黄紙に注意! 鳶ブログ

サッカーに魅せられて全国行脚。
奥山監督率いるアルビレックス新潟レディースを応援しています。

日本女子代表、秦皇島に散る

2008-08-07 07:19:28 | 女子サッカー
北京五輪 女子サッカー

予選グループ第1試合結果(8/6)


〔グループE(天津)〕

アルゼンチン 1 - 2 カナダ

中国 2 - 1 スウェーデン


〔グループF(瀋陽)〕

ドイツ 0 - 0 ブラジル

朝鮮民主主義人民共和国 1 - 0 ナイジェリア


〔グループG(秦皇島)〕

日本 2 - 2 ニュージーランド

ノルウェー 2 - 0 アメリカ


↑日本以外のアジア勢の健闘が光る。アジアの気候的な面も影響しているのかな。




北京五輪開会式前に行なわれ、NHK総合TVでゴールデンタイムに放送された試合。

日本の女子サッカー界にとってとても大事な試合。

結果は決勝トーナメント進出が絶望的となる引き分け・勝ち点1。

前半から日本のパスがつながらない。意図したところへパスを出すのだけど、選手の後方へ行ってしまい慌ててトラップするシーンの連続。

これは芝の影響と思われる。



前回、日本で行なわれた親善試合の時にニュージーランド戦を見に行ったのだけど、その時の感想はとにかくでかいの一言。

尻の位置が高くて身体が横も縦もデカイ。なので、ボールをキープされると短足・チビ揃いの日本人だと脚を伸ばしてもなかなかボールに届かなかった。

その時はまだ選手の個人技もチームの熟成度もまだ未熟で日本が6-0で勝ったのだけど、今回は相当完成度が高くてセカンドボールが奪えない。



五輪前に親善試合で現在冬の南半球のアルゼンチンとオーストラリアの2試合を行なったわけだが、この試合相手の選択が非常に気になっていた。

オーストラリアを仮想ニュージーランドに見立てたと言うが、本当に効果はあったのだろうか?

北半球のカナダやスウェーデンあるいはドイツといった強豪とやっておくべきではなかったか?

オーストラリア戦にせよアルゼンチン戦にせよ多分に不安の残る結果に見えた。

怪我人を出したくないという気持ちも分からなくはないが。



佐々木監督の採用した戦法は妥当だと思う。あのボールが転がらない芝と中盤にノッポを集められた陣形に対して裏へボールを放り込んでサイドの選手を走らせるのが効果的なはずだった。

試合の入りは悪かったが、前半の中ほどは相手ゴール前でボールを回せていて日本有利。

ここで決めておけば圧勝だったと思うが、ベレーザ大野が決めきれない。親善試合の時とは別人のようだ。

あれだけ決定機を外せば、逆にピンチが訪れるはずで、案の定守備に不安の残るレッズ柳田側を狙ってペナルティエリア内へ侵入され、最後はベレーザ近賀のイージーミスで失点。

あのベレーザ近賀のプレーは普段女子サッカーを見ない多くの人々に日本女子サッカーのレベルを示してしまったような気がする。

1失点以上に今後に残るダメージが大きい。


ただ、ベレーザ近賀のプレーは起こるべくして起きたような気がしている。

なでしこリーグ(日本女子サッカーリーグ)でもベレーザ近賀は所属チームの日テレ・ベレーザの右SBで出場することが多いが、リーグ戦であれだけえぐられることは少ない。

ベレーザの一極集中で、ベレーザは守備機会が他のチームより少ない。(レッズもその傾向はあるが)

ベレーザ近賀の責任というよりは、そういう環境を作れなかった日本サッカー界に原因があると思う。

レベルの高い、毎試合息を抜けない戦いをリーグ戦で行なえていたらあの近賀のプレーはなかったかもしれない。



もしが許されるなら守備力のある予備登録熊谷を右SBで使っていたら、大型選手に対して押されることはないので、攻撃力は落ちるが、失点は無かったかな。なんて思ったりもする。後出しじゃんけんになるのでどうにも言えるのだが。




気になっていたことがもう1点。

TASAKI阪口の守備。

あれだけ澤や岩清水がガツガツ行っているのに、何故にお嬢様サッカーになってしまったのか?

見ている以上に怪我が重かったのかな?

国際試合でTASAKIサッカーをやられてしまうとポジションがポジションだけに非常に厳しい。


PKは謎だが、あのPKだと必ず返しのPKがあると思っていたので、できるだけペナルティエリア内へ突っ込んでほしいと思っていた。

なので、東電丸山の投入は遅かったくらいだ。

ベレーザ大野を後半最初から交代させて突破力のある東電丸山投入は考えられなかったのか?


ベレーザは先制されることが少ないので、こういう展開は慣れていないんだなと感じた。

こういう展開で頼りになるは、逆境を経験している岡山湯郷Belleの宮間であり、東電の丸山だ。



残念だったのは、同点に追いついた時点で選手達が自陣へ戻らなかったこと。

時間はあまり無かったのにあの行動。逆転へのモチベーションは無かったようだ。

佐々木監督の早く戻れ、早く戻れという姿が哀れに見えた。

この時点でこのチームの勝ちは無いなと感じた。残念ながら。




ベテランの磯崎・加藤・原を先発から外したのは、4年後を考慮すればある意味良かったのかもしれない。レッズ矢野の方が当然キック力はあるし。岩清水も鋭い動きを見せていた。

が、阪口らいわゆる「アジアで頂点に立てなかったU-20世代=谷間の世代」が日本代表に組み込まれるようになってきたが、世界と戦えるようななった大型チームである現在のU-20やU-17がフル代表に組み込まれるまでは暫く辛抱の期間が続くような気がする。

そんな感想を持った北京五輪初戦だった。



この大失態を日本代表がどう跳ね返せられるか?

アメリカが負けたので、このグループ突破は非常にきつい状況になった。

最下位になる可能性も低くはない。

北京五輪がこの4年間の集大成というならば、「頑張ってくれ、日本!」

日本の女子サッカーの灯を点し続けてくれ