弛まぬ空

酷く個人的かつ内面的な日記

伝わらない

2016-10-23 22:43:07 | 思考
いくら他人にmECTの体験を恐怖に感じ、それがトラウマ的な経験になっていることを伝えようとしても伝わらない。カウンセラーにさえ。
毎晩、眠るのが怖いのだ。あれほど死を近くに感じていたのに、今では死ぬことが想像できないのだ。

最初の全身麻酔の手術は15の時だった。斜視の手術だ。
今ではあまり覚えていないが、術前投与の薬が効いてきたと思ったらいきなり手術室から出るところで、ものすごく片目が痛かった。
あの時は、全身麻酔の注入より前に薬が効いていたのでそんなに恐怖に感じなかったのだと思う。

だが、今春の手術は・・・
病室で点滴を受け、その一時間後くらいに手術室に入ったことも覚えているし、前の患者さんの名前が呼ばれることも覚えている。
手術室でかかってた陽気な洋楽も、麻酔薬が左手の甲のしみていく感じも覚えている。
そして、その時のことを思い出すと、胸がきしむ。縮む。

唯一、覚えていないのが、初回の施術時に麻酔の後に自分がせん妄状態で暴れようとし、ストレッチャーから落ちそうになったことだ。
(手術の後に、看護師さんに聞いた。2回目以降、安定剤も点滴されていたようだ。)
一瞬で意識が奪われ、気づいたら時空間が移動していて自分の病室で酸素のマスクで必死に吸っている。その恐怖。

希死念慮があって死んだ方が楽だと思っていたのに、怖さを感じながらも10回も手術前に死ぬことを覚悟したのに、何で今は意識が落ちるのがこんなに怖いのだろうか。眠りが手術を、死を連想させるからではないのか。
・・・というか、病室での点滴の成分は何だったのだろう。もしや、安定剤ではなかったか。
それなら、手術の恐怖に打ち克ったというよりは、ただ安定剤が効いていただけだ。

ならば、元からの気分障害や不安障害の他に毎晩毎晩恐怖を感じ、安定剤で誤魔化していかなければなくなる。
・・あと、何年そんな夜と闘わなければならないのだろう・・・


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