30.05.25 タックル２ ＮＯ.1905
今では未開発国とか後進国とは言わないで、開発途上国と言うのでし
ょうけれど、そんな国の一部ではたとえば窃盗を起こした場合には、
今後同じ犯罪を起こせないように犯人の手を切断する「刑」があると
聞きます。
この場合は本来「手」が悪いのではなくて、そういう行為を命令した
「脳」が犯人であることは、日本人であるならばわかるでしょう。
日大のアメフト選手がプレイ中に悪質な暴力行為を働いたのは、もちろん
意思や判断能力がある本人に責任があることは否めませんが、その選手を
手足のようにコキ使っていたコーチや監督に元罪はあることも明白です。
交通事故を起こした場合、たとえ悪意はなくても刑事上の処罰（危険運
転致死障害罪など）のほか行政罰（運転免許取り消しなど）は当然ながら、
そのほかにも損害賠償責任・慰謝料支払い負担義務が課されます。
今回の場合被害者は刑事上の処罰を求めて、関係者を「刑事告訴」すべき
ことは当然ですが、刑事処分が確定したのちには損害賠償請求の訴訟を提
起すべきでしょう。
民事請求を先行すると日本の警察は刑事事件の取り扱いはおよび腰になる
からです。 それは、お金で償えばよいという考えと、刑事告訴を利用し
て損害賠償請求を有利に進めるための便法（便宜告訴）とされることを危
惧するからです。
