Andyの日記

不定期更新が自慢の日記でございます。

オーダーメイド - ギター史を交えて4

2008-05-23 14:12:07 | 音楽・楽器
外観は、初期のテレキャスターとほぼ同じで、
目指している音としては:

o 全体的な音質としては、クリアで輪郭のはっきりした、
 前に出てくるガッツのある音
o ピッキング、フィンガリングのニュアンスを素直に表現できる
o コードを弾いたときに各音がぼやけてまぜこぜにならずに
 粒立ちの良い音になる
o 高音は明瞭であっても不必要なほど耳障りではなく、
 低音はフワフワ・モコモコしていない
o 細くペラペラした音ではなく、がっしりとした音
o 用途としてはコードワーク:ソロプレイ=6:4くらい
o メインの使用方法はクリーンからクランチまでなのでそれに合った音


最初はこんなあたりから。それから、希望のスペックをお伝えした。こちらで
決めないといけないことだけを決めて、後は作り手のかたと相談した。ボディーは
結局、ホワイトアッシュトップ&スワンプアッシュバックの構造とした。
ネックは貼りメイプルということになった。これは強度的に優位であるということ、
それと作り手のかたの希望だった。メイプルワンピースというのは、名前は
どことなく高級そうだが、木工に詳しい人ならわかると思うが、木材というのは
組み合わせたほうが強度は格段にあがる。しかも音質には悪影響はない。
少しくらいはもちろん違うが、しかし音質劣化とは次元の違う話だ。あと、量産
メーカーはメイプル指板ネックの裏側から穴をくり貫いてテンションロッドを
入れているが、あれは工具にかかる負担が大きいので個人工房などでは敬遠される
ことが多い。メイプルワンピースに宗教じみた思い入れなどまったくない私としては、
この構造で何の問題もないのでそれで決定した。

指板Rはコードプレイもソロプレイもしやすいようにということで、10インチ
(約250R)とした。ネックの厚みと形状は、しっかりと厚みのあるUシェイプ
ということになった。以前に試奏したホワイトアッシュのテレキャスがそのような
形状だったのだが、思いのほか具合がよかったのでそれにすることにした。
ポットはトーンコントローラーを使用しないので2ボリュームでお願いした。
CTSの評判が一般的にはいいようだが、しかしこちらからは何も指定しなかった。
もしかしたら、もっといい素材をご存知なのでは?と思ったからだ。ブリッジは
普通の3分割ではなく、6分割でエッジのないものにしてもらった。エッジがあると
ミュートが若干やりづらくなってしまうからだ。ピックアップは相談の結果、VooDoo で
いくことになった。それまで名前だけは聞いたことはあったが、それを使用している
プロの人の演奏を聴いたことがなかったので、どんな音なのか見当もつかなかったが、
そのピックアップについての説明を詳しく受けて、これをお願いすることに。この
オーダーは、当初の予定では、約3か月強くらいで完成するスケジュールであった。

ちなみに値段だが、見積もり段階で ¥248,500 となった。廉価版のギターに
比べれば確かに高いが、しかし Fender Custom Shop や Gibson Historic Collection
などの殿様商売に比べれば、半値くらいでしかない。逆に、大手のE○Pなどに
オーダーしたら、60万円くらいはふっかけられるだろう。しかも、音は Fender や
Gibson あたりにも勝てない程度の音になることは明らか(最近の○SPの音の
悪さは有名で、どうしてもES○でなければダメ!という信者でもない限りは
やめておいたほうが無難だろう)。そう考えれば、ただみたいなものだ、とまでは
言わないが(笑)、格安と言える。