30.06.10 退 職 金 NO.1916
「退職金」というものは長年勤務したご褒美とか、老後の生活保障を
担保するための恩恵と考える人がいるかもしれませんが、そういうも
のではありません。
企業なり役所は本来支払うべき給料の一部を支払わないで天引きして
貯めておき、従業員が万一不正を働いたりし損害を与えた場合に、そ
れを差し押さえたり懲罰として取り上げるために「仮差押さえ」して
おいたものを、退職時に支払う「給料の後払い」なのです。
組織は、差し押さえしている間にそのお金を運用して、それなりのメ
リットをえていることは疑いの余地もありません。
なのに、もらった人は一種のボーナスのように思って、持ち慣れない
大金を大判振る舞いして子との2世帯住宅を新築したり、一廉の投資
家気分になって株に手を出したりしてひどい目にあうのです。
だいたい2世帯住宅なんてうまくゆくわけがありませんし、株式投資
に至っては、下手をするとすってんてんの丸裸にされてしまうもの
です。
退職金の取り扱いには注意が必要です。 後輩にはそう教えてあげて
ください。
「やってはいけない老後対策」大村 大次郎著 小学館新書を参考にしました。