野分日記  ~Mint★Drop!のブログ~

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アントニーの名演説!

2014年11月17日 | 野分日記


「ジュリアス・シーザー」の劇中で、アントニー(藤原竜也)がローマ市民に語りかける名演説。






わが友人、ローマ市民、同朋諸君、耳を貸してくれ。
私が来たのはシーザーを葬るためだ、称えるためではなく。
人間のなす悪事は、その死後もなお生きのびるものであり、
善行はしばしばその骨とともに埋葬されるものである。
シーザーもそうあらしめよう。高潔なブルータスは諸君に語った、
シーザーが野心を抱いていたと。
そうであれば、それは嘆かわしい罪にほかならず、
嘆かわしくもシーザーはその報いを受けたのだ。
ここに私は、ブルータス、その他の諸君の許しを得て--
と言うのも、ブルータスは公明正大な人物であり、
その他の諸君も公明正大の士であればこそだが--
こうしてシーザー追悼の辞を述べることになった。
シーザーは私にとって誠実公正な友人であった。

だがブルータス は彼が野心を抱いていたと言う。
そしてそのブルータスは公明正大な人物だ。
シーザーは多くの捕虜をローマに連れ帰った、
その身代金はことごとく国庫に収められた、
このようなシーザーに野心の影が見えたろうか?
貧しいものが飢えに泣く時シーザーも涙を流した、
野心とはもっと冷酷なもので出来ているはずだ、
だがブルータスは彼が野心を抱いていたと言う、
そしてブルータスは公明正大な人物だ。

諸君はみな、ルペルクスの祭日に目撃したろう、
私はシーザーに三たび王冠を献げた、それを
シーザーは三たび拒絶した。これが野心か?
だがブルータスは彼が野心を抱いていたと言う、
そして、もちろん、ブルータスは公明正大な人物だ。
私はブルータスの言葉を否定すべく言うのではない、
ただ私が知っていることを言うべくここにいるのだ。

諸君もかつては彼を愛した、それも理由あってのことだ、
とすれば、いま彼の哀悼をためらうどんな理由がある?
ああ、分別よ! おまえは野獣の胸に逃げ去ったか、
人間が理性を失ったとは。いや、許してくれ、
私の心はシーザーとともにその柩の中にある、
それが戻ってくるまで、先を続けられないのだ。





そして、もちろん、ブルータスは公明正大な人物だ。

ちなみにシーザーの最後の言葉として有名は「ブルータス、お前もか」は原文では次の通りです。

Et tu, Brute?-- Then fall, Caesar! 「ブルータス、お前もか? そうなら、シーザーよ、死ね」

そうラテン語のままなんです。

シェイクスピアが書き上げた当時から、この最後の言葉は伝わっていたのであって、彼の創作ではないのです。







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8 コメント

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Unknown (White6)
2014-11-18 07:11:16
Mintさんは本当に

多趣味で行動力が
凄いですねU+2757U+FE0F

藤原竜也さんって
魅力的ですよね。

また楽しみにしております^ ^
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White6さん (Mint★)
2014-11-18 19:14:59

こんばんは。
特に多趣味と感じたことはないですよ。
むしろ偏っているのでは・・・

例えば私はスマホでゲームはしないし、アニメ・コスプレ系にも興味ないし、音楽は邦楽(それもお琴・三味線の方)だし…

歌舞伎・文楽、お芝居は「マスト・アイテム」です。

ところで、今回の「ジュリアス・シーザー」エントリー、さすがにコメントがありませんね…こんな時に頂くコメントは有難いですね… まぁエロサイト、エロ目的のSNSですからね…シェークスピアではないか!

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こんばんは (さち)
2014-11-18 22:41:03
まずは…セリフ長っ!
この人って長いセリフ言うために役者やってるのかって思う時あります。でも、カイジやデスノートなどで、一線越えるような演技好きだし、少し期待しちゃいます。

盛り上がってる所でラテン語使われたら、シーザーの死の瞬間の場面に連れてかれますね。
こんな粋な演出を考えるシェイクスピアっていい意味でズルいです(笑)
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 (Mint★)
2014-11-18 23:49:02

なぜシェークスピアが400年間も世界各国で指示されているのか、この名演説を読めば、その一端がご理解出来るでしょう。

藤原竜也だけでなく、世界中の役者がこの演説(長台詞)を朗々と語ってきました。

ちなみに今回の上演は、全編日本語なので、ラテン語の台詞は出てきてません。英語で上演する場合、「ブルータスお前もか」はラテン語になります。

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Mintさんへ。 ()
2014-12-01 00:54:14
 
こんばんは。

こちらにお邪魔したのは名演説に惹かれてと、少しコメントが少なかったのでここに勝手にこようと思いました。
Mintさんみたいなこういった趣味って凄くて尊敬してます。

「ジュリアス・シーザー」はどんなのだろうと思いましたがMintさんが書いてくださってる「ブルータス、お前もか」で分かりました。

そこしか知らないんですが、藤原竜也さんのこの演説はすごいですね。

セリフがすごく長くてその中で何度もブルータスは公明正大な友人、人物だと訴えかけてる所がローマ市民へ語りかける上で重要なんだと感じ少しニヤついてしまいこの言い回しだけで興味を惹かれてしまいました。
 
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さちさん (Mint★)
2014-12-02 18:45:09

藤原竜也が凄いのではなくて、シェークスピアが凄いのです。そして、このセリフは新劇、特にシェークスピアを目指す役者なら、必ずと言っていいほど暗唱しています。

この演説によって、ブルータスに傾いていたローマ市民の感情を、一気にアントニー側に逆転させるのですから見事なものです。

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シェイクスピア (よっしー&かおりん)
2015-05-29 00:07:53
活字中毒ですが、戯曲は苦手な部類に入ります。
でも三島由紀夫と寺山修司とシェイクスピアは読んでしまうんですよね。
3人ともヘンタイさんだからかもしれません 笑。

ジュリアスシーザーやアントニーとクレオパトラだけでなく長台詞や格言、名言が彼の作品にはゴロゴロしていますが、忘却の彼方だな、3月15日には気をつけるようにしていますが。
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よっしー&かおりんさん (Mint★)
2015-05-29 02:24:54

私の連れ合いの方が活字中毒で、どこへ行くにも活字を持参していく、そんな人です。同じく文学部卒なんですが、私とは少し人種が違いますかね…

それはさておき、シャイクスピアの台詞には格調高いものが多いですね…
今回はこの名演説を、藤原竜也の声、台詞廻しで聴けて観劇でした。

三島は読んだことありますが、寺山はどうも苦手感があります。

日本ではシェイクスピアに並称されるのは近松門左衛門ですが、私はむしろ河竹黙阿弥の法が台詞的はシャイクスピアに匹敵すると考えています。

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