ILFORD PAN-F plus(ISO50)Self development XTOL 1:1 20℃ 8min
今週のはじめ飼っていたミユというフェレットが死んだ。
今年で8才になるが土曜日までは元気だった(寿命は6年くらいらしい)。
元々は僕のペットではなく次女が東京で暮らすときに押し付けていった。
置き場所は匂いがするので玄関脇にゲージを置いて、夏はすだれで日除けを工夫して、今の季節は冬用の暖かいハンモックの下にペット用ヒーターを置いて、
夜間は厚手のウレタンマットを重ねてゲージをすっぽり囲んでいた。
我が家の生き物はみな長生きで柴犬は18年、ドワーフラビットは10年生きたけど2年のあいだ続けて死んで、ミユちゃんが最期のペットだった。
平日は兄夫婦が看ている母だが、第一日曜は朝から姉が来てくれるので毎日曜に僕が看ている母の介護を任せられ、ひと月に1度の自由な日曜だ。
先週は3月下旬の陽気でとっても暖かくて前回フィルムがボツになった河口に近い工業地帯を歩いた。
このブログでも何度か書いているが、自分はタイトルやテーマが決まらないと写真が撮れなくて、この日は『海抜zeroの町』とタイトルだけ決めて駅に降りた。
先々週はkievを持って夕暮れに歩いたときは寒くて手が痛いほどだったから、カイロを身体いっぱい貼ったものだから、暑くて一日汗だくだった。
夜になって昼の暑さの記憶があったからマットで囲うのを思案したが、基本フェレットは低温より暑さに弱いので、ペットヒーターを入れて囲ってしまうと、
暑くて死んじゃうかもと、この夜だけは今年になって初めて風よけだけをして家に入った。
月曜の朝、いつも玄関のドアを開けると足音でハンモックからちょこんと顔を出して挨拶するのだけど、もぐったままだった。
それでも眠いのかな?くらいで気にせず、夕方に仕事を終えてちらっとゲージを見たが、また眠っているのか?とそのまま家に入った。
夜中になって気温が下がり始めたので、今夜は囲いをしてあげようとゲージに近づいてはじめて、ミユの様子がおかしいのに気づいた。
ウサギなどの寒さによる傾首のような症状ですでに衰弱していた。
自宅に入れて居間の温度を最高にして、温かいミルクやふやかせたフードを無理に食べさせた。
いままで甘噛みはしてもぜったい噛んだことの無い人懐っこくて甘えん坊のミユが、フードを食べさせようと無理に口をこじ開けたとき鋭い牙で僕の指を思いっきり噛んだ。
衰弱して目はつぶったままなのに、牙は中指の奥まで入って、離さなかった。
やっと力を抜いたとき指を抜き消毒してから、また体温を上げるため両手で身体をさすりつづけた。
でも、それから数時間後にミユは死んでしまった。
あいつが最期に力を振り絞って僕の指を噛みちぎるほど、噛んだ力はなんだったんだろう…僕への最期の別れのメッセージだったのか、一日放っておかれた哀しみだったのか。
指の痛みはもう無くなったけど、なにかに触れて微かな痛みを指先に感じるたび、あのいたずらっ子を思い出す。