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本日、快晴。

映画中心雑記。後ろ向きなポジティブが売りです。

映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ【映画】

2017年07月27日 | 【映画】


@新宿ピカデリー

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2017年東京。
看護師の美香(石橋静河)は病院に勤める傍ら
夜はガールズバーで働き、漠然とした不安や孤独の中で日々過ごしていた。
一方、工事現場での日雇い仕事に従事する慎二(池松壮亮)は、
常に死の気配を感じながらも何とか希望を見いだそうとしていた。
排他的な都会で生きづらさを抱えつつも、
懸命に生きるすべを模索する二人が出会い……。
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原作は詩集。
だとすると、物語は、監督の創作がほとんどかな。

甘ったるいラブストーリーを観なくなったものの
恋愛モノがキライじゃない私が、
非常に好きな空気感の映画でした。

感情の動きが、見えなそうで見える感じとか、
ぶっきらぼうでも、愛が感じられるセリフ回しとか、
ストライクでした。

池松氏は、恋愛モノ向かなそうなのに、
やはり、上手いのでしょう。
ヒロインも、ナチュラルな感じが良いです。
もう少し可愛い子でも良かった気がするけど、
普通っぽさが彼女の魅力かなと。

台本がどうなっているのか分かりませんが、
漫画実写化が続く中、
こういった、自然な会話を成立させる映画は、とても貴重です。

ストーリー性はあまりないですが、
個人的には、ものすごく好き。オススメです。

無垢の祈り【映画】

2017年07月26日 | 【映画】


@アップリンク渋谷

アップリンク+レイトショー+邦画+トークショー。
おひとりさまで、このパターンで映画を観ると、
当たる確率が高い。

本作、例に漏れずでした。

あらすじ読んで、予告編観て、
あああ、これ絶対私が好きな類の映画だ、と思い
実際に観て、大満足で帰りました。

あ。
爽快感は皆無です。最低最悪です。
でも観て良かったです。

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学校でいじめられている10歳のフミ(福田美姫)。
家庭では義父に虐待され、夫に暴力を振るわれる母は新興宗教にのめり込み、
フミには心が安らぐ場所がなく、助けてくれる者もいなかった。
ある日、フミは町で連続殺人事件が起きていることを知る。
殺害現場を巡ることにしたフミは、
そこである人にメッセージを残し……。
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DVとか、性的虐待とか、
もう既にナーバスな要素満載ですが、
この描写のぼかし方は、上手い。
直接的に描けない、という実写の弱みを逆手に取り、
見せない、でも、ものすごく不快な見せ方をしていて、
自身の想像力を呪いたくなる気分でした。アッパレ。

こんだけの話、ハッピーエンドな訳はなく、
まあ、予想通りのバッドなエンドを迎えるのですが、
映画として主張したいテーマはしっかりきっかり伝わります。
不快なだけではないのは素晴らしい。

更に。
映像もさることながら、
工場地帯の音の使い方が、不快感を掻き立てる。
これもどうやら狙いのようで、上手い。

少女が自転車で走るシーンだけが救い。
ただ、この救いがあるからこそ、
絶望がしんどくもなるのだけど、
それも、映画としては、有りなのかもしれない。

とにもかくにも、鑑賞後の絶望感はお墨付きです。
少なくとも、私は、人には薦めません。
ただ、こういう映画を好む人には、観てほしい。

(興味があれば、アップリンクで配信開始してるはずですのでそちらで。)

ちなみに。

上映後に、原作者・監督・俳優陣参加のトークショーがあり、
色々と参考になるお話が聞けましたが、原作者が
「ヒットする映画に必要なのは、"その時にヒットするか"と、"時の試練に耐えられるか"だ」
と仰っていて、なるほどと思いつつ、
これは、派手な宣伝は打てないし、大々的に受け入れられる作品ではないけど
時の試練、言い換えれば、何年先までも、評価される作品になり得る、とは思いました。

3月のライオン 後編【映画】

2017年07月26日 | 【映画】


@新宿ピカデリー

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プロ棋士の桐山零(神木隆之介)が、
川本あかり(倉科カナ)、ひなた(清原果耶)、モモ(新津ちせ)の
川本家3姉妹と食卓を囲むようになって1年。
彼女らとの交流に安らぎを感じる一方で獅子王戦に臨もうとするが、
幸田柾近(豊川悦司)は頭をけがして入院、
その娘・香子(有村架純)は妻のいる後藤正宗(伊藤英明)との関係に悩み、
二海堂晴信(染谷将太)は自身の病気に苦しむなど、
それぞれ試練に直面していた。
さらに、川本家には3姉妹を捨てた父親が現れたことで不穏な空気が漂い始める。
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後編です。

前編の出来が、思ったよりも良かったのですが、
後編の出来は、思ったよりも、遙かに悪かったです。

この監督、戦犯認定します。
漫画実写化の際の、失敗パターンが一緒。

話を色々詰め込み過ぎて、駆け足でまとめる。
あまつさえ、ちょっとだけオリジナル要素を加えて、
原作の良さを台無しにする。

せっかくキャスティングに気合い入れてるのに、
本当に毎度毎度、もったいない。

前歴は、「るろ剣」と「ミュージアム」。
観てない(観たくない)けど、「秘密」も恐らくそうでしょう。


「3月のライオン」は、言わずもがな、
零くんの成長物語です。
そのために、いくつかのエピソードがあり、
丁寧に1つ1つ乗り越えて、彼が強くなる姿に
読者は心を動かされているのだと思っています。

別に、そのまま実写化しろとは思いません。
時間がいくらあっても足りないしね。
だったら、削ることも考えないといけないでしょうよ、と。

私が文句を言いたいのは、主に3点。

●ひなたのいじめと父親のエピソードは、
あんなに軽く薄く描いても、何の効果もない。
むしろ、父親のエピソードは一切不要。

●キャラクター設定の甘さ。
川本家(特にあかり)は、零を突き放すことはしないし、
あの展開だと、零は自分の力で何も乗り越えていないまま
物語がラストを迎えるので、何のカタルシスも生まれない。

●キャラクターの優先度があからさまで、しかもズレてる。
林田先生、二海堂の存在が空気。零の成長には不可欠なのに。
島田・宗谷推しは分かるが、それもちょっと雑。
極めつけ、香子の役目は前編だけで良い。


細かいことを言い出したら、もっとありますが、きりがないので。

前編でも書きましたが、
俳優陣には文句ありません。みなさん素晴らしかった。

だからこそ、だからこそ、
非常に口惜しい出来でした、後編。

正直、この監督に、もう漫画実写化はやってほしくないです。
重ね重ね、残念。

キングコング:髑髏島の巨神【映画】

2017年04月13日 | 【映画】


@新宿ピカデリー

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コンラッド(トム・ヒドルストン)率いる調査遠征隊が、
未知の生物を探すべく、神話上の存在とされてきた謎の島に潜入する。
しかし、その島は人間が足を踏み入れるべきではない“髑髏島”だった。
島には骸骨が散乱しており、
さらに岩壁には巨大な手の形をした血の跡を目撃する。
そして彼らの前に、神なる存在であるキングコングが出現。
人間は、凶暴なキングコングに立ち向かうすべがなく……。
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サミュエル・L・ジャクソンめ・・・。
本人、絶対楽しんで出てる感じが悔しい。

アホ映画だと思って観たら、
予想通りで、でも最高。


こういう映画は
エンドロールで席を立たないのがお約束。
何人か、勿体無いことをした最後のシーンは、
日本人ならばニヤリとしてしまう見所のひとつでした。
えー見逃したーという方は、DVDで。


要所要所に見える、
日本のアニメや特撮が好きなんだろうなあ、という感じ。
こういう監督が、お金かけて撮る映画は、
本当に外さない。


ただ、大真面目に笑いを取りにいってる割には、
観客のツボが、バラバラだったかなあ、というのは気になりました。
これだったら、『コクソン』の方が、
みんな同じタイミングで、ドカンとウケてたかも。

まあ、
この類の作品にとっては、
些末なことです。


大画面で、大音量で、
観るからこそ価値のある作品です。

誰に薦めるかは迷うけど、
気になる方は、少なくとも劇場で是非。

夜は短し歩けよ乙女【映画】

2017年04月10日 | 【映画】


@TOHOシネマズ新宿

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クラブの後輩である“黒髪の乙女”に恋心を抱く“先輩”は、
「なるべく彼女の目に留まる」略してナカメ作戦を実行する。
春の先斗町に夏の古本市、秋の学園祭と彼女の姿を追い求めるが、
季節はどんどん過ぎていくのに外堀を埋めるばかりで進展させられない。
さらに彼は、仲間たちによる珍事件に巻き込まれ……。
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湯浅監督ファンとして、
贔屓目ありきで評価してます。


原作は、森見作品の中でもあまり好きな方ではないのだけど、
加えて、四畳半アニメの再放送を直前でやっていたのが、
私にとっては、凶と出た。


個人的に、No.1と言っても過言ではない作品ですよ。
そりゃあ、ハードルも上がるわ。


映像的には好きだし、
原作からのストーリー改変もそれ程気にならないし、
ジェットコースター感も、
メタ表現も悪くない。


ただ、早口で小気味良い台詞回しが持ち味の森見作品は、
主役2人には少し荷が重かったように感じた。

星野源は思ったよりも良かったんだけど、
声だけとなると、やはり間合いが難しいんだと思う。
ポンポンと掛け合いが重なっていくテンポの良い作品が好みな私にとって、
少し物足りなくも感じ。
ヒロインの声優さんは、可愛らしい声でとても乙女に合ってはいるんだけど、
前述同様、テンポ的なところでグラリと危うい。


わかってはいるのだ。

四畳半を期待してはいけない、というのは分かる・・・!

でも、しかし、だけど・・・・・・・・。


脇の声優さん達は、本当に素晴らしかった。
事務局長の人は、四畳半のオーディションに落ちたと言ってたけど、
適材適所で、ピッタリな役だったし。
樋口師匠は変わってたけど、個人的に好きな声でこれも満足。
ロバート秋山と、新妻聖子は、
畑違いだというのに素晴らしかった。


もちろん言わずもがな。
中村佑介の絵と、
アジカンは最高でした。


多くを望み過ぎた、私の過失。


でも、こんなこと言うと
ファンに物凄く怒られるというのを承知で言わせてもらうと。

声優変えて見てみたい、というのが、
正直な感想です。