あなたを見つめて。。 monochrome life

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50年の時空を超えて…     

2011年01月18日 12時43分55秒 | Weblog
















50年の時空を超えて…いまCONTAXコピー機とLeicaコピー機が出会った。

大阪の食べ放題しゃぶしゃぶ屋で(笑)思わせぶりなタイトルで失礼。

FOCAユニバーサルは当時ドイツの占領下であったフランスで秘密裏に設計されたというレンジファインダー機。

屈辱的な支配下に置かれたドイツカメラのコピーはしたくない、というフランス人の意地と誇りが結集された技術を、フランス人の美的センスによって、
アルミ合金で覆われた美しいカメラだ。

このフォカの美しさを形成しているものは何なのかと見ているとエプロン部分が他のカメラには無い2層になっていることだ。

この凹凸にライカやコンタックスより細かめのサンドブラストが、かかった明るい鍍金が洗練された陰影をつけて優雅でありながら、どこか銃器のような
戦闘的な強さも秘めたカメラに仕上がっているように思える。

フランス人はプライドが高いので文献によるとマウントから内部部品に到るまでわざと彼の国のカメラを意識して互換しないよう造られているという。

いやカメラというより孤高の写真機と呼んだほうがぴったりくるだろう。

ことに135mmなどは装飾的すぎるともいえるアルミ削り出しのきらめく鏡胴を、深く沈んだ湖底のようなモノコートのレンズがそれを抑えて調和を保っている。

もうひとつのカメラはkiev4という僕が最近手に入れた東欧のレンジファインダー機だ。

このカメラも元をただせばドイツのドレスデン工場の優秀な設計技術者や設計図、工作機械、材料を第二次世界大戦終戦直後にソ連軍が侵攻して接収されウクライナで作り続けられた悲しい運命を背負ったカメラだ。

当時のドイツ技術者の想いはいかなるものだったか想像しても心が痛む。

生まれは同じでも資本圏で育ったCONTAXは中古でも、とても高価だが共産圏で育ったkievはわずか数千円という安値で取引される。

このkiev4もウクライナからの空輸代を差し引けば整備済み6500円という悲しいほどの値段だ。

フォカはBさんが手に入れたが、どうやら戦後フランスから外貨獲得のためにアメリカ向けにセットで販売されたものらしい。

(アメリカの広告でこのセットと同じものを何度か見かけたのとフランスは元々が日本と同じメートル表記だがこのカメラはアメリカ向けのフィート表記のみ)

前の持ち主が接写アダプターの説明書に几帳面な英文でピント深度表らしきもの(初め接写の露出倍数かとも思ったが接写リングではない、
アダプター方式なので露出には倍数がかからない)が書かれてあった。

どちらもコピー機と呼ばれてブランド好きの日本では、なかなか人気は望めないが付和雷同があまり好きでないAB型同士(笑)が持ち寄ったカメラが、

同じようにコピー機と呼ばれ50年が経った今、こうして並んでいることが感慨深かった。

以下はkiev4の一夜でのカラーとモノクロのテスト撮影です。

心配していた久しぶりのレンジファインダーのピント外しだが、それは取越し苦労でほとんどピントは外さずに、

F2開放、1/50秒で手持ちや夜間の目測ノーファインダーもそこそこ撮れていたのでたいへん気をよくしてしまった(笑)







































コメント (6)
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