OPLAR 5cm F1.9
OPLAR 2.8cm F4.5
OPLAR 2.8cm F4.5
OPLAR 13.5cm F4.5
OPLAR 2.8cm F4.5
OPLAR 2.8cm F4.5
OPLAR 5cm F1.9
OPLAR 2.8cm F4.5
OPLAR 2.8cm F4.5
OPLAR 5cm F1.9
OPLAR 2.8cm F4.5
OPLAR 2.8cm F4.5
OPLAR 2.8cm F4.5
OPLAR 2.8cm F4.5
OPLAR 5cm F1.9
Focaというフランス生まれのクラシックカメラをしばらく預かった。
一応自分のなかではあまりのめり込むと、返すのが嫌になっちゃう(笑)から、3週間と決めてまあ撮れるのは休日だけなので3日とした。
フィルムは24枚撮り20個入りをキタムラで買った期限切れのKODAK200だ。
1個190円くらいの安物のフィルムだということを考慮にいれても、このレンズ群はなかなかの色乗りを見せる。
いまから50年以上も昔のレンズ交換式ライカ型のカメラだ。
当時のフランスでも光学機器メーカーで有名だったオプラー社は、侵攻してきたドイツ軍に占領されて、やむなくドイツの軍事用光学機器を作らせていた。
しかし世界でも誇り高いフランス人はドイツ軍の目を盗み秘密裏に、フランス独自のライカ型カメラを設計していたという。
ドイツが連合軍に敗れた次の年にオペル社はFocaシリーズを発表する。
おそらくオペル社の技術陣はドイツの言うことを聞くふりをしながらもドイツ技術を盗んで、自分たちのオリジナルにその技術を加えて、
このカメラを完成させたのだろう。
日本やロシアにもライカ型カメラは数多くあるが、Focaというカメラは単にライカコピー機という、くくりでは当てはまらない魅力を持っている。
どうやらその答えはオペル社の創立者である、Armand de Gramont (1879-1962)が貴族ということからきているのかもしれない。
それもそんじょそこいらの貴族ではなく、逆上ればルイ14世にまで縁者がつながるというから本物だ。
このGramont公爵というのはネットでググれば肖像画が出るが、いま見ても超美男子でそれもバイセクシャルというから、
当時の社交界ではモテモテだったんだろうと察しがつく。
そんな血筋に加えてスポンサーがユダヤの大富豪なものだから、そんなオーナーの会社で作るカメラが安っぽいわけがない。
Focaという極めて高価なカメラを当時の紳士淑女の貴族たちが、どういう風に使ったんだろうかとても興味が湧く。
そんな生い立ちのカメラだから、ライカとはまた違う美しいフォルムとAngenieuxに代表されるフランス絵画的な独特な描写をする。
交換レンズ群は2.8cmf4.5・5cmF2.8orF1.9・90mm・135mmF4.5とあるが、どれも単コーティングのシンプルなレンズ構成だ。
シャッターは布幕のライカMと同じで現在のフィルムカメラのシャッター音とは、異質のごく柔らかな心地よい音だ。
でもライカM3などとはまったく違う主張のある音で、ジッジャッ!と表せばいいのか気品があるのにどこか気の強い、フランス貴婦人の感じ(笑)
なかでも今回多く出番のあった2.8cmf4.5なんて寄れない!暗い!とデジで育った人なら信じ難いレンズだ。
しかしこの2.8cmがなかなか良くって、後群レンズが飛び出ているのでトポゴン型だろうか?暗さを逆手にとって、開放で3Mに合わせておけばパンフォーカスで、
ピントなんて合わせなくても、すべてピントが合うから究極のオートフォーカスだ。
フォーカシングレバーには無限でストッパーが付いている。
フィルターは42mm径ですべてネジは切られいないので、ケンコーの別注カブセ式フィルターを使わなければならない。
前面硝子はまっ平らのがラス板?風で暗いせいもあって極めてコンパクトだ。
ただこのレンズもすべてのレンズに言えるが、半逆光ぎみからすごいフレアーが出る。
薄いブルーの単コートなので仕方ないものと割りきって、意図を持って撮るか、反射された光をうまく取り入れるしかないようだ。
真鍮削り出しの工作精度は極めて優れているようで、ライツのズマロン35mmf3.5を思い出した。
フォーカシングも50年経つとは思えないほど、ねっとりとしていてなかなか通好みだった。
今回は13.5cmを使う機会があまりなかったが、これもすっきりとした描写をするレンズだったが、とにかく暗いので春に桜でも撮ってみたかった。