黄紙に注意! 鳶ブログ

サッカーに魅せられて全国行脚。
奥山監督率いるアルビレックス新潟レディースを応援しています。

2011プレナスなでしこリーグ10戦目 対INAC戦「なでしこリーグを救えず」

2011-10-01 20:00:36 | アルビレディース
プレナスなでしこリーグ 第11節 2011年10月01日 13:15K.O
福井県・テクノポート福井スタジアム(13010人)晴 風強し 芝良 主審 千葉恵美

アルビレックス新潟レディース 3-3(0-2、3-1) INAC

34分 失点、43分 失点、48分 失点、78分 菅澤優衣香、87分 北原佳奈、88分 菅澤優衣香


[INAC]

-------海堀-------↓
-近賀--甲斐--田中--高良-
--------澤-------
-----南山--チソヨン-----
--米津---大野---川澄--

SUB:GK久野、DF那須、MFクォンウンソム、FW中島、FW高瀬
監督:星川敬

HT後 南山→高瀬

※高瀬投入後

-------海堀-------↓
-近賀--甲斐--田中--高良-
--------澤-------
-----大野--チソヨン-----
--米津---高瀬---川澄--


代表2人がリザーブの上、交代枠は1人しか切らない贅沢な陣容
その上、坂井とかいれてないし。


[アルビレックス新潟レディース]

-------菅澤-------
-上辻---上尾野辺---佐伯-
-----川村--阪口-----
-山本--東山--北原--小原-
-------大友-------↑

SUB:GK諏訪、DF平井、MF落合、MF斎藤、FW口木
監督:奥山達之

HT後 山本→平井
62分 佐伯→口木

試合後、改めてメンバー表を見ると平井咲奈選手はDF登録だったのか。この時点で明らかな間違いだったような気がする。




INACが解雇した元GMの関係で福井テレビの売り興行となった今回の対戦。
運営が酷かった。たぶん狭山の川越での試合に次ぐくらいの酷さ。
(まあ、狭山の場合は、場内で場所を尋ねた観客に向かって運営が「人にものを尋ねる前に自分から名乗るのが礼儀だろう!!」「貴様、名を名乗れ!!」と言っていたのでこれを越せる対応はたぶんないと思う。)
今回は係員に場所を尋ねた観客に向かって、「あっち」「こっち」としか応えられなかった上に、その方向へ行くとフェンスがど~んとあってお客が次々とフェンスを乗り越えていた。
車の誘導が最悪で、駐車場への誘導の手際が悪いから道に車が溢れてしまった。テクノポートへ行くには九頭竜川を橋で越さなければならないのだが、橋が少なすぎて川を越せない車が続出し、川向こうの道路脇や田んぼのあぜ道に車を次々の乗り捨てていき徒歩で歩いて橋を渡って来場したそうだ。後から来た人によるとぞろぞろと大変な人数だったらしい。
キックオフ直後というか、前半終了まで観客席に観客が入ってこれなかったのはこういう事情がある。
Jリーグを目指すチームが福井県にはあるが、これの社会的な実験時にこの試合が使われたような気がする。

試合後の警備が不十分で、INACの選手はいち早く会場から離脱したが、アルビの選手は警備員も付けられぬまま観客の対応に追われた。
後の方から小さな音の場内放送がかすかに聞こえていたが、まあ、群集を抑えるには無力だろう。
いくら売り興行でもINACはもうちょっとホームとしての自覚があっても良かったのではないだろうか。
まあ、INACもついこの間まで100人もいかなかったクラブが急に興行的な成功を収めているわけで、ノウハウが追いついていないのはしょうがないと言えばしょうがないのだが。

中立地の売り興行の観客という普段体験しない環境での試合だったが、当然のことながら一見さんが多いわけで、いわゆる「なでしこジャパン」の選手を一目見ようとするコンサート会場のノリのファンみたいな人がほとんどである。
だからINACがどうとかアルビがどうとかいうことではない。
こちらから見て4人の声出しINACサポ(それにしても昨年から比べると増えたよね)も相当やりづらそうだったし、こちらも何か周りから見られている感じは大いにした。
(アルビは男子の天皇杯をこのテクノポートで行なったことがあるのだが、会場の人はここにJ1リーグのクラブが来たことなんて全然知らなかった。相手奈良だったしな。福井には関係ないか。)


試合は、たとえベレーザの選手を移籍加入させようが、INAC対アルビの試合なわけで、前半の途中からいつものINAC戦のように肉弾戦になってしまった。
アルビは最後まで大野を止められず、前半2失点、後半1失点をしてしまった。
INACの澤は相当お疲れ状態で上手くテクニカルファールで逃げている感じはしたが、大野は元気で、動き出す前に止めないと止まらない感じ。2ゴール1アシストは見事だった。
が、小原由梨愛選手が川澄を完璧に抑えていたこともあって、まあ、それでも前半はまだ試合になっていた。

後半、SB山本選手をルーキー平井咲奈選手に交代すると、ほぼアルビのDFラインは3バックのようになってしまい(平井選手の軽い、本当に軽い守備で、コースを押さえることもできず)、米津に決めれてしまう。
CB東山選手は右に北原選手、左に平井選手を見る形になり、ほぼ1人で3人分をカバーする状況。久々の東山分身の術を見た。
ヘロヘロの上辻選手がサイドバックの位置まで戻って対応するので、アルビ自慢の左からの攻撃がほぼ封じ込められる。
例えるならば、奥山監督はボクシングの矢吹丈ばりのノーガード作戦を敢行したわけである。
右サイドの佐伯選手も体力的に限界を向かえ、口木未来選手と交代。得点差は0-3。INACも後半30分を過ぎるとヘロヘロになってきて会場はシラ~とした空気が流れ始める。
アルビは左サイドにボールを置くと危険なので、元気な右サイドの口木選手へボールは配給。
とにかく口木選手は裏に抜けたり、ドリブルで突破したりして、唯一攻撃可能な右サイドからの反撃を試みる。
INACは3-0からさらに点を取りに掛かり、最終ラインを高めに設定。たぶん星川監督の指示。
まずは上尾野辺選手がかっさらって菅澤選手が叩き込んで1点。バーに当たった時はまたかと思ったが、上手くゴールライン内側へ入っていく。
次はCKから北原選手がヘッドで叩き込む。上背は確実にアルビの方が高いので空中戦になったら有利。北原選手のヘディングシュートというかなり珍しいものが見れた。
さらに菅澤選手がかっさらって自分で叩き込む。これで同点。
さらにさらにもう1回かっさらって最後に左サイドから長い距離を走りこんできた上辻選手がシュートするもゴールにならず。
もし、後半ヘロヘロの上辻選手を同点の場面で斎藤選手に代えていたら、あの角度は斎藤選手の大得意のコースだったので逆転できたかもしれない。まあ、タラレバは禁句だが。
まあ、そもそもSBの平井選手が抜かれまくっている状況で上辻選手を交代されるわけにもいかなかったのではあるが。
そんなこんなで時間切れ、試合終了。まあ、INACが後半足が止まるのはいつものことなので予想通りだが、相手のことではなく、自分達が後半迷走状態に入ってしまったのが今回勝てなかった原因だろう。

なでしこリーグの破壊者「INAC」から結果的になでしこリーグを守れなかった。
INAC以外は正直なでしこ不況まっしぐらのなでしこリーグ。W杯後はいずれのクラブも苦境に立たされている。
この状況をまずは回避するには、試合に勝つことが一番なのだが、残念ながらINACには3試合連続で勝利できなかった。
試合途中のダレた時間帯、女子サッカー的にはまずかったなと思う。(今季、アルビ-INACというカードは結果的に2試合で3万8000人近くの観客に見られたのだけど、どういう評価になったのだろうか?)

この試合は絶対に勝たないといけないカードだったのだけど、結局3失点したらちょっと勝利は難しいかな。昨季は4点以上取れたけど。
ずるずるとここ5試合勝ち星無しで、いつも通りの順位5位に収まりそうな雰囲気になってきた。
次は公式戦・練習試合を通して勝ったことのない浦和レッズレディース。絶対に勝たないとまずい状況に追い込まれた。
今回のような試合のように途中で混迷極まる迷走状態に入ったら絶対に勝てない相手ではある。