Andyの日記

不定期更新が自慢の日記でございます。

憧れの目医者(誤変換)

2006-12-26 13:51:40 | モータースポーツ・車
この車が何の車なのか、相当車が好きな人でもなければわかりますまい。
フランスのシトロエンのフラッグシップモデル「C6」です。こう書いても
普通の人なら「?」でしょうね。今、日本人にとって外車といえばベンツか
BMWかワーゲンか、少し知っているひとならアウディとかルノーとかも
名前くらいなら聞いたことあるでしょうか。あとはフェラーリとかそういう
車でしょう。車に興味のない人にとって、この車なんて「変な形」程度の
印象しかないことでしょう。

しかし、これこそシトロエン。変な形こそ、シトロエンの、いや、フランス車の
レゾンデートルと言っても過言ではない。最近では、ルノーのメガーヌも
かなりすごいスタイルでモデルチェンジしました。

megane


見てください、この太ったオヤジが床屋で刈り上げにしてもらったけど、
太りすぎていたせいで失敗してえらいことになってしまった後頭部のような
スタイル。見ているだけで、血湧き肉踊るのは私だけではありますまい。
フランス車フェチの人であれば、見ているだけでニタニタしてきてしまうはず。
しかもこのドテ尻車を、ルノーは「セダンではない、クーペである!」と
言い切ってしまうあたり、我が道を行く気高いフランス人のスピリットを
びしびしと感じます(美的感覚がずれているとも言えるが)。

メガーヌくんはさておき、このC6ですが、何がいいと言ってやはりそれは
その独特の乗り心地。それはシトロエンだけが採用する独特の足回りである
ハイドロニューマティックサスペンションのおかげです。何やら聞き慣れない
「ハイドロニューマティック」などという言葉が出てきて、困惑するかもしれ
ません。なんだか、ドロッとしてニュ~っていうサスペンションなのか?
という印象を持つかもしれませんが、それほどはずれていません。

難しいことを書いてもなんなので省きますが、これはまるで宇宙船に乗って
いるかのような独特の浮遊感を醸し出す素晴らしい装置なのです。
乗ったことあるのか、という厳しいツッコミ、OKです。実は私、
子供の頃に一度だけ体験したことがあります、このハイドロニューマティック。
CXというモデルだったのですが、ただの小学生の私がこの車の乗り味を
体験できたのは、実に恵まれていたとしか言いようがありません。
逆に言うと、あの体験のせいで私がフランス車に対していつまでも
飽きず懲りずに憧れを抱き続けているとも言えます。↓

cx

通に言わせると、今のハイドロニューマティックは昔のよりもハイドロっぽさが
ないということなのでどんなものかわかりませんが、ただあの乗り心地を一度
味わってしまうと、世間でいくらBMWがいいとかベンツがいいとか言っても、
「そんなこと言って、君たちシトロエン乗ったことあるのかね?」と聞きたく
なってしまいます。それくらい、やみつきになる乗り心地です。

とはいえ、そこはフランス車。そんなすごい装置が完璧に動き続けるはずもなく、
当然壊れます。そこがシトロエンのアキレス腱であるということは昔から有名で、
シトロエンファンはそこを理解したうえで購入しているのです。最近のはそれほど
壊れないそうで、20万km保証だかもついているらしいですが、でも壊れると
思っていたほうがいいでしょう。でも最近はベンツあたりもかなり信頼性に難あり
ですし、世界的に車の信頼性が落ちている昨今では、車のトラブルを恐れていては
どの車にも乗れないでしょう。

ドイツ車より知名度がなかろうが、日本車より精密でなかろうが、イタリア車より
官能的でなかろうが、そんなことは意に介さないフランスの至宝シトロエン。
いつかは乗りたい。しかもこの車、フラッグシップであるにもかかわらず、
700万円くらいしかしない。もし3億円当たったら、かなり欲しい車の一台です。


DI引退

2006-12-25 10:11:13 | スポーツ
ディープインパクトが勝ちっぱなしで引退する。私のようなオールドファンに
とって、今の競馬は味気ない。若駒のうちに稼げるだけ稼いで、あとは
故障する前にさっさと引退。もう昔見たような、若駒とベテランそれぞれの
名馬の一騎打ちというような名勝負を見ることはできないのだろうか。
昔と言っても私が競馬を始めたのはミホノブルボンのクラシックの年から
だから、大して昔ではないのだが。

私の世代での若駒対ベテランの名勝負というと・・・。

1. '92 - 春の天皇賞 ... 5 歳のトウカイテイオー VS 6 歳のメジロマックイーン
2. '93 - 春の天皇賞 ... 5 歳のライスシャワー VS 7 歳のメジロマックイーン
3. '92 - マイルチャンピオンシップ ... 5 歳のシンコウラブリイ VS 6 歳のダイタクヘリオス
4. '93 - 有馬記念 ... 4 歳のビワハヤヒデ VS 6 歳のトウカイテイオー

大きなところだとこれくらいしかないけど、他にも重賞レースでいくらでも
若駒対ベテランの勝負が見られた。昔は晩成型の馬というのがたくさんいて、
メジロマックイーンもまさにそうだったし、ステージチャンプやムッシュシェクル
のような馬が活躍していたのを覚えている。当時は晩成型の馬をわざわざ狙って
配合していたことすらあったと思う。

ただ、やはりそういう馬というのはなかなか勝ち星をあげられないので、飼育料が
ばかにならないことから、昨今のようにすぐに結果を求められる時代では敬遠
されてしまうのだろう。競馬というのは商売でやるものではなく、ファンに夢を
与えるためにやるもののはずなのだが、今の馬主というのはそうではないようだ。
すぐに勝ち星をあげられる馬でないとだめらしい。

ディープインパクトくらいになると、種牡馬入りすることが決まってからすぐに
シンジケートが組まれるもので、実際今回は51億円のシンジケートが組まれた
そうだ(1口あたり8500万円)。だから余勢種付けは大体2000万円くらい
いきそうな気がする。こういう現実があるから、どうしてもシビアな目で競走馬を
生産・管理する必要があるのは理解できるのだが、しかしファンとしてはそういう
生臭い話はあまり聞きたくないし、できれば純粋に強い馬が強いレースをたくさん
ファンの目の前で繰り広げて欲しい、そう願うのだが。。。

GPファイナル

2006-12-20 17:16:21 | スポーツ
GPファイナル、残念ながら男女とも金メダルは取れませんでした。人生万事
塞翁が馬、いいこと(NHK杯)の後には悪いことがある、ではないですが、
今回は男子・女子ともに残念な結果になってしまいました。今回は移動バスが
大渋滞に巻き込まれたために会場への到着が遅れるという、最初から何か
うまくいっていない大会でした。

高橋くん、原因はわかりませんが、ひどく体調が悪かったようで心配です。
病気で気持ち悪いのにクルクル回っていたら、そりゃフラつきもするでしょう。
私なんか二日酔いの状態で車を運転しただけで吐きそうになるというのに、
あんな空中回転なんかしたらその場でリバースです。きっと演技している最中
から、もう何でもいいから早く終ってほしい、と思っていたことでしょう。

高橋くんに影響されたわけでもないのでしょうが、他の選手も全体的にそれほど
よくありませんでした。村主選手も珍しく転んでいましたし、ミキティーは
はっきりと具合が悪いと言っていたし、織田君もいまいちキレがなかったように
見えました。真央ちゃんにいたっては、ころころと転びまくっていたのに
とても驚きました。伊藤みどりさんじゃないですが、「え!?」って感じです。

これまであんなに簡単そうにひょいひょい飛んでいた真央ちゃんだったのに、
何があったのか。本人は具合が悪かったわけではないと明言していたので
体調不良が原因ではないようで、それだけに余計に信じられません。よほどの
ストレスやプレッシャーでもあったのか、それとも解説であったようにリンクの
質が真央ちゃんに合わなかったのか。しかし、そんなのは練習のときに感覚を
つかむことができたはずなので、やはりメンタルな部分で何かあったのでしょう。
荒川さんは、真央ちゃんがリンク入りした時点で「危ない」と言っていたそう
ですから、見る人が見ればわかるのかと。

しかし真央ちゃんの場合、逆に言うとこれまでが順調すぎたと言えなくもない
かもしれません。プレッシャーなんか何もない状況でのびのびと滑るだけで
よかったこれまでとは違うということを、本人も少しずつ自覚してきているはず。
言ってみれば、今まではすべてエキシビジョン気分で滑ってたようなものです。
しかも体が成長していることもあって、いろいろな面でこれまでとは違う何かを
感じていることは間違いありません。

真央ちゃんはさておき、いったいこの体調不良は何なのか?放射能・毒殺マニアの
国だけに、いろいろと考えてしまいます。日本勢だけならまだしも、アメリカの
ウィアーくんまで具合を悪くしているので、何か変な伝染病が現地で蔓延して
いたのではないかと。みんな、無事に帰国したのだろうか?検疫でひっかかったり
していなければいいんだが。

ちょっと変わった比較

2006-12-18 17:56:54 | よしなしごと
え~~~・・・、あまり値下げされないガソリン価格や、実感なき景気回復のため、
我が家では「今の車を最後の車として、今の車が壊れたら車無し生活に入ります」
と奥様から宣言されてしまっています。まぁ確かに、車ってどうしても必要なもの
ではないので、公共の交通機関を使えば生活できないことはないです。バス、電車、
タクシーを使えばいいし、体力があるうちは自転車や徒歩で移動することも可能です。

さてその一方で、日本では数年前からプリウスのような燃費のいい普通乗用車や燃費の
よさに磨きをかけた軽自動車が多く登場するようになってきました。そのおかげで、
車は必ずしも財布に厳しい所有物ではないかのような印象もでてきました。ということで、
非常にくだらないのですが、ちょっとした計算をしてみました。題して、
『プリウスVS軽自動車VS公共の交通機関: 一番経済的なのはどれだ対決!』

今回の計算にあたり、次のような人物を設定してみました。
ドライバー・・・・・・・・・・・・・・ 男性
車の用途・・・・・・・・・・・・・・・ 主に買い物や遊び
現在の車・・・・・・・・・・・・・・・ 10.15 モード
ガソリン1リットルあたり10kmの燃費、
ガソリンタンク容量は50リットル
毎月のガソリン補給回数・・・ 1回

この人の場合、毎月ほぼ500kmの距離を運転していることになる。
で、年間600リットルのガソリンを使い、年間6000kmの
距離を運転することになる。この人が、燃費のいい車に買い換えることにします。
候補となる車は、ダイハツのエッセとトヨタのプリウス

エッセの「ECO」という車種は、現在新車で購入できる軽自動車としては最も
燃費のいい車の1つで、ガソリン1リットルあたり 10.15 モードで26kmの
距離を運転できます。実は以前、同じダイハツからミラという車で1リットルあたり
10.15 モードで30kmの距離を運転できる車種もあったのですが、今は
ラインナップされていないのでそれは考えないとします。そしてこの車の
ガソリンタンク容量は36リットルあります。

対するあのプリウスくん。「S」という車種ではガソリン1リットルあたり、なんと
10.15 モードで35.5kmの距離を運転できます。エッセくんは約10キロも
負けているうえに、プリウスのガソリンタンク容量は45リットルもあります。
すでに勝負あったか、と感じられますが、しかしそうはならないのが面白いところ、
実際にこれらの車を所有するとなるとどれくらいの差が出るのかを、これから
もう少し詳しくシミュレートしてみます。

さてこの人がエッセを買い、同じドライブ生活を送るとすると、エッセはガソリン
1リットルあたり 10.15 モードで26kmの燃費であり、ガソリンタンク容量が
36リットルなので、1回満タンにすると936km走れる計算になります。
ということは、年間の運転距離が増えなければ、1年あたり約6.4回の給油で済む
計算になります。

プリウスだと、ガソリン1リットルあたりの 10.15 モードが35.5kmの燃費で
ガソリンタンク容量が45リットルなので、1回満タンにすると1597.5km
走れる計算になります。年間の運転距離が増えなければ、1年あたり約3.8回の
給油で済む計算になります。

どちらもガソリン代を1リットルあたり100円として計算すると、エッセが年間
¥23400、プリウスが¥17100です。ガソリン代だけなら、プリウスの
圧勝ということになってしまうのですが、しかしこの2台を購入して10年間
乗り続けるという計算をすると、果たしてどういう結果になるのか。

エッセを10年間乗り続けた場合、

(メーカーのオンライン見積もりに基づく)
車両お支払い総額: 739,540
(内訳は車両本体価格: 682,500
諸経費合計 57,040   
取得税: 8,500   
重量税: 13,200   
自賠責保険: 35,340)

駐車場代(月1万円とする): 10,000 x 12 x 10 = 1,200,000
車検整備費用(スズキのサイトより概算)74,780 x 4 = 299,120
自動車税: 7200 x 10 = 72,000
任意保険(概算): 5000 x 12 x 10 = 600,000
ガソリン代: リッター 100 円として計算すると
3600 x 6.5 x 10 = 234,000

総額: 3,144,660-

プリウスを10年間乗り続けた場合、

(メーカーのオンライン見積もりに基づく)

車両お支払い総額: 2,572,595
(内訳は車両本体価格 2,268,000
付属品価格 59,220
メーカーオプション価格
販売店オプション価格
現金販売価格 2,327,220
諸費用 税金* 245,375)

駐車場代(月1万円とする): 10,000 x 12 x 10 = 1,200,000
車検整備費用(スズキのサイトより概算)121,580 x 4 = 486,320
自動車税: 37.500 x 10 = 375,000
車両保険(概算): 7000 x 12 x 10 = 840,000
ガソリン代: リッター 100 円として計算すると
4500 x 3.8 x 10 = 171,000

総額: 5,644,915-

とうことで、購入するとなるとこういう結果になりました。エッセくんの
圧勝です。それにしてもここまで大きな差になるとは、やってみて初めて
わかりました。やはり、軽自動車って維持費がかからないんですね。もともと
エッセくんの値段が安いというのもありますが、数字としてこれだけの差に
なるというのは驚きです。

いくらプリウスのガソリン代がかからないといっても、10年乗ったくらいでは
とても元は取れないということのようです。それに実際には、オイル交換だの
バッテリー交換だのタイヤ交換だのと他にもお金はかかるはずで、そこらへんの
細かい数字はさすがに計算しきれないので今回は含めていませんけど、それらを
足すとさらにエッセくんが有利になりそうです。(実は新しいカローラとも
比較してみたのですが、同じ排気量のカローラ (1500) を購入するのであれば、
結果として70万円以上カローラのほうが得のようです)

ところでぜんぜん放置プレイになっていたタクシーですが、これってどうかと。
この人がもう運転するのマンドクセ ('A`) 状態になってしまい、これからは
どこ行くにもすべてタクシーだ!と、どこかの都知事のように無駄遣いしまくりの
生活を送ると決心してしまった場合、この人の家計はどうなってしまうのか。
冷静に計算してみます。タクシー料金の計算方法は、

距離制運賃
初乗運賃
2kmまで 640円

加算運賃
290m増す毎に 80円
(東京都内タクシー運賃概要より)

とします。1か月 500 キロだけど一気に 500 キロ乗るのは現実的ではないので、
500 キロを 30 日で割るとします。すると一日平均約 17 km。

17km のうち 2km は 640。
15km の料金は 15000÷290=51.72 なので 52とします。
52 x 80 = 4160。これに 640 を足して1回の利用料金は 4,800。
これを 10 年分だから、4800 x 30(日) x 12(月) x 10 (年) で、
総額: 17,280,000-

どひゃひゃ、やはりすべてタクシーというのは非現実的ですな。それじゃ、
電車を利用したらどうか。車で約17キロの距離を小田急線で往復で移動すると
仮定すると、6か月定期で37480円かかります。ということは10年
利用するとなると 37480 x 20 = 749,600-、2人ならその倍で
総額: 1,499,200- となってしまいますが、エッセくんには勝ってます。
しかも電車なら自分で運転しなくていい。このあたりは微妙です。

いざ、というときにすぐに移動できるという便利さ、大地震で家屋が倒壊した
ときなどに家がわりに使える便利さ、重たい荷物を自分で持ち運ぶ必要が
ないということの楽さ、さらにバスや電車がないところにも自由に移動できる
点などを考えると、エッセくんにもやや分があるかもしれません。う~ん、
しかし奥様は「車必要なし!」の姿勢を崩さないだろうなぁ・・・。

無駄遣い

2006-12-13 15:35:29 | よしなしごと
人間の血液というのは、全身を循環しています。全身を循環することで、
血液に含まれる栄養分や酸素を全身の各細胞に送り、体を健康な状態に
保つ役割を果たしています。もしある所に、血液が循環するということを
初めて知った男がいて、「もし血液が循環しなくなかったらどうしよう」
と怖くなり、手、足、首、などをグイグイ縛り付けて、「これで安心、
循環しなくなっても血液はずっとここにある」と無茶なことをしたら
どうなるか、言うまでもなくこの男はおだぶつになります。

何が言いたいかというと、血液もお金も同じで、ぐるぐると上手に世の中を
循環して初めて、その役割を正しく果たすことができるということです。
昨日書いた白例外やコスト削減を止めるには、世界中の人が勇気をもって
無駄遣いをすることです。お金をどんどん世の中に出せば、景気はよくなる
はずなんですから。

今の世の中は、上の男と同じです。「もし、うちの会社にお金が入って
こなくなったらどうしよう」「もし、会社が潰れて給料が入ってこなく
なったらどうしよう」と心配するあまり、お金を出さないようにしているの
だと思います。いや、売り上げが悪い会社が無理に無駄遣いすればもちろん
会社は潰れてしまいますし、現実にぎりぎりのお給料で生活している人が
無駄遣いすれば取り返しの付かないことになりますので、そのような状況に
あてはまらない場合だけを考えることにします。

まだそれほど切羽詰っているわけでもないのに、「もしも」のことを考え
すぎて、必要だった出費まで削っている会社や人はいないか。それがために
経営が苦しくなる会社がどれだけ増えるか。ちょっと話しが複雑系みたいに
なりますが(風が吹けば桶屋が儲かる理論とも言う)、少し実例を考えて
みることにします。

たとえばある奥さんが、新しく販売された冷凍食品を「あら、おいしそう」
と買うとします。実際その冷凍食品はおいしかったので、その奥さんが
「あれおいしいわよ」と噂を流す。するとそれを聞いたほかの奥さんも買う。
そうするとその販売店がその分だけ潤う。販売店はメーカーに追加発注する。
当然、メーカーも潤う。メーカーはその冷凍食品の製造に必要な各種材料を
発注する。発注すると各種材料メーカーもすべて潤う。というふうに、
雪だるま式に全体が潤う。でも奥さんが「やっぱりいらないわ」と買わなければ、
全体が停滞してしまう。やや短絡的だが、そういうことです。

これは会社経営にもそのままあてはまることで、「今ちょっと苦しいから」と
近視眼的な良識で出費を抑えると、その分だけ他の会社も苦しくなる。でも
すべての会社が「苦しいのはどこも同じだよな」とすすんで無駄遣いすれば、
それだけすべての会社が潤うことになるはずです。会社が潤うということは
給料も増えるということで、そうなれば家計にも余裕ができる。

経済版ペイフォワードみたいになってきましたが、これをなんとか政策として
実現できないか。もし成功すれば、安倍くん、君は一気に支持率を上げる
ことができるぞ。いいんじゃないか、「ペイフォワード政策」。日本人の
好きな横文字だし。美しき国に少しだけ近づくことができるかもしれない。
このブログ読んでたら、ちびっと考えてみてね。

白例外

2006-12-12 13:47:33 | よしなしごと
日本経団連の御手洗冨士夫会長と柳沢厚生労働相らが11日、東京都内のホテルで
懇談し、労働法制見直しなどについて意見交換した。経団連側は、一定条件の
会社員を労働時間規制から外し残業代を払う必要がなくなる「ホワイトカラー・
エグゼンプション」導入のほか、派遣労働者の期間制限や雇用申し込み義務の
廃止などを要請した。

懇談は経団連側の申し入れで初めて行ったもので、厚労省と経団連の幹部約40人が
出席。ホワイトカラー・エグゼンプションについて厚労相は「時間より成果で決める
考え方は分かる」と導入に前向きの姿勢を示す一方、「問題は適用範囲」として
年収要件が必要との同省の認識を示した。

派遣労働の規制緩和について厚労相は「日本の雇用慣行との調和をいかに図るかの
視点が不可欠。やむを得ず派遣社員になる人がさらに多くなり、固定化する恐れがある」
と述べ、これ以上進めることは否定した。



何でも横文字にすればかっこいい、という考えがあるのか知らないが、何なんだ、
このホワイトカラー・エグゼンプションというのは。はっきりと「賃金不払い制度」
と書けばよかろう。カタカナで書くと何やら素敵な制度のように聞こえるが、これは
新しい形の奴隷制度以外のなにものでもない。「毎週休日出勤しないとクビだぞ」
「夜12時前の帰宅は許可しない、もちろん残業代など払わん」という命令だって
OKになるわけで、過労が原因のうつ病や自殺がますます増えるだろう。いったい、
この国は何がやりたいのだ?

詳しいことは Wikipedia の「ホワイトカラーエグゼンプション」の項に書いてあるので
ここでは書かないが、この制度が施行されると過労死は労災扱いにならなくなる。
そのため企業としては過労死した社員の家族に対して多額の賠償金を払う必要も
なくなるわけで、社員を死ぬまで働かせることが「合法化」されることになるのだ。
これだけではない、この制度を悪用して、あの手この手で弱いものいじめをする
企業が山のように出てくるのは間違いない。他にも、この制度を導入することで
発生すると考えられる様々な懸念事項が山のようにある。

昨日も似たようなことを書いたが、所得格差は間違いなく国際競争力を弱める。
経団連は日本の国際競争力を高めることが狙いのつもりで、こんなアホなことを
考え付いたのか知らないが、現実をよく見ろ。単に苦しむ人を増やすだけだ。
誰かが潰れたらそのしわ寄せがそのまま別の人にいき、その別の人が潰れたら
その別の人の分と最初に潰れた人の分がさらに別の人にまわされるだけだ。

こんな苦しすぎる状況の中で、生産意欲を高めようだの生産効率を高める方法を
考え出そうだのと考える人間がどこにいる?よく言われることだが、「仕事とは、
できる人のところの集中する」のだ。あいつは仕事ができる、ということがわかれば
その人に仕事が集中するだろ。そしてその人が過労死に追い込まれる。せっかくの
優秀な社員をわざわざドブに捨てるようなものだ。

頼むから、もう少しましなことを考えてくれ。こんな世の中になってしまったら、
もう誰も未来に夢なんて持てないし、将来設計だってできない。いつ誰が被害者に
なるやらわからないのだ。しかも、これを推し進めていけば、一部の社員以外は
すべてこの制度の対象になりかねない。またすべての社員の所得をこの制度が適用
される条件を満たすように設定してしまえば、理論上は全社員を「奴隷」にする
こともできるのだ。そうなれば、全社員の2分の1近くをリストラして、残った
社員にその仕事をすべて押し付けることもできる。社員が過労死しようと、
経営者は「知ったことか」と言い切ることもできる。

この狂った制度で、一時雇用者もかなり増えることになるだろう。一時雇用者が
増えれば増えるほど国内需要が冷えきってしまうのは明らかなので、どうしても
この制度を導入するのであれば、一時雇用者の最低賃金は、正社員の最低賃金と
完全に同等に設定することを義務付けなければなるまい。そうでもしなければ、
あんたの会社は生き残っても、日本全体が死んでしまうからだ。

また、過労死者を減らすようにするためにも、過労死を1件でも発生させた
企業には、国が業務停止命令を出すことも義務づけなければならない。というと、
企業は必死になって隠蔽工作やら言い逃れをするだろうから、民間の審査団体やら
人権団体などが、もっと力をつけなければならなくなるだろう。

と、ここまで書いてきて、無力感に襲われてきた・・・・・。たとえばトヨタや
松下電器で過労死が発生したら、業務停止命令なんて出せるのか。国の基幹産業で
すらあるような企業の業務を停止させる命令を、国が出すことなんてできるのか。
できるはずない。そんなことしたら日本の稼ぎが減ってしまう。それに、その
下請け会社も全部仕事がなくなってしまう。業務停止命令でなくとも、何か効果的な
罰則を設けるしかないが、何ならいい?

経営陣を逮捕する?そんなことできやしない。大量の罰金を支払わせる?そんな
ことしたら、その支払った罰金を埋め合わせるべくますますコストダウンが進む
ことになるだろう。もう、どうしようもないのか。溜息しかでない。

自由主義経済

2006-12-11 15:52:59 | よしなしごと
昨日、NHK のワーキングプア II を見た。前回もそうだったが、現在の日本の
現状をありのままに示してくれる、良質のドキュメント番組だった。働いて
いるにもかかわらず、収入(給料)だけでは生活できない人、働く意思も能力も
あるのに仕事が見つからない人、この日本の、いや自由主義経済のすべての国の
暗部を白日の下に曝け出した衝撃的なレポートだ。

このままでは、間違いなく世界経済は完全に破綻してしまう。それどころか、
成功者というものもいなくなってしまうだろう。今現在「勝ち組」である人たち
ですら、あと数年、あるいは数十年後には、次の「負け組み」になることは確実
だからだ。ちょうど砂時計のように、じわじわと地球上のすべての人類が滅びるのを
待っているかのような錯覚に陥った。今までに何度かコスト削減の悪影響について
このブログにも書いてきたが、もはや一刻の猶予もないはずだ。

例えば中国と日本の自動車メーカーが価格(安売り)競争をしたとする。今の
ところ、日本のメーカーが販売数で直接負けることはないだろうが、近い将来
には、中国は間違いなく日本車レベルの品質・性能の車を作り出す。そうなった
場合、中国車の値段は、下手をすると日本車の5分の1くらいまで低くなる
かもしれない。

セルシオのような高級車が、カローラ程度の値段で購入できるようになったら、
さらにカローラのような車がバイクくらいの値段で購入できるようになったら、
そうなったら日本の自動車メーカーは、もうまったく太刀打ちできない。仮に、
コスト削減や値下げをさらに進めて中国車に対抗しようとしても、無意味だ。
さらなるコスト削減をすれば、当然品質は悪化する(今でも十分に悪いが)。
また無理に値段を下げれば利益が減る。利益が減れば、新車開発にかけられる
予算も減り、魅力的な製品(新車)が出せなくなって、さらに売り上げが落ちる
という悪循環に陥るだけだ。

このままでは、このような悪循環が企業間や国家間で際限なく繰り返されて
いくのを止めることができない。異種企業間ですら、ドブアライ事件のように
敵対的買収が繰り返されていくだろうし、それによって様々な企業や国が競争力を
失っていく。『今現在「勝ち組」である人たちですら、あと数年、あるいは
数十年後には、次の「負け組み」になる』というのは、そういう意味だ。

そして最終的には、どこかの国のどこかの企業が圧倒的な力を得て、それこそ
世界中のすべての企業を参加に治めるようになるだろう。しかし、その頃には
ほぼ世界中の人間が貧困層になるはずで、そうなったらもう企業だの利益だの
という今のような経済活動や社会構造はなくなっている。というか、存在できる
はずがない。誰もお金を持っていないんだから。

どうすればいいのか、この自由主義経済。少なくとも、今の人類は絶滅への
急な下り坂を滑り始めたのだけは間違いない(斜度30度くらいか)。
コスト削減を止める方法はないのか。輸入していいのは高いものだけとかいう
理不尽きわまりない規則でも作らない限り、もうどうしようもない。
中国が力をつけて経済的に豊かになれば、中国でも物価が上がり、それに
したがって中国製品の値段もあがるから、最終的にはとんとんになる、という
考え方もあるようだが、本当にそうなるだろうか。すでに中国は、復興という
名目でアフリカの経済的支援を始めている。でも本音は、中国よりもさらに安い
労働力の確保だろう。今のうちに事実上の「手下」にしてしまい、いつかは
奴隷として働かせよう、と考えているのは間違いない。

少なくとも、国内の需要を少しでもよくするためには、儲けすぎている企業から
多額の税金を取るしかない。「儲けすぎ」の基準はいろいろと考えられると思うが、
とりあえずその基準を超える企業からは大量に税金を取る。その代わり、その
企業の社員は、たとえば医療費・教育費(公立の場合)がゼロになるとか、
社会保障の点で著しく優遇されるようになる、などの特典を設ける。これだけでも
随分と違うはずだ。安倍くん、今の日本は残念ながら美しい国ではないようだ。
ちょっと、早急に審議したほうがいいぞ、この問題。

2006 NHK杯

2006-12-04 18:37:29 | スポーツ
いや~、すごかった!NHK杯の高橋くんと織田くん、どちらも優劣つけがたい
素晴らしい内容でした。正直、全体的な印象では織田くんのほうが良かったと
思うのですが、しかし高橋くんの4回転は、やはり採点上は大きかったのでしょう。
あのおかげで僅差で優勝を手中にしました。ステップは、今回の出来は織田くんに
軍配があがりますね。高橋君は中盤から明らかに疲れてました。

とはいえ、織田君も高橋くんも、実力に大きな差はないはずです。どちらも
非常に進歩しているので、次は織田くんも4回転を決めるようになるのでは
ないでしょうか。二人はこれからも、いいライバルとして刺激しあって成長
していってほしいものです。それにしても、日本にもこんなに素晴らしい選手が
でてくるようになるなんて、感慨深いものがあります。特に高橋くんのあの
表現力。個人的には、ジョニー・ウィアーくんに勝るとも劣らずではないかと
思いますが。

小塚くんもよかったです、今回は大きな失敗もなく、無難に基本に忠実な演技を
披露していました。まだ表現力がどうこうというレベルではないですが、彼の
素質のよさは、今回の演技で感じられました。どの技にもまだ余裕というか、
体の限界ぎりぎりまでいっちゃってるという印象がなく、先が楽しみです。
これからいろんな技術を身に付けていけば、高橋くん、織田くんと合わせて
「男子3羽ガラス」になることも可能ではないかと。

いっぽうの女子、正直言って真央ちゃんの出来は今一歩でした。カナダ大会の
ときのほうが、動きにキレがあったように思います。緊張していたのか、はたまた
まだ時差ボケが直っていなかったのか、動きがどこか緩慢で、これまでに見た
真央ちゃんのきびきびした動きとはかなり異なるものでした。たぶん、今までに
ないストレスやプレッシャーを感じて、かなり固くなったのでしょう。エキシビジョン
のときも、疲れていたのかどこか表情が冴えませんでした。とはいえ、これからは
ずっとこういうプレッシャーと戦っていかなければならないので、今回はいい
経験になったと思います。

村主選手も進歩していましたね、もう今から真央ちゃんのような片手ビールマン
スピンなんて離れ業はできませんけど、村主選手のできる最高レベルの演技をして
いたように思います。特に、あの表現力はまだまだ真央ちゃんには真似できない
レベル。「伊達に長年滑ってないわよ」オーラがメラメラと立ち上っていました。
上の写真のように「寄らば刺すぞ」と言わんばかりの大迫力。とはいえ、今の
フィギュアの採点方式では、村主選手が真央ちゃんを上回ることはあまり考えられず、
今後の進退に影響がないのか気になります。

さて前回のNHK杯の優勝者であるディフェンディングチャンピオンの中野選手、
真央ちゃんのお気楽極楽ノリと村主選手の「寄らば刺すぞ」に翻弄されて
しまったのか、本来の実力をあまり発揮できずに終ってしまいました。できれば
女子も、男子3羽ガラスのように、全員ノーミスで表彰台にあがって欲しかったの
ですが、中野選手は残念ながらミスの目立つ演技となってしまいました。今頃は、
キレまくってあちこちあたりちらしているでしょうか、どうぞお手柔らかに。

それにしても、今回の点数、どれも高すぎないですか?よほど、大会関係者が
審査員に「接待」したのか知りませんが、あそこまで高い点数つけるほどの出来
だったでしょうか(特に真央ちゃん)。日本人選手6人、しばらくの間は
パーソナルベストを更新できないと思います。あの6人が抜きん出ていたのは
事実ですが、ちょ~っと・・・・・・。