本日、快晴。

映画中心雑記。後ろ向きなポジティブが売りです。

チャイルド44【映画】

2015年07月24日 | 【映画】


@TOHOシネマズみゆき座

「このミステリーがすごい」の海外版で1位、という
アバウトな情報と、あらすじに興味を持って観にいきました。

何年ぶりだろう、みゆき座。
終映後、劇場を出た道路で、宝塚の出待ち女性軍団に面くらい、
ああ、みゆき座(宝塚劇場隣接)だあ・・・。と実感しました。

・・・早速、関係ない話すんません。

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スターリン政権下にある1953年のソ連。
9歳から14歳までの子供たちが変死体となって発見される事件が発生する。
現場は山間の線路沿いに限定され、
全ての被害者は裸で胃が摘出されており、直接の死因は溺死であった。
秘密警察の捜査官レオ(トム・ハーディ)は、
親友の息子が犠牲となったことから捜査に乗り出すことに。
だが、それを契機に元同僚に追われ、
妻ライーサ(ノオミ・ラパス)にいわれのない犯罪の容疑が掛けられてしまう。
窮地に立たされる状況で、真相をつかもうとする彼だが……。
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トム・ハーディは、相方から聞かされてた
「ダークナイト・ライジング」のベインが印象的で、
正直あのイメージしか無かったんですが、
ググってみたら、スマートな超絶イケメンでビビリました。

・・・え?「マッドマックス」も出てるよね?


そんなこんなで主演のイメージが薄いので(失礼)、
どれがトムか分からないまま(おい)重苦しい物語が展開します。

スターリン政権下の旧ソ連の雰囲気は、映画の雰囲気そのままなんだと予想できます。
戦時中って、どの国もそれぞれに抑圧されていた印象ですが、
ソ連のイメージは、愛国主義!自国万歳!!という感じがまるで無くて、
抑圧されている民衆の、"苦しい"という感情すら寒さで凍っているような、
(稚拙で申し訳ないんですが)そんな、冷たい印象が、映画全編に渡って見て取れました。
空気感の作り方は良かったです。

ただねー。
ミステリー作品としては余り面白くないです。
理由は明白で、
所謂"謎解き"を展開する物語ではないからですね。

日本の刑事ものと様相は似ているのですが、
本作は、事件を追う中で出会う人々が全員容疑者ではない。
誰かは分からない容疑者を追いかける、だけ、の話。
なので、犯人が明らかになった時、何と言うか、カタルシスが感じられないんですよ。

当時のソ連の体制等をベースに
その中で戦う主人公の生き様を描きたかったのだろうけれど、
ミステリー要素と、ヒューマンドラマ要素の割合が、
どちらも中途半端になったことで、どっちつかずになってしまい、
面白さを見出せないまま、映画が終わってしまった印象です。


正直、これは宣伝方法によるところだと思います。
ミステリー要素を全面に押さない方が良かったのではないかと。

(以下駄話。)
これは、完全に余談ですが、最近よく思うこと。
配給会社としては来場者数を稼ぐために
大袈裟に宣伝しないとダメなんだろうけど、
実際に観た後の感想と大きく乖離があったらいけないと思う。
ごく最近で言えば「HERO」の予告編はヒドイとネタバレ記事を読んで知りました。

娯楽作品は映画に限らずなのですが、
『評価の高さ=収益』とは、必ずしもならないのが嘆かわしいところですね。
動員数とか売上さえ稼げればいい、という目的で宣伝している。
よって、地味で良い作品ではなく、派手な駄作にばかりスポットが当たり、動員数だけ稼いでいる。

何だかなー、といつも思います。



すみません、話戻しますね。


ヒューマンドラマ部分について追記するならば、
恐らく、強烈な抑圧体制の下、人々の感情が押し殺されているため、
見えにくい、がゆえに、感情移入しづらいです。

もちろん、作品としては狙ってやっていて、
それが、後々の展開において効いて来るのですが、
如何せん、共感出来ないのが、残念。

私がソ連の歴史に明るくないので
理解不足・知識不足によるところではあるのですが、
主人公の気持ちの変化も、
奥さんの気持ちの変化も、
その機微は、分かるんだけれど理解できず、というのかな。
だからか、最後まで、あまり惹かれることなく終わりました。

ただ、俳優陣の演技力というか、
凄まじい迫力は伝わってきたので、
気合入れて製作した映画だというのは分かります。
ロシアの方には、馴染みのある題材かも。

そんなわけでちょっと消化不良ではありますが、
推理ものを期待せず、という前提であれば
そこそこ見ごたえがあるかとは思いますので、
興味があれば、是非。

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