造らなかったのか不思議でならないほど
完成度の高いワインだ。

cx


[トリエンヌ・レ・オー・レリアン・ヴァン・ド・ペイ・デュ・ヴァール]

これはいつもワインを買いに行っているカルフール南町田店で、ワイン
アドバイザーのエリックさんが「おいしいですよ!」と薦めていたので買って
みたのだが、エリックさんすごい。これも素晴らしくおいしい。等級では
これもヴァンドペイになるのだが、それはこのワインのレベルが低いから
ではなく、きちんとした理由があることがわかった。

このワインは 1989 年にドメーヌ・デュジャックのジャック・セイス、
オーベール・ド・ヴィレーヌ(ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ=コンティ)、
ミシェル・マコー(醸造学専門のワインコンサルタント)の 3 人が、
AOCでは認められていないカベルネソーヴィニヨンとシラーのブレンドで
生産したワインなのだそうだ。そのためAOCではないのだが、ヴァンドペイ
でありながら¥2000近くもする。作り手がいい上に葡萄もいいのだから、
この値段もうなづける。

味わいだが、これまでに味わったことのないフランスワインと言えると思う。
カベルネソーヴィニヨンとシラーのブレンドといえばオーストラリアの
Penfolds が代表的だが、あれほどビシバシとくる味ではない。似て非なる味
と言えばいいだろうか、より芳醇でやわらかい味だ。香りも Penfolds の
ように強烈ではなく、あたりの取れたまろやかさがある。とはいえカベルネと
メルローのブレンドのような味とは異なり、もっとカラメルのような濃密な
コクとスミレのような艶やかな香りがある。

cx


[モンテス アルファ カベルネ・ソーヴィニヨン]

これはチリのワイン。新大陸ワインはコストパフォーマンスの高さが目立つが、
これも例外ではない。カルフールのワインフェアに行ったときに、モンテスの
試飲コーナーで試飲させてくれていたので普通のモンテスワインを飲ませて
もらっていたところ、売り子さんが「これもおいしいのですが、モンテスアルファ
という等級があり、それはさらにおいしいです」と教えてくれたので購入して
みたのだが、その言葉に偽りなし、これも驚いた。

舌触りがまず違う。よく、高級ワインの舌触りはビロードのようだと表現される
ことがあるが、そんなワインは飲んだことのない私としては、それってどんな
ものだろう、と想像するしかなかった。しかし、このワインで「もしかしたら、
それはこういう舌触りのことではないのか」と思えるようになった。舌の上を
なめらかに滑り降りて喉に到達する、というような印象だ。普通のワインが
どしゃ、っと喉に入ってくるものだとすれば、このワインは、とろん、と
喉に入ってくる。

味わいもいい。本当にカベルネだけで造ったのだろうか、と疑いたくなるほどに
複雑で濃密な味わいだ。それでいて、カベルネの直線的な味わいもしっかりと
ある。ずっしりとしているのに重すぎず、飲みやすいのに味わいもある。
こういうワインがあるから、チリのワインというのは怖い。しかもこの味わいで
\2000 なのだ。フランスのワインでこの味を再現しようと思ったら、おそらく
\5000 クラスのワインになってしまうのではないだろうか。コスト削減には
反対派の私だが、こういうワインを飲んでしまうと、チリの安くておいしい
ワインをもっと飲みたくなってしまう。

2007 年 F1 総括

2007-10-22 17:18:23 | モータースポーツ・車
正直に言って、まさかライコネンがタイトルを獲得するとはまったく考えて
いなかった。シーズン前半は彼自身がフェラーリチームに溶け込んでいなかった
ことや、フェラーリ自体がまだ半分シューマッハ的なカラーで動いていたこともあり、
どこかちぐはぐしていた。加えて風洞実験の設備でトラブルが発生したために
車体の開発が停滞した時期もあり、シーズン中盤までに早々にチャンピオンシップ
争いからは脱落したと思っていたからだ。ライコネン自身も、どちらかというと
モチベーションの下がることの多いシーズンだったのではないだろうか。8月の
ハンガリーGPが終了した時点で首位ハミルトンとのポイント差は20もあり、
数字の上ではチャンピオンシップからは完全に除外されていたことから、チームからも
マスコミからも半ば「過去の人」扱いされていたところがあった。

ところが、楽に逃げ切ることができたはずのマクラーレンでチームメート同士の
内紛が勃発し、チームメート同士でお互いの車の情報を共有することがなくなって
しまった。これは1000分の1秒を削るためにあらゆる手段を尽くすF1の
車体開発の現場では、致命的な事態と言える。お互いの車のいい部分を取り入れ、
悪い部分を修正することで車の開発が進むのに、そのプロセスがなくなてしまうの
だから、車の開発は進まない。そのせいか、後半はマクラーレンの車にトラブルが
多く発生するようになり、この結果を招いた、と言っていいだろう。スパイ事件
云々よりも、ロン・デニスの人身掌握能力の低さが今シーズンのマクラーレンチームに
発生した諸悪の根源と言ってもいいと思う。

ともあれ、ライコネン、アロンソ、ハミルトンの3人は、来年も熱い戦いを続けて
いくと思うので、期待して見守っていきたいものだ。

今年光ったドライバーといえば、ハミルトンを除けばやはりベッテルだろう。
日本GPでは、あわや表彰台かというような走りだったし、上海GPでも見事に
4位に食い込んだ。まだぽわんとした表情のお兄ちゃんに見えるのだが、早く
いいマシンに乗せてあげたいところだ。実際、どれくらいの速さなのかわからないが、
来年の活躍に期待したいと思う。

アロンソはどこに行くのだろう、一般的にはルノーに戻ってフィジケラが追い
出されるという話だが、そうなるとコバライネンとの戦いになるのか。コバライネンも
それなりに速いから、予選でも決勝でもうんと速く走らないとチャンピオン扱い
してもらえなくなるぞ。というか、私は個人的にアロンソはそれほど速いとは
思っていないので、ある意味そろそろ引き際なんじゃないか、と思っている。

それ以外は・・・・・、正直誰がどこに入ってもそれほど代わり映えしないなぁ、
というのが正直なところ。中嶋一貴くんがトヨタで走るんじゃないかとか言われて
いるけど、あまり期待せずに見ていたいと思う。それなりに速いドライバーらしいが、
こればかりは何とも言えない。実績で言えば琢磨くんだってすごいのだけれど、
F1というところは才能プラス野心の強さで決まるような世界だから、押しの強さが
どれだけあるのかがポイント。おとなしそうな彼がF1でやっていけるのか。

トヨタとホンダは、もういい加減に撤退したらどうか。あれだけの資金力があって
これだけの長い時間F1に参戦していながら、まだ中団をうろちょろすることしか
できないなんて、どうかしている。どこに問題があるのかわからないが、まるで
よくならない状況を見る限り、事態は深刻そうだ。まぁ、お金使いたいんだから
使っていればいいわけだけど、その金を新車の開発費にまわしたほうがいいんじゃ
ないのか、と思ってしまう。売れないからねぇ、今は車が。